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Legendary Tales(仮)

第1回                  
※こちらの作品は、『ドラゴンクエスト3』の二次創作作品です。※

1

明日はあの野郎の16歳の誕生日、そして世界を救う為に旅立つ日。
あいつが勇者なんて悪い冗談だぜ。
俺に殴られて、いつもピーピー泣いていたくせに……
あんな泣き虫が1人で世界なんて救える訳がねぇ。
だから仕方ねぇから俺がついて行ってやることにした。
「明日ルイーダの酒場で待ってるぜ」
そう、あいつに伝えた。
あの野郎を殴って良い権利は俺にしかない。
魔物なんかに殴らせてたまるもんか。
絶対に……絶対にだ!

とある女戦士の日記より抜粋

明日はあの人の誕生日……そして、魔王を倒すために旅立ってしまう日……
あの人は優しい人。
いつも、あの紫色の髪の女に暴力を振るわれても、困ったような顔で笑っているだけの優しい人。
あの女だけは許せない。
あの人の優しさに付け入っているだけの癖に、あまつさえ、ルイーダの酒場で待ってるですって!?
あたしは目の前が明滅するほどの激しい怒りを覚えた。
だから、あたしは登録した。
ルイーダの酒場に……
そして、明日私は言うんだ。
こんな野蛮な人を連れて行ってもあなたの害悪にしかならない。あたしを連れて行って。
あたしの拳はあなたを守る為にあるのだから、と……

とある女武闘家の日記より抜粋

僕は頭にきている。
あいつは僕に一言もなく旅立つ気なんだよ。
きっと僕に気を使ってるつもりなんだろうけども、余計なお世話だよ。
優しさだけが取り柄の癖に……
そんなんで、どうやって世界中を旅するつもりなの?
世の中には色んな人がいるんだよ。
悪い人だって沢山いるんだよ。
騙されるに決まってる。
そう……悪い人に……
今だって、あんな暴力女共に良いように騙されちゃてるのに……
あの暴力女共……
今日たまたま、ルイーダの酒場から出て来たのを目撃した。
あんな単細胞な連中の考えていることなんてお見通し。
でもね、冒険はね、腕力があれば良いってものじゃないのよ。
トラップを見抜く力、モンスターと遭遇しないようには、アイテムを探し出す力は?
挙げればきりがないし、挙げたものはすべてあの単細胞には出来ない芸等。
あいつだって分かってるはずさ、必要なのは僕だってね。
ルイーダの酒場に登録もしたし♪
明日が楽しみだな〜

とある女盗賊の日記より

拝啓オフクロ様。
私は父オルデガの如く立派な勇者になろうと日々精進して参り、
こうして旅立ちの日を迎えた訳ですが……
旅立てません。
先に進めないっす。
王様との謁見を済ませ、いざルイーダの酒場へと意気込んで行ったら……
ガシャーン!
バリーン!
激しい破砕音と、
「う゛るぁぁ!ぶっ殺すぞ!この糞武闘家と糞ガキ盗賊が!」
「だまれ低脳、あなたは害悪にしかならないわ」
「それなら、あんたも害悪ね。それにあいつがあんた達みたいな腕力馬鹿の単細胞を
パーティーに入れると思ったの」
罵り合いながら、戦っている幼なじみ達……
なんかもう、前途多難と言うか、前途すら見えません。
とりあえず、今日は家に帰って寝ます。

2008/02/22 To be continued.....

 

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