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聖夜と北京ダック仮)

第1回


1

仕事から帰ってきたらテーブルの上に麻婆豆腐と八宝菜、それに酢豚と北京ダックが並べられていた。
コレはないんじゃないか?
クリスマスにコレはないんじゃないか?
いろいろと突っ込みたいのを堪えて、目の前で笑顔で笑っている彼女を見る。
彼女――瑞希がミニスカサンタの格好でニコニコと微笑んでいる。
俺が着てほしいって言ってた衣装だ。
しかし――ミニスカートから覗く太股がなまめかしくて色っぽい。
スタイルが良いのは知ってるが、やはり普段と違う格好だからか?
生足も良いが黒ストッキングかガーターベルトも捨て難い。あとで履いてくれと頼んでみようか?

「メリークリスマース!!」
「…うん、メリクリ…」
「…ちょっと、どうしたのよ? クリスマスだよ? 嬉しくないの?
ミニスカサンタだよ? 徹が着てほしいって言ってた格好だよ?」
……ああ、クリスマスってのは分かってるんだな。うん、サンタの格好してるんだからそりゃそうだ。
でもクリスマスの意味分かってんのか?
「うん、そりゃ嬉しいよ。スゲーカワイイッス。
でもさ、なんでクリスマスに中華なの?」
「メリークリスマース!!」
あ、シカトしやがったコイツ。質問に答えろよおい。
「まあまあ座って座って! 今日は徹のために頑張ったんだよ。
特にこの麻婆豆腐なんかは今までで一番の出来だね!」
「……ワインとシャンパンと中華料理って組み合わせはないんじゃない…?」
ワイングラスを持ってぼやく俺を瑞希がキョトンとした目で見ている。
「ワイン? シャンパン? なにそれ?」
「えっ? なにそれってなにそれ? えっ? マジで?
んじゃなんでワイングラスとか用意してんの?」
意味が分からない。本当に意味が分からない。
もしかしてアレか?
このワイングラスは飾りですか?
「ワイングラスなんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのです」
とか言っちゃうのか?
「中華料理だよ? 中華に合うお酒って言ったら紹興酒かビールに決まってるじゃない」

……ああ、そうね。うん、そうだよね。

今の一言でなんか今までの疑問が全部吹き飛んだ。
つまり、瑞希は普通のクリスマスをする気は全くない訳だ。ミニスカサンタの格好をしておきながら。
理由は分からないけど目の前の料理と瑞希の発言から冗談ではなさそうだ。
コレは俺を驚かせようとしたに違いない。うん、これはサプライズパーティーってやつに違いない。
はっはっは、こやつめ。

瑞希がワイングラスにビールを注ぐ。
普通ならこのグラスに入るのは赤か白のブドウ酒のはずなのに、
今入っているのは黄色くて泡が出る麦酒だ。
「それじゃ、クリスマスに乾杯」
「君の瞳に乾杯」
グラスを軽く触れ合ってビールを一息に飲み干す。空腹の胃袋に染みこむ。
目の前の麻婆豆腐を食べると、ピリッとした辛味が程良く効いていて美味い。
酢豚も絶妙な味だし、八宝菜も文句無しの美味さだ。
そこらの中華料理店で出される料理よりも美味い。瑞希の隠れた才能に思わず驚かされる。
空腹に酒が入ったことで俺の中のスイッチが入ったのか、野獣の如く目の前の料理に貪りつく。
瑞希は料理を食べている俺を嬉しそうに見ているだけで少ししか食べず、
ほとんど酒しか飲んでいない。
「瑞希は食べないのか? この北京ダックなんかマジで美味いぞ」
「うん、味見でお腹いっぱいだから。徹が食べてくれるだけで私は満足よ」
うほっ、嬉しいこと言ってくれるじゃないの。
俺はこんな良い彼女と付き合えて幸せだ。
クリスマスに中華はアレだけど、もはやそんなことは些細なことだ。

――んんっ? ちょっと待て。ちょっと待てよ俺。

料理の味に騙されそうになったが、今日の瑞希はおかしいぞ。
普段の瑞希は常識人だ。
一般常識を持ち合わせているし女の子らしくムードのある雰囲気にはこだわりがある。
半月前からクリスマスを楽しみにしていたし、
料理だって楽しみにしてクリスマス特集の料理本を読んでいたのも見たことがある。
ミニスカサンタの格好をお願いしても、「恥ずかしいから嫌だ」と言って断られた。
それが今日は人が変わったかのように着てくれてるし――。

――やはり今日の瑞希はおかしい。

「なあ、瑞希。今日のお前ってちょっとおかしくないか?」
ストレートに聞いてみる。
やはりどうしても気になる。気にしないでいようとしても、どこかムズ痒い感じがするのだ。
瑞希は不思議そうに首をかしげて、
「私がおかしいってどこが?」
「いや、だってさ、瑞希って和食か洋食派だったじゃん?
それに酒もワインかカクテルしか飲まないじゃん。ビールは苦いから嫌だって」
瑞希は少し動揺した挙動で慌てると、
「ほ、ほら、ありきたりなクリスマスってなんかアレじゃない。
たまには趣向を変えようかな〜って…」
目が泳いでる泳いでる!
なにその苦しそうな説明? しかも説明になってないし。
「それにさ、クリスマス用に美味しいワインを見つけたって言ってたじゃん」
「あ、あれは〜…そう、売り切れてたのよ!
珍しくて出荷の少ないワインだったから…」
「でももう買ってあるって言ってなかったっけ?」
「そ、それは……」
言葉を探しているのか瑞希は口をパクパクと開閉しながら目が泳ぎに泳いでる。
なんか俺が瑞希を責めている気がして申し訳ない気がするが、やはり何かを隠している気がする。

――はぅあっ! そうか、分かったぞ!

頭の中にピコーンと『!』が浮き上がった。
そうかそうか。はっはっは、こやつめ。
まったく瑞希ってばとんだワガママセニョリータだ。

そうかそうか…そういうワケだったのか。
「――なあ瑞希」
俺の呼び掛けにビクッとしてうつ向く瑞希。
なんとなく、悪戯が親にバレて怒られる子供のように見える。
そんなことで俺が怒るはずないじゃないか。
「……な、なに?」
「俺はそんなに瑞希が真剣だったなんて知らなかったよ」
「……えっ?」
なんとも変な顔で顔を挙げる瑞希。その顔もまたかわいいよ。
「そんなに中国に旅行に行きたいなら言ってくれれば良いのに」
「………はい?」
「この前テレビで見てたろ? 中国雑技団のやつ。
そん時「私も中国に行って見たい」って言ってたじゃん」
瑞希は口を半開きにして驚いたような顔をしている。
「クリスマスに中華料理を作ってまでそんな伝えかたをしなくてもいいのに…
大丈夫だよ瑞希、冬のボーナスは使う予定があまりなかったんだ。今度二人で中国に旅行に行こう」
そうだよな。瑞希は旅行に連れてってなんて我儘が言えない奥ゆかしい女の子だもんな。
「そ、そそそ、そうなの。ゴメンね徹」
瑞希はぎこちない笑いで謝る。
「それにしてもクリスマスに中華料理とは恐れ入ったよ。
なにもクリスマスにこんなことしなくてもいいのにな。
しかし驚いたな。瑞希はヨーロッパのほうが好きそうなのに」
「ヨーロッパに比べたら中国のほうが安いでしょ?
  それに海外旅行なんてなかなか言い出せなくて…」
嗚呼…ええ娘や。なんてええ娘さんなんや。
あまりの奥ゆかしさに涙が出そうになる。
俺頑張るよ。頑張って瑞希を幸せにするよ。これから二人の未来について語り合おうな。

「そんなことよりさ、せっかくの料理が冷めちゃうから食べてよ。
旅行の話は食事の後でいいじゃない」
ワイングラスにビールが再び注がれる。
「そうだな。それじゃ改めて…」

――ゴトンッ!

んん? なんか隣の寝室から変な物音が聞こえたぞ?
「なあ瑞希、今なんか寝室から聞こえたよな?」
「えっ? 私は何も聞こえなかったけど…」

――んん〜〜! ふんんん〜〜〜っ!

…心霊現象か? 背筋が粟立ち嫌な汗が流れる。もしかして泥棒? ここってマンションの6階だぞ?
「いやいやいや、なんか変な唸り声みたいなのも聞こえるんだけど…」
そう、なんと言うか、口を塞がれた女性が助けを求めるかのような――。
「気のせいじゃない? 隣の部屋の住人の声と勘違いしてるんじゃない?」
サラリとした表情で紹興酒を口にしながら瑞希が答える。随分と肝が据わってるなおい。
しかし、実のところ寝室の隣の部屋は空室だ。隣人だった坂口さんはつい一ヶ月前に引っ越した。
瑞希もそれは知ってるはずだ。
おまけに言うなら寝室と隣の部屋の壁はかなり防音がしっかりしている。
深夜に瑞希とイチャイチャチュッチュとアレな事も安心してできるワケなんだが――。
「ちょっと見てくるよ。もしかしたら泥棒かもしれないし」
「駄目よそんなの!」突然大声で怒鳴る。つい今さっきまでとは全く違う反応を示した。
「な、なんでさ? 泥棒だったら危険だってのは分かるけどさ、気のせいかもしれないだろ?」
「駄目ったら駄目よ! 寝室なんか気にしないで…」

――ドンッ! ドンッ!

「…なんか、ドアに重たいものがぶつかってるような音がするんだけど……警察呼ぶ?」
「そうだ! 外に行かない? クリスマスにおすすめの良い店見つけたんだ。ね、行こ?」
寝室からはドンドンと激しい音が聞こえている。
瑞希は何かに焦っている様子だ。っていうか何かを隠しているように思える。
「なあ? なに焦ってんの? なんか隠して」

――ドガスッ。

ない? と言い終わろうとした時、
隣の部屋が開いて何か重量感のあるものが床に落ちる音が聞こえた。
慌てて立ち上がり隣の部屋を振り返ると、そこにはありえない人物が倒れていた。

「…み、瑞希…?」
寝室のドアが開き、そこから出てきたのは、全身をロープでグルグル巻きにされた瑞希だ。
イモ虫のようになった状態で口はガムテープが貼られている。
イモ虫瑞希は俺と目が合うと、「んんん〜」と助けを求めるような声を出す。
慌ててイモ虫瑞希の口を塞いでいるガムテープを剥がすと、イモ虫瑞希が大きく息を吸った。
「水穂! アンタこんな事してなに考えてんのよ!!」
イモ虫瑞希は俺の背後にいる瑞希に向かって大声で怒鳴る。
ってか水穂? ほわっつ?
振り返って水穂と呼ばれた瑞希を見ると、悔しそうに顔を歪めた瑞希がイモ虫瑞希を見下ろしている。
「……チッ、睡眠薬が足りなかったか。やっぱり加減するんじゃなかったわ…」
「約束破って私にこんな事して…絶対に許さない!!」
固く結ばれてるロープをほどいてる俺を挟んで、二人の瑞希が意味不明な会話をしている。
ってか水穂? 睡眠薬? 約束?
どういうことか意味が分からない。
なんとかロープをほどくと、イモ虫瑞希は立ち上がり、
テーブルに立っている瑞希に向かって襲いかかる。
「おい、ちょっとま」
言い終わる前に瑞希が水穂と呼ばれた瑞希に殴りかかる。
「死ねぇ!!」
もの凄い速さで瑞希が拳を撃ち込む。
それを水穂がかわすと、今度は水穂が瑞希に拳の連打を撃ち込む。
「瑞希が死ね! ってかぶっ殺す!!」
唖然としている俺を無視して、目の前では二人が恐ろしい形相で殴りあいを始めだした。
瑞希が紹興酒の瓶で殴りかかり、水穂が酢豚のまだ残る皿を手に取って投げる。
「大体なんでクリスマスに中華なのよ。バカなんじゃないの?
  それになんて格好してんのよこの痴女!」
「徹は美味しいって言ってくれたわよ。この服もカワイイって言ってくれたわ!
  それより化粧に二時間もかける色情魔のほうが気持ち悪いわボケ!!」
顔に八宝菜をかけられた瑞希が怒鳴り、麻婆豆腐を頭からかぶった水穂が罵声をあげる。
奇跡的に最後に残っていた北京ダックも俺の顔の真横を通り過ぎていった。
まだ少ししか食べてないのに…。

 

 

30分後、俺の目の前には二人が正座してしょんぼりとしている。俺もしょんぼりしている。
部屋の中は滅茶苦茶になっている。
リビングには料理と食器の破片が撒き散らかされている。
壁と床は料理と食器の残骸でグチャグチャだし、
目の前の二人の姿も正視するに堪えない。
瑞希は顔に痣ができて腫れてきているし、水穂は頭から血を流している。
二人の服は料理と血で汚れ、所々破れている。
この部屋で無傷で汚れてないのは俺だけだ。
「…とりあえずいろいろと説明してくれないか?」
「…私が瑞希でこっちのブスが水穂。分かってると思うけど、私達は双子なの」
「ちょっと! 誰がブスだって? アンタ鏡見てみなさいよ。世界一のブスが映ってるから」
二人が睨み合い、また喧嘩を始めそうになる。
「あ〜はいはい、喧嘩はもう止めてくれ。下手したら俺がこのマンションから追い出されるから。
んじゃ、続けてくれ」
二人は渋々と喧嘩を止め、やがて瑞希がゆっくりと口を開いた。

 

話は俺と瑞希が付き合う前まで遡る。
二人は一卵性双生児――つまり双子だ。
お互いに容姿も声もそっくりな上に性格も好みも一緒。
おまけにいつも一緒に行動するくらいに二人は仲が良かった。
だが、俺と瑞希が付き合う事になってから二人の関係にヒビが入り始めた。
どうやら水穂も俺の事が好きだったらしい。
それなのに瑞希が付き合う事になったことで二人は段々と険悪になってきた。
そこで二人は話し合い、一つの結論に達した。
――要は二人で付き合えばいい。
仲が良かった二人の頃のように、半分こしようというワケだ。
二人は毎回毎回交代で俺と付き合うことにした。
デートが終わって帰ったらその日の内容をお互いに伝え合う。そうすれば
次に会う時に自分の分からない事もなくなるし、お互いに上手く関係を継続できるからだ。
二人は上手くいっていた。俺自身気が付かないほどに二人は入れ替わっていたのだ。
だが、その関係が崩れる事になる。

水穂が仕事で中国に三ヶ月出張する事になったのだ。
それによって瑞希と水穂の間に再び溝が出来た。
瑞希が水穂に俺とのデートの話を繰り返す内に、水穂が嫉妬しだすようになった。
中国の出張から帰ってきた水穂は、瑞希に俺とクリスマスにデートがしたいと言った。
だが、瑞希はそれを断った。
三ヶ月の空白で水穂が会いに行ったら俺に気づかれるかもしれない。
気づかれなくても俺との関係が悪くなるかもしれない。
なによりクリスマスは自分がデートしたい、というワケだ。
三ヶ月の空白は二人の関係を変えてしまった。
そしてお互いに納得出来る結論が出ないまま今日になった。
そこで水穂は瑞希に諦めたそぶりをして薬を盛った。
睡眠薬入りの紅茶を飲ませて眠らせ、全身を縛ってクローゼットの中に押し込んだ。
そうして水穂は俺と今日デートをしていた、というワケだ。
ただ水穂には3つのミスがあった。
一つは睡眠薬の加減が分からずに飲ませてしまったこと。
もう一つは俺との会話を瑞希から聞いてなかったこと。
最後は外に出ないで家でデートをすることにしたこと。
家でデートをすることにした理由は、中国で覚えた料理を俺に食べさせたかったからだ。
食事が終わったら外に出かけようと思っていたらしい。
しかし、なんとも穴だらけな計画だ。
余程焦っていたのか頭が回らなかったのかは知らないが、ずさんな計画はこうして失敗した。

…しかし、今まで俺に気付かせなかった二人の秘密もこんなアホな計画でバレるとは…。
二人の入れ替わりは今まで完璧だった。
それなのにこんな形でバレるとは瑞希も思ってなかったらしい。
俺もこんな形で知ることになるとは思わなかったよ……。

「――なるほどね。そういうことだったのか…」
目の前の二人は親に怒られるのを怯える子供のような顔をしている。
もしくは主人に怒られる仔犬のような顔と言ってもいい。
「「ごめんなさい」」
二人が声を揃えて謝る。意識しないで声を揃えたのだろう。
それほど二人はそっくりだし、仲が良かった証拠だ。
「なんて言うかさ、そんなことなら隠さないで正直に言ってくれればよかったんだよ。
別に怒る理由にもならないし、俺もちゃんと考えただろうしさ」
そう、俺は別に怒ったりはしない。
二人の事はショックだったけれど、
それよりも二人が醜い争いをしてるのを見たことのほうがよっぽどショックだった。
できれば二人の喧嘩は二度と見たくない。
目の前で座っている二人の表情が驚きから喜びに変わる。
目を輝かせて見上げられると、なんか嬉しいよりも照れ臭い。
「本当に怒ってないの?」
「本当に許してくれるの?」
二人が期待を込めた眼差しで俺に問いかける。
「許すもなにも怒ってないよ。だから二人はもう喧嘩しないでくれ。じゃないと俺が困るからさ」
俺の言葉に二人は顔を見合わせる。
瑞希と水穂は少しの間睨み合っていたが、渋々と頷いた。
「分かったわ。ごめんなさい、水穂」
「私こそごめんなさい、瑞希」
二人は謝りあい、笑顔で仲直りの握手をする。
うん、これだよこれ。仲良きことは美しきかな。
終わり良ければ全て良し。二人が丸く治まるなら笑って許せるというもんだ。偉いぞ俺。
さて、コレで万事解決と言うことで――。

「そう言えば徹は私達の事をちゃんと考えるって言ったわよね?」瑞希がポツリと呟く。
「それってつまり、私達のどちらかを選ぶってことよね?」
水穂がポツリと呟く。

――あれ?

「徹はどっちを選ぶの? もちろん私を選んでくれるわよね?」
瑞希が立ち上がって俺に近づいてくる。
「もちろん私を選んでくれるわよね? 瑞希よりも徹を愛しているのは私よ?」
水穂が立ち上がって俺に近づいてくる。

――あ、あれれ…?

二人の間に殺気が立ち込める。
嫌な予感がする。ちょっと物凄い嫌な予感がするよ?
「ちょっと決着つけた方がいいかもね、水穂?」
瑞希が間合いをとって構える。格闘技をかじっているなんて聞いてないんですけど?
「つまり、勝った方が徹の正式な彼女ってワケよね、瑞希?」
水穂がいつの間にか割れたワイングラスの欠片を手に持って構える。殺る気ですか?

部屋の隅にはほとんど食べられずに捨てられた北京ダックが寂しそうに落ちている。
もしかしたらまだ食べられるかもしれない。
今日は雪が降ると天気予報で言っていたが、窓の外は雪が降る様子はない。
俺は二人を止めようか止めまいか途方に暮れながら、静かに溜め息を吐いた。

2007/12/26 完結

 

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