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Sweet&DengerousRock'nRoll(仮)

第1回 第2回
 


1

 美人のメイドさんが突然家に押しかけてきて色々なお世話をしてくれる
  助けた猫がネコ耳少女となって突然恩返しに来る
  突然美少女ばっかのアパートの管理人になる
  昔結婚の約束をした少女と突然の再会
  突然12人の妹が出来る突然異世界に召還されてロリ魔女の犬になる突然空から
  女の子が降ってくる突然双子に告白される(複数組)突然美人のお義母さんができる
  突然エッチなお姉さんは好きですかエトセトラエトセトラ
  もちろん、女の子たちは皆自分に無条件の愛情を注いでくれることは言わずもがな

 そんなシチュエーション、男なら一度は夢見た事があるはずだ。…あるはずだ
  …あるよね?少なくとも、みんなは

 しかし、そんな事を夢想しながらも、同時に俺たちは理解している
  んなこたねぇ
  ありえねぇ
  所詮それは妄想の産物
  脳内や紙の上、モニターの中でこそ許される世界なのだということを

 そう、そんな事現実に起こるはずがねぇ。
  ○車男もどうせ作り話だろ、とか斜に構えていた俺ですから
  痴○男なんてそれこそありえネェよと笑い飛ばしてた俺ですから
  鍋○に胸を打たれ、溢れる涙をこらえられなかった、そんな俺ですから
(○波男にはちょい引いた俺でしたが)

 だから
  美人で、それでいていやみは無くて、可愛いと言う表現も良く似合って、
  上級生下級生とわず男女ともに人気が有り、運動勉強言わずもがな、料理裁縫そつなく
  こなす、誰からも愛されるような彼女が
  ろくに話した事もない、意識しつつも所詮俺には高嶺の花、と
  葡萄が取れなかった狐ではないがひねた思いで見ていた彼女が

「高畠幸彦(たかはた ゆきひこ)さん―」

 放課後突然俺を校舎裏に呼び出して

「私は―」

 頬を赤らめ、潤んだ瞳を恥ずかしそうにそらし

「ずっと、ずっと前から―」

 控えめでもなく、さりとて主張しすぎるでもない胸にそっと手を沿え

「貴方の事を、見ていました」

 烏の濡れ羽色の髪を風になびかせ

「貴方の事を、想っていました」

 おもいを紡ぎ合わせるように、ゆっくりと言葉をつなげながら

「どうか、どうか私と―」

 そらしていた目を硬く瞑り、再び開くと同時にただまっすぐに自分を見つめ

「―お付き合い、してください」

 なんて、夢みたいな事いってきた日にゃ
 

 喜びよりも猜疑心やらが先立つのは自然な流れであるはずだ

「ごめんなさい」
  軽くパニくって即行で頭を下げた俺を
  そのまま話も聴かず振り返る事も無く全力でその場から逃げ出したこの俺を
  果たして、誰が責められようか
  駆け出した俺の背中に彼女が何か叫んでいるらしい事はわかったが、金髪でピアスとか
  してるような連中がどこか物陰に潜んでいるんじゃいかとか気が気でなかった自分の耳には
  当然そんなもの一つとして届くはずも無く、鞄の事を記憶のかなたに置き去りにしたまま
  全速力で家を目指した

2

 女性に囲まれるなんてシチュエーション。それは男性にとってはひとつの理想、
  永遠の夢とかいっちゃっても過言ではないものではないだろうか?

 元抱かれたい男No1も歌っていた。 『ハーレムを 作りたいって そういや昔 思ってたかな』

 これが漫画とかなら俺がどれほど劣等な人間であろうと女のこの方から良い所を無理無理探しては
  近寄ってきてくれるだろう。きっとパンツをカメラに収める事にやっきになるような下衆タレでも
  慕ってくれたはずである

「…かる?あの子ね、すっごい傷ついて…」

 しかしながら我々が暮らす現実世界でそのようなイベントに遭遇できる可能性はゼロと言って
  過言無い。鼻でもかむ感覚でゼロが6個以上並ぶボトルを入れられるような立場にでもなるか
  あるいはヒロイン30人くらい出るような漫画でもアニメ化させなければまず無理だ

「…いたい、あんたがあの子に口利いてもらうってだけでも…」

 ところで、今俺がおかれているこの状況を見てくれ。こいつをどう思う?
  昨日と同じ校舎裏、昨日と同じ放課後、今度は複数名の女性に囲まれていた
  まさか二日続けてこんなイベントに遭遇できるとは思わなかった。美人に告白されたと思った
  次の日には女性たちに囲まれる。まぁ普通に考えれば前述どおり夢のようなシチュエーション
  かもしれん。しかしそれは好意が自分自身に向けられている場合にのみ天国となりえるのである。
  例えそれが自分の懐へのみ向けられたものであったとしても、だ

「…もかかわらず、…ったですって…?…れないわよ」

 しかるにこの状況はどうだろう?張り詰めた空気、一切の反論を許さぬ言外の威圧。向けられるのは
  好意の眼差しではなく侮蔑や怒りを内包した、射殺すがごとき無数の視線。逃がさぬよう
  がっちり固められた包囲網。そして、壁際に追い詰められ正座させられてる俺

「聴いてんのっ?」
「はいっ、スイマセンッ!」

 先ほどからまくし立てていた女が金切声を上げる。作画崩れしたかのごとく歪みまくったその表情。
  あんまりな剣幕に思わず土下座しそうになった。そんな卑屈な態度に女は益々顔を強張らせ
  忌々しそうに鼻を鳴らす。ちらりと覗く侮蔑の色は濃度を増すばかり

 これがね、浮気の果てに関係持った相手全員が一堂に会した場面ってならまだ華もあったろうし
  趣旨にも合ってたんだろうケド、あいにくただ単に呼び出し食らって吊るし上げ食らってる
  だけなんだよね

 何故こんな目にあってるのか。理由は言うまでもあるまい

 先述のとおり、俺はこの校舎裏の一角である女性に告白された。そらもうすっげえ美女で普通なら
  喜ぶところなんですけどね、あまりに出来すぎた話に俺は何かの悪戯じゃないかとかんぐった挙句
  逃げ出してしまったわけですよ。だってそうでしょう?クラス一の美少女が実は
  俺の事をずっと好きでしたなんてエロゲーでもなけりゃありえないシチュエーションですよ、
  そんなの。

 改めて自分のことを見直してみる。名前は高畠幸彦(たかはた ゆきひこ)そんな珍しい
  名前ではないな、普段使わないほうの「畠」ってだけで。身長は女子の一番背が高い子よりは
  高いけど目立つほど高いというわけでもない。人ごみでせいぜいひたいが露出する程度。
  体重は…デブではないはずだ、これも健康には気を使ってるし、筋肉もある。
  …まぁ見せるほどの筋肉じゃあないけど。大学にはいきたいので運動も勉強もそこそこには
  こなしている。赤点は取った事ないな、80点より上もとったことないケド。
  部活も委員会も入ってはいるが内申目当て。美術部員と図書委員で幽霊ではないが
  特に目立つ成果を出すでもない空気。顔だってそうだ。卑下するほどではないと思うが
  絶望するほどひどくないという程度。顔で人を惹きつけることはないだろう。
  これで前髪で目を隠していればギャルゲーの主人公としては及第点なんだろうな
  現実じゃあただの面白みのない男だが

 あとは…、そうだな、オタクと言うことだ。学生なんで金がかかることは出来ないが、
  毎週やるアニメは欠かさず録るし、美少女もロボも特撮も好き。

 なんだろう、要するにオタクという以外に取り立てて語る所もないのだ。
  語る所がないなら当然世の中は俺をオタクと認識するわけで。
  馬鹿にされる事はないにせよ世の中はそういう目で見てくる。
『メイドカフェってどんなとこ?』とか聴かれたり。まあとにかく、基本スペックが違いすぎる

 金もないしコネも無い、部活や委員会が同じわけでもないし、運動勉強で目覚しい活躍をしたとか、
  暴漢から救ったとかそんなイベントも無い。出会ったのは高校はいってからだし
  前にあった事を忘れてるとか言うのもないはず。
  完全にこれまで接点がなかった、と、証明する事はできないけど

 つまり、どこでフラグが立ったんだか一向にわからないのだ

 結局、昨日はそんなことばかり考えるうちいつの間にか眠ってしまっていたらしく、気が付けば
  窓からは光が差し込み、暴れだす目覚まし時計が新しい朝の到来を告げていたという塩梅

 朝食を摂りにリビングに出ると、すでに家族は全員出かけていった後。テーブルにはトーストや
  卵焼きの定番メニュー。朝からそんなにがっつく気にもなれなかった俺はトーストとコーヒーだけで
  軽めに済まし、影と眠気とそしていつも以上に重い足を引きずり学校へと向かったのであった

 正直気が重かった。毎朝俺に一日の活力を与え続けてくれていたお天気お姉さん杉下綾乃21歳
(二年前見たプロフィールでは確か23歳だった)の笑顔もこの俺の心を癒してちゃあくれなかった

 片道15分を満員電車に揺られ、ようやっと学園のある街までたどり着く。
  この時間はサラリーマンなんかの姿は無くそのほとんどが学生だ。
  道を行く学生たちはブレザーにセーラー、なかにはゲームに出てくるようなひらひらした
  ドレスみたいな制服を着ている者と格好はさまざま。
  しかし彼らは皆俺と同じ学校に通う生徒たちだ。

 ウチの学校の制服はかなり変わっている。生徒にはあらかじめ上下あわせ数タイプの制服と
  リボンやスカーフ、ネクタイなどの装飾品が支給される。それらすべてが制服で、その中でなら
  どのような着こなしをしてきてもかまわない、という妙なシステムになってる。
(装飾品の類は支給品以外を着けてきてもいいことになっているらしい、一応)

 数年前、制服廃止を訴える生徒会と、あくまで制服を着せる事を望んだ教師陣との間で諍いがあり
  長い討論の末たどり着いた折衷案がこの「自由選択制」とかいう妙なシステムだったらしい。
  基本的なセーラーやブレザー、前述のドレスタイプのようなのから中には上下ごっちゃの奴と様々。
  少し馬鹿らしくも感じられるがこれが意外と好評らしく、今でも制服目当ての受験生や
  カメラ小僧が後を絶たないとか

 そんな一貫性の無い集団の中、俺は一人の少女の姿を探していた

 胸にリボン、ふくらんだ肩口、袖やスカートの端にフリルの付いた純白の、数ある制服の中でも
  もっとも着る人間を選ぶとされるドレスタイプの制服を完全に着こなし、腰にまで届く、
  カラスの塗れ羽色の髪、それにも負けぬ、黒い水晶を思わせる澄んだ美しい瞳。
  優しげな笑みを浮かべる赤い唇。それらと美しい対比をなす、透けるような白い肌。
  そして、均整の取れ、服の上からでも判るしなやかな体のラインが妙に扇情的な、
  数キロ先からでも見間違える事はないとされる学年一、いや学園一の美女

 集団の中にその姿が無い事を祈りつつ視線をめぐらす。見つからない事を祈って探す、
  なんとも矛盾した事だ。結局は教室で必ず顔を合わせるというのに。そのことを思い出すと
  ただでさえ言う事を聞かなかった足がさらに重く感じられた

「天美凛子さん」
「はい」

 けだるげな朝の教室、白髪の目立ち始めてきた老教師は、いまだ夢うつつをさまよっている
  生徒たちを尻目にもくもくと生徒名簿を読み上げる

「江原正子さん」
「はい」

 何度と無く繰り返された風景。だがその中に昨日までは確かに無かったはずの違和感を
  感じ取っていた。それは、俺のほうへと向けられる、射竦めるような女子の視線。
  そしてそれらとは違う、ある一点を興味深そうに見る男子の視線。
  俺はそれらを無視し、窓際後ろから三番目の席へと意識を向ける

「尾上彩加さん」
「はい」

 すし詰め状態の教室で、一つだけぽっかりと明いた空白

「神城由香里さん」
「はい」

 無駄に出席率の高い我がクラス。ここ数週間一人の欠席者も出していない、
  その事実がより一層その空白を目立たせていた

「木崎志乃さん」
「はい」

 いつもならば、そこには一人の少女が座っていたはずだった

「京本正子さん」
「はい」

 陳腐な表現ですまないが、いわゆる品行方正才色兼備、まさにまさしく絵に描いたような
  (実際このレベルの女性は漫画以外で見たことない)美女

「倉澤綾さん」

 返事は無い
  皆の視線がひとつに集中する。教室の窓際後から三番目の席
  本来あるべきの姿は、そこには無い

「くらさわー、くらさわあやさーん。いないんですかー?」

 くらさわあや。それが彼女の名前。俺を想い続けてきたと、そう告白した少女の名前

「倉澤さんは欠席と。珍しいね。じゃ次、小菅由香」
「はい」

 何事も無かったように点呼が再会される。それでも多くの生徒の視線はそこに固定されたまま

「榊原郁恵さん」
「はい」

 顔を合わせなくてすんだ、などと安堵するような余裕は無かった。俺に向けられた、
  無数の視線があったからだ。その視線が何の為のものであるか、
  その裏にどんな感情が潜んでいるか、わからない俺じゃない。
  授業が終わるたび俺は即効で教室を抜け、授業開始ぎりぎりまで逃げ回っていた。
  理由は簡単、あの視線から逃れるためだ。あのまま教室に居たら、
  どんな目に合わされるかわからない仮に今逃げられたって、いつまでもそんな事を
  続けられるわきゃ無いと、わかってはいたのだが

「…まだ三分ほど残っているが、切りがいいのでここまでにしておこう
  ただし、チャイムが鳴るまで席は離れるなよ」

 物分りがいいと評判の数学教師は、それだけ言ってさっさと教室を出て行った。
  あれよあれよという間に最後の授業が終わった。何をやったかなんて当然覚えていない。
  俺は教師の忠告を無視し、チャイムが鳴る前から教室を抜け出した。全速力で廊下を駆ける。
  あとわずかとはいえまだ授業中、幸い誰にも遭遇することなく下駄箱までたどり着く事ができた。
  乱暴に上靴を脱ぎ捨てると、踏んづけたかかとを直す事もせずに駆け出した。
  とにかくただ、ここから逃げる事を考えて。

 あまかった。踏み出した足はしかし前へ進む事はない。振り向いた先には女子の集団
  猫を捕まえるように、俺は制服の襟をつかまれていた。

 そして、今に至る。

 正直な所、おれ自身昨日の対応は無かったと思っている。今更言ってもいいわけだが
  …しかし、こうして呼び出されているという事は、
  昨日のあれは本当の本気の告白だったのだろうか?

 

「…っだから、あんた人の話、聴いてるのっ!!?」
「はいっ、聴いてます聴いてますっ」

 聴いてるわきゃない。そりゃ最初のうちはまじめに聞いてもいましたが説教というのは
  時間に反比例して相手への効果が薄れていく者なのです。
  加えてこの女の話す内容はどれも自分勝手で押し付けがましく、
  そして、同じ内容の繰り返しだ、ウンザリする。おまけに独特の金切声は非常に耳障りだ、
  ゲンナリする。更には周りでわざとらしくうんうんうなずく女子、ソーダソーダと
  適当な相槌を入れる女子。たまに聞こえる「ひっどーい」とか「しんじらんなーい」とかいう野次が
  神経を逆なでする。これでまじめに聞けってのが無理ってもんだ。すでに精神は逆ギレ寸前。
  しかしいまだ噴火しないのは耐えているのではなく反撃が怖いから

 いやそれ以前に、当事者である彼女抜きでこんな話をしたって意味ないんじゃないか?

「少しは人に気持ちも考えたらどうなの!?大体あんたは…」

 人の気持ちを考える

 正論に聞こえるそれはしかしとてつもない矛盾を内包している。その言葉を言う資格があるのは
  人の気持ちを考えられる人間だけだ。そしてそんな人間は、まずそんな言葉を使わない。
  言われる側の心情を推し量る事ができるから

 きっと彼女たちは自分が正義の味方か、まぁそうまでいかなくてもドラマの主要人物に位には
  なったつもりでいるのだろう。彼女たちに昨日のことがどう伝わっているのはわからないが、
  立場的にはひどい目に合わされた友人のために原因となった男に毅然と立ち向かってるわけだし

 しかしそこまでだ。きっと彼女たちは深入りするつもりは無いのだろう。
  友人知人の色恋沙汰に必要以上に盛り上がる女子。結局どう転んだとしても
  自分たちに害が来ないことを知っているから、だから気軽に騒げる。
  この行為だって、おそらく当人である所の彼女は知らないのではないか?
  話を聴く限りでは、昨日の事の顛末を人づてに聞いたこいつらが、
  要らぬ正義感を振りかざして一方的に騒ぎ立てているだけらしい。

 そうだよな、彼女が振られた腹いせに一度は好きといった男を吊るし上げてくれなどと
  頼むような人間だとは思えない

「あんた、悪いと思ってるの!?」

 確かに悪かったとは思っている。しかしそれは俺のあまりな対応に、であって
  ふったという事に対して、ではない。第一、何故お前にそれを言われなければならない。
  いつの間にか、論点は俺の態度の問題から、(こいつらいわく)
  俺ごときが彼女をふった事に対する批判と也、そして最終的には単なる俺への批判となっていた。

 いい加減
  限界だった

「…じゃあ、今から付き合えばいい、とでも言うんですか?」

 ポロリ零れ落ちる、本音。いい加減頭にきていたらしい、だからこんな発言が出た

「自分を好いてくれる事必ず付き合わなきゃいけないわけかよ!?好きの度合いが強ければ強いほど
  拒否しちゃいけないってのか!?だったらストーカーとは必ず付き合わなきゃいけない、
  ってことかよっ!?」

 言って気づく、これは明らかな失言だ。まるで彼女がストーカーだとでも言うような台詞。
  例えいかなる状況でも、少なくとも自分を好いてくれる女性を対象にして使っていい表現ではない

 …より一層険しさを増した視線が、その証明
  言葉にこそしないが、彼女たちの怒りは臨界に達した、そう見ていいだろう。
  その怒りが正当な者かどうかは別として。…これが男だったらこのまま
  集団リンチされそうな場面だが、じゃあ女だったらどうなのだろう?
  最近じゃあ複数の女生徒がリンチまがいの行為をする場面をドラマなんかでも良く見る。
  …いずれ、無傷ではすむまい。咄嗟に身をこわばらせる。だが、それは杞憂に終わった

「…その辺にしといたら?」

 その声は、まさに救いの声。先ほどまで向けられていた無数の視線も削がれ、彼女たちは一様に
  して声の主へと顔を向けていた。釣られるように、俺もそちらへと頭を動かす

 そこにあったのはひとつの影。スタンダードなセーラー服姿、栗色のボブカットの髪、
  そして円眼鏡の奥から覗く、威圧的なとび色の視線

 一人の少女が、夕焼けを背に立っていた。

2006/10/06 To be continued

 

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