INDEX > SS > ティークの剣

ティークの剣

第1回 第2回 第3回              


管理人より
こちらの作品は、プロットとして投稿された「King's Mind(仮)」から派生した作品です。
本編をお読みになる前に「King's Mind(仮)」の第1回を読んでおくことを推奨します。
1

「ティーク様、北方師団から応援要請が入っております。我が軍、不利の模様っ」
「魔竜兵団から伝令っ。『我、マルスランド王国を陥落せり』吉報です」
「降伏したバルジニア公国の王室の取扱いについて如何されるか、前線からの伺いです」
  王の執務室に次から次に報告が入ってくる。

 スラル王国が四方八方に伸ばした戦線は、今や大陸全土に広がっている。
  もはや大陸の半ばはスラルの版図となり、
その勢いは地図を日替わりで書き換えねばならないほどの凄まじさである。
  日々、王の元にもたらされる情報や前線からやってくる使者の数は膨大なものになる。
  各戦線からの戦勝報告や援軍要請に混じり、
投降した王族の処置や次の攻撃目標についての伺いが後を絶たないのだ。
  そのため、王であるティークは同時に2,3人づつから報告を受ける形になってしまう。
  それでも明晰な頭脳を持つティーク王は、それぞれの使者に的確な指示を与えていく。

「北方師団は師団長を更迭、速やかに処刑せよ。その上でディエンゴの重装騎士団を回してやれ」
「魔竜兵団はそのままマルスランドに駐留せよ。後続が到着次第、新しい任務を付与する」
「バルジニアの王室は未婚の王女を残して全員処刑せよ」
  その間にも、公文書へ署名するティークの手は止まらない。
  かつては黄金の鎧を着て自ら戦場に立ったこともあるティークだが、
このところはそんな暇など無くなっていた。
  戦争などという気楽な仕事はもっぱら他人任せである。
  たまに戦場に立って思い切り暴れてみたいと思うこともあったが、
今の彼にとってはもはや夢に過ぎない。
  まさに用を足すために席を外す暇さえ惜しいのである。

「ゼンメイッ……」
  ティークが名前だけを呼んだ。
  彼にはその後を続ける時間さえ無いというのが事実である。
  名を呼ばれた美しい侍女が小走りにティークの元に駆け寄る。
  ゼンメイは恭しく一礼するとティークの足元に跪いた。
  そして恐る恐るといった風情で手を伸ばし、王の下衣の股間から逸物を取り出した。
  ゼンメイはうっとりとした目でそれを見詰めていたが、
思い直したように真顔に戻ると大口を開けて逸物を頬張った。
  大口と言っても女の口であり、巨大なモノを含むのは簡単ではない。
  散々苦労して、ようやく根元まで納めた。

 ティークは、とゼンメイ見上げると、王の顔には何の感慨も浮かんでいないようであった。
  彼女がガッカリしたように目を閉じると、
それが合図であったかのように生暖かい液体が喉奥に流れ込んできた。
「おごぉ……お……おぉぉ……」
  しょっぱい味覚がゼンメイの口一杯に広がっていく。
  席を立つ時間も惜しいティークは、この美しい侍女を人間便器として使用しているのである。
  それにも関わらず、侍女は歓喜の涙を流してうち振るえていた。
  まるで、そうすることが無上の喜びであるかのように。
  やがて全てを放出したティークが、失われた体温を補うべく体をブルッと震わせた。
  それでもゼンメイは逸物をくわえて離ささない。
  王の膝に体を預けると、そのまま奉仕を続けた。

 軽い殺意を側頭部に受け、ティークはそっと首を巡らせる。
  そこに涙を湛えたジュリエッタが立っていた。
  普段は円らな目が細められ、涙に松明の火が反射して妖しい光を帯びている。
  高ぶった感情のためか、全身が小刻みに震えているようであった。
  ティークは人の悪い笑顔を見せると、視線を戻して執務に戻る。
「羨ましいか?」
  ティークの横顔がそう語りかけてきた。

「…………」
  ジュリエッタは無言で下唇を噛みしめ、幸せそうに奉仕するゼンメイを睨み付ける。
  そう、普通なら吐き気を催すようなその行為が、
少なくともジュリエッタにとっては限りなく羨ましく感じるのだ。
「あんなにはしたなく音を立てて……私ならもっと上手くできるのに……
私ならもっとティーク様に喜んでもらえるのに……」
  ジュリエッタは殺意すらこもった目で2人の行為を見守った。

 ジュリエッタは、先月スラルが滅ぼした北方王国、ビョンボルグの王女である。
  ビョンボルグは精兵で知られた強国であったが、スラルの軍勢にはひとたまりもなかった。
  圧倒的な兵力差の前に敗れた王は、自身の命と引き替えに血脈の存続を願い出た。
  しかし、そんな願いがティークに通じるはずもなく、一族郎党が皆殺しにされた。
  ただ一人、乙女であったジュリエッタを残して。

 本国へ護送されたジュリエッタは、君主への挨拶のため謁見室に引きずり出された。
  そこで命を許された礼を強要されたジュリエッタであったが、
彼女はそれを拒み、むしろ死を乞うたのだ。
  誰もが処刑を信じたが、ティーク王はなぜかジュリエッタを許した。
  そして彼女は性奴に貶められることなく、
王の側室として後宮に住まわされることになったのである。

「隙を見て刺し違えてやろう……」
  夜ごとジュリエッタは枕元に短剣を忍ばせてティークを待った。
  しかしその企みは未発に終わった。
  いつまで待っても王は彼女の寝所を訪れなかったのである。
  と言って、ティークが彼女に興味を示さなかった訳ではない。
  むしろ、一番のお気に入りとして、どこへ行くのにも彼女を伴った。
  そして最高の贅沢と、最高の優しさを彼女に注いだ。
  優しさと言っても冷血漢のことであるので、ほんの些細な気配りである。
  それが分かっているからこそ、ジュリエッタは戸惑い、そして同時に喜んだ。

「陛下は私のことを心から大事に思っていてくれる……」
  ジュリエッタは、ティークが一向に自分に手を付けようとしない理由をそう解釈した。
  もしかして最初の正室、スラル王女の一件で急ぎ足に懲りたのかもしれない。
「きっと陛下は、私が許すのを待ってくれているんだわ……私を傷つけまいと……」
  気が付けば、ジュリエッタは憎い仇である異国の王に恋をしていた。
  ところが、それはとんでもない勘違いであった。
  その優しさこそがティークがジュリエッタに与えた罰であったのだ。

 ジュリエッタが墜ちたと確信するや、ティークの逆襲が開始された。
  彼女の目の前で、次々と他の側室や侍女たちを抱き始めたのである。
  ある時は執務室で、ある時は狩猟場の休憩所で、ティークは片っ端から女を抱いて見せた。
  そして悔しさの余りわななくジュリエッタを見るたび、彼は勝ち誇った顔でほくそ笑むのである。
  ようやく彼の企みに気付いた時にはもう遅かった。
  恋に落ちたジュリエッタには、今さらティークを憎むことはできなかったのだ。
  彼女にできることは、嬌声を上げて抱かれている女たちを、
殺意のこもった目で睨み付けることだけであった。

「午後のご予定は、投降者に対する取り調べの巡察です」
  親衛隊長ホーネットが王に向かって恭しく一礼する。
  有能で美しい女騎士である。
  全てに無駄がないので失点が付かない。
  その点で騎士から侍女に逆戻りさせられたゼンメイより優秀な部下と言えた。
  もっともゼンメイが今の自分の境遇をどう思っているかは、当人にしか分からないが。

 ティークが招かれたのは地下の牢獄であった。
  もちろん、お気に入りのジュリエッタもお供を命じられている。
  ジュリエッタはこの牢獄が嫌いであった。
  この国に来てまず連れ込まれたのがこの部屋だったせいもある。
  なにより、ここに来るとティークに滅ぼされた王たちの怨念が渦巻いているような気がするのだ。

「やめてっ。本当の陛下は……ティーク様はそんなお方じゃないのっ」
  知らぬうち、ジュリエッタは亡者たちに向かってティークの弁護をしている自分に気付く。
「あぁっ、お父様……ティーク様を許して差し上げて……」
  ティークを糾弾する声が脳裏に上がるたび、ジュリエッタは両耳を塞いで激しく首を振る。
  当のティークといえば、そんなジュリエッタを不思議そうな目で見下ろしてくるのであった。

「ティーク様。ただ今、ノルムンガルドのオーロラ姫を取り調べているところです」
  オーロラ姫と言えば美人国が多いとされる北方連合8カ国でも、音に聞こえた美姫である。
  そのオーロラ姫が、両手を後ろ手に縛られた姿で天井から吊されていた。
  豊満な左右の乳房の基部が荒縄でグルグル巻きにされ、いびつに変形している。
  その縄の先端は天井から下ろされた鎖に直結されている。
  つまり、可哀相な美姫は胸の膨らみを使って宙づりにされているのだ。
  無論全裸であり、新雪のような柔肌には無数の痣が浮かんでいた。

「お前がスラル王国転覆を謀って送り込まれてきたスパイだと言うことは分かっている」
「さっさと認めて楽になったらどうだ」
  拷問人たちがムチをしならせて石畳の床を打つ。
  ピシッという鋭い音が上がるたび、オーロラ姫はビクッと身をすくめる。
  泣き顔になった目からは既に涙が溢れかえっている。
「これは、ティーク様っ」
「このようなむさい所に……」
  王の巡察に気付いた拷問人たちが、ムチを手放して直立不動の姿勢をとる。

 その途端、オーロラ姫の表情が一変した──ようにジュリエッタには思えた。
  泣き顔は泣き顔だが、先程までとは伝わってくるモノが全然違っている。
  ティークへの想いを同じくするジュリエッタには隠しようがない事実であった。
「小娘のくせに……しかも謀反人の分際で……」
  ジュリエッタの目に浮かんだ危険な光を察知したのか、オーロラ姫がそっと目を伏せる。

 嗜虐趣味を掻き立てる、実に言い泣き顔だとジュリエッタは思う。
  許されるのなら自分にムチを任せて貰いたい。
  なに、直ぐには殺してしまわない。
  まずはその雌牛並みのオッパイからタップリ可愛がってあげるわ。
  ティーク様の心を動かすような存在は絶対に許さないんだから。

 オーロラ姫を見詰めるジュリエッタの目は、どんどん険しさを増していった。

2

「ご親征ですと?」
ティーク王の意向を知り、軍師ラクシャナは片眉を僅かに跳ね上げた。
常にポーカーフェイスを崩さない彼女にとって、これは驚くほど豊かな感情表現であった。
彼女はかつてスラルが滅ぼした東方の古代国家、ヒンディアナの王女である。
中肉中背で、浅黒い肌に短い銀髪がよく似合う。
理知的な澄んだ目は物静かだが、見る者全てを震撼させる力を帯びている。
ヒンディアナでは姫将軍として一軍を率い、スラルの大軍を相手によく戦った。
しかし、他国の例に漏れず、ヒンディアナもまた鉄の暴風の前に屈服した。

 ラクシャナは類い希なる美貌とその戦略眼を惜しまれ、
ティークの元に軍師として仕えることになった。
今ではスラルの軍政軍令の全てに携わり、王にとって無くてはならない存在である。
緻密な戦略と豪快な戦術は、侵略の能率を加速度的に向上させるのに一役買った。
そして、冷徹極まる政策は、敵味方の区別なく恐怖の的となっていた。
そんなラクシャナが驚いたのだから、ティークの親征が如何に突発的なものだったか窺い知れよう。

「陛下御自ら兵を率いずとも、キャトリシアなど……」
そこまで口にしてラクシャナは黙り込んだ。
ティーク王の目論見に気付いたのである。
神聖キャトリシア皇国は、この大陸のほとんどの国が信仰する宗教の総本山である。
早くからスラルの帝国主義に異論を唱え、公然と反旗を翻していた。
その信者、キャトリシアンは大陸中に勢力を張り巡らせている。
ある時は軍勢として、そしてある時はテロの形を取り、ティークの覇道に立ちはだかった。

「陛下はキャトリシアンを根絶やしにするおつもりなのでは」
自らはラーナ教徒であるラクシャナは、王の決断に戦慄を覚えずにはいられなかった。
ティーク王はキャトリシアを滅ぼすことにより、自らが神になり代わろうというのだろうか。
王は軍師にそこまでは説明してくれなかった。

「陛下。ご親征と聞き及びましたが……まことでございますか?」
噂を耳にしたジュリエッタの反応は、ラクシャナの何倍も激しかった。
久し振りにティーク王が寝所を訪ねてくれたというのに、
彼を問い質す声もつい甲高くなってしまう。
「お止めくださいませっ。何も陛下がご出陣あそばなくとも、
幾らでも兵力は余っておりますでしょうに」
側室筆頭に当たるジュリエッタは、万が一のことに考えを馳せて真っ青になる。
「陛下にもしものことがあったら……私は……私は……」

 キャトリシアンどもは命すら惜しまぬ狂信者と聞く。
むしろ、神のために命を捧げることは、彼らにとって至福の喜びなのだ。
その総本山に攻め込むとあらば、どんな危険が待ち受けているか分かったものではない。
ジュリエッタは最悪の事態を想像しただけで失神しかけていた。
ところが、ティーク王はそんな彼女の反応を楽しそうに見ている。

「その時には……その方にとって、これ以上のことはあるまい。
憎い父の敵を討ったことになるのだからな」
ティーク王は軽く口端を歪めてせせら笑った。
ジュリエッタは激しく首を振り、涙の溜まった目でティーク王を見詰める。
「残念だが、まだ死んでやるわけにはいかない。それに……」
そこでティーク王は口を閉じ、一拍おいて後を続ける。
「……私が他人の手によって屠られるのは、お前にとっても面白くなかろうからな」
王は冷酷な台詞を終えると、自虐的な笑い顔を見せた。

 ジュリエッタは下唇を噛みしめてしゃくり上げ続けるばかり。
「このお方は、私が悲しむ姿をご覧になって楽しんでいらっしゃるのだわ。
お慕いしている私の心など知り尽くした上で……」
ジュリエッタは悲しくなった。
こんなことなら性奴に貶められていた方がマシだったと思う。
地下牢で責められるオーロラ姫や、便器代わりに身を持ち崩したゼンメイの方が
何倍も幸せであるとさえ思えた。

「ところで、泣いている暇があるのかな?」
寝所を出ていく際、ティーク王がジュリエッタを振り返った。
ジュリエッタは意味を問い掛けるように涙に濡れた目で王を見詰める。
「今度の戦いにはその方も同行するのだ。その方の準備のためだけに出立を遅らせるつもりはないぞ」
その途端、ジュリエッタの顔がパッと明るくなった。
ロマンティックな旅と言うには程遠い戦旅ではあるが、王が伴をせよと命じたのである。
なにより長期に渡って彼と会えなくなると覚悟していたジュリエッタである。
これ以上の喜びがあるだろうか。
「やはりティーク様は私のことを……」
そう考えるとまた涙が溢れてきて、愛しい男の顔をぼやけさせた。

 その頃、東方の神聖キャトリシア皇国では軍議が開かれていた。
激しい意見が飛び交うが、方針は一向に定まらない。
「今こそ魔王ティークに神罰を与える絶好の機会。大陸中の教徒に蜂起を呼び掛けましょうぞ」
「いや、神敵とはいえ、スラルの軍勢を侮ってはいかん。ここは和議を試みるべきです」
意見は真っ二つに割れた。
スラルの勢力内でキャトリシアンが一斉蜂起すれば、ティークの足を止めることはできる。
しかし、民兵に過ぎない寄せ集め集団では、正規兵で構成された大軍団には抗いきれない。
結局のところ圧倒的な兵力で各個撃破され、
遅かれ早かれ本国は100万の軍勢に包囲されてしまうであろう。
そうなってからでは何もかもが遅きに失っしてしまう。

 無駄な時間が刻々と流れる中、会議室の最上席に座った少女が溜息をついた。
見たところ15歳くらいであろうか、
プラチナブロンドを長く垂らした神々しいばかりの美少女である。
透き通った空のような碧い瞳が、今は憂いに満ちている。
神聖キャトリシア皇国の君主にしてキャトリシアンたちの頂点に立つ女教皇、
マリーアンナであった。

 彼女は避けようのない戦いを前にして、悲しみにうち震えていた。
「どうあってもスラルとの戦いは避けられないのですか……
血を流さず解決できる道はないのですか……」
犠牲となる敵味方の兵士を思うと、マリーアンナの小さな胸は張り裂けそうになる。
それでも実権など何もなく、ただのお飾りに過ぎない彼女に発言などできようもなかった。

「ティークは一切合切を破滅に導くつもりなのだろうか」
「あの魔王とて、そこまではすまい」
軍議は堂々巡りを続けるだけで、結局何の結果も導き出せないでいた。
「ここはやはり教徒の一斉蜂起を。
教義のために殉じることができるのです……これ以上の法悦がありましょうや」
司教省の長官がそう言い放つと、会議室は水を打ったように静かになった。
「一斉蜂起に呼応して、我が軍も打って出るのです。
二正面攻撃を仕掛ければ勝機も見えてきましょうぞ」
その案は居並ぶ全員の納得を得られるものであった。
司教省長官の意見で軍議がまとまりを見せようとしていた時、凛とした少女の声が響いた。

「なりません、殉教にかこつけて教徒に血を流させるのは」
マリーアンナは、思わず椅子から立ち上がっていた。
「これはあくまで我ら教皇庁の問題なのです。
我らの指導の誤りを、民草の血をもって補わせることはできません」
いつもはにこやかに笑っているだけのマリーアンナが、今は女教皇の顔になっていた。
「さすれば、マリーアンナ様はどのようにしてこの難局を乗り切るおつもりですかな?」
司教省長官が意地悪そうにせせら笑った。

「ティーク王には話し合いで兵を引いていただきます」
マリーアンナは苦悶を顔に浮かべて答えた。
「話し合いが通用するような相手ではございません。相手は神をも恐れぬ魔王なのですぞ」
長官は半ば呆れながらそう言い放った。
何を世間知らずの小娘が、という不遜な態度が見てとれた。
「私が人質になりましょう。その上でならばティーク王も、神の教えに耳を傾けてくれるはずです」
マリーアンナが必死で食い下がる。
「心配には及びませぬ。たとえ私が犠牲になっても……それは神のお導きなのですから」
女教皇は自分に言い聞かせるように呟いた。

 その夜、マリーアンナはベッドに入ってもなかなか寝付かれなかった。
人質になった際の我が身の処遇、そしてティーク王との会見に気を奪われていたのである。
魔王などと言われるティーク王であるが、一国の君主、
しかも神に仕える身分の少女を無下に扱うことはなかろう。
しかし彼の行き過ぎた行いは幾つも耳にしている。
彼が噂どおりの狂王だとしたら、身に危険が及ぶかもしれない。
たった一人で敵地に赴く彼女に、襲いかかる魔の手を防ぐ術はないのだ。

「私……殺されるかもしれないわ……」
もしかすると、命を奪われるよりももっと酷い目にあわされるかもしれない。
マリーアンナは次第に興奮していく自分に気付いていた。
鼻息は荒く、頬が火照っているのが分かった。
そっと手を伸ばし、下着の中へ入れてみる。
「あぁ……やっぱり……」
思った通り、その部分はバターを溶かしたようにドロドロになっていた。

「いけない……いけないわ……私は神に仕える身なのに……」
しかしそんな考えとは裏腹に、股間に押し付けている指は離せない。
それどころか、意思に反して勝手に上下に動き、縦溝をなぞり始める。
「あ……あんっ……ダメ……こんなのって……信仰への……ぼ、冒涜……」
それでもティーク王に荒々しく扱われる自分の姿を脳裏に描くと、興奮はますます高まっていく。
神聖不可侵たる存在であるマリーアンナ。
そんな彼女を乱暴に扱える者がいるとすれば、
それは大陸の覇者たるティーク王以外に考えられない。
「あぁっ……ティーク……ティーク様ぁぁぁ……」
マリーアンナは自らの腰を大きく蠢かせ、夢想の世界へと没していった。

「ヒィィィーッ……こ、こんなぁ〜っ……い、いやぁぁぁ〜っ」
十字架に逆さまに磔にされたマリーアンナが絶叫を上げた。
人質としてスラル本軍に投降した途端、マリーアンナは全裸に剥かれた。
そして抗議の言葉を口にする間も与えられず、
あり合わせの大木で作られた即席の十字架に据え付けられたのである。

 小振りだが形の良い乳房も、大股開きにされた神聖不可侵な部分も隠しようもなく晒されている。
兵士達の下卑た視線が、聖少女の恥ずかしい部分に集中した。
「ようこそ、マリーアンナ殿。
戦わずして目的のモノを手中にでき、まことにありがたいことと感謝している」
黄金の鎧を身に着けた若い男が、恭しく一礼して口上を述べた。
キャトリシアの──否、神の敵、スラルの若き大君主ティーク王である。

「す、すると……あなたは……?」
マリーアンナは顔を紅潮させ、苦しそうに質問した。
「元々そなたの身柄だけが目的であった。残念ながら神の教えとやらには何の興味もない」
ティーク王は面白くて仕方がないと言った風情で笑い転げる。
「それより如何かな……神とやらと同じ趣向で罰せられる気分は?」
遠い遠い昔、キャトリシアの神も、マリーアンナと同じように全裸での磔刑を受けたという。
「その姿を晒すのは、女教皇としてさぞかし嬉しいことだろうて」
ティーク王がワハハハと哄笑した。

 キャトリシアンの始祖である聖クリスティーネは、
自由と平等を説いたために時の権力者から疎まれた。
伝説によると、彼女は三日三晩全裸で逆さ磔にされ、人民の前に晒されたという。
そして彼女は全ての民草の罪を一人で背負い、錆びた槍に命を散らせた。
その伝承を耳にするたび、マリーアンナは主の愛の深さに感動し、
悲しみと感謝に身をうち振るわせるのであった。

「私もクリスティーネ様のようにありたい」
そう思えばこそ、どんな厳しい修行にも耐えられた。
乞食に身をやつしての物乞いも、身の内に潜む悪魔の影を払うための鞭打ちも、
マリーアンナには苦にならなかった。
その程度の苦行は、聖クリスティーネの受けた苦しみの千分の一にもみたない。
「もっと厳しい苦しみを、もっと激しい責めを……」
少しでも神に近づくため、マリーアンナは常に自らに苦行を課した。
そして今、とうとう夢にまで見た磔刑を受けているのである。
女教皇の身で、教皇庁に居たままではあり得ないことであった。

「あぁぁ……これで私もクリスティーネ様と同じに……」
やはりティーク王は自分が考えていたとおりの男であった。
女教皇である自分など屁とも思わず、ゴミ屑同然に扱ってくれる唯一の男──―
それがティーク王であった。
マリーアンナは、元々こうなりたくてティーク王に投降したのかも知れない。

 気が付くと宮廷画家と思しき老人が、キャンバスに向かって盛んに筆を振るっていた。
「あぁ……私のこの姿は神に殉じた求道者として、永遠に残されるのですね……」
マリーアンナの目は、完全に陶酔しきっていた。
その股間から、小水とは明らかに違う液体が溢れ出し、疎らな飾毛や丸い下腹を濡らしていった。

「完成した絵は複製し、キャトリシアンどもにばらまけっ。
気違いどもの動揺を誘ったうえ進撃を開始する」
ティーク王は大声で命じた。
自分たちの命がかかっているとあって、老画家の弟子たちに緊張が走る。
「逆さ磔にされた教皇の裸を見れば、城の奴らも大いに奮起してくれようぞ」
ティーク王は面白くてたまらないというように、全身を揺すって大笑いした。

 その横に、戦場には似合わぬドレスを着込んだ美女が立っていた。
ティーク王の側室筆頭で、事実上のスラル国王妃、ジュリエッタである。
彼女は複雑な思いで、十字架上に自己陶酔しているマリーアンナを見ていた。
「ま……またティーク様のコレクションが一つ……」
ジュリエッタは、長い戦旅にあって自分に指一本触れようとはしない良人の横顔を見詰めた。

 その視線に気付いたのか、ティーク王がジュリエッタに向き直り、意味ありげな笑顔を見せた。
真っ白な歯が眩しいほどであった。
「ティーク様はこれを見せつけるためだけに……私を伴に……」
ジュリエッタの拳がギュッと握られる。
怒りが沸々と湧き上がってきた。
勿論、良人に対してではなく、
磔にされながら股間を溢れさせるほど感じちゃっている女教皇に向けられた感情であった。

「な、なにが聖少女よ……あんなの……あんなの、ただのマゾヒストじゃないの……」
気が付くと、そんな変態少女に負けている自分がいた。
「殺してやる……そんなに殉教がお好みなら、この私が責め殺してやる……」
ジュリエッタの目が殺意を帯びて爛々と輝き始めた。

 そんな彼女を見て、親衛隊長ホーネットはほくそ笑む。
そして軍師ラクシャナは目を閉じたまま、やれやれという風にかぶりを振った。

 それから数日後、全裸で磔にされたマリーアンナを先頭に掲げ、
スラルの軍勢がキャトリシアへ侵攻した。
君主のあられもない姿を前に、兵士達は大恐慌に陥った。
疎らな反抗があったが、圧倒的な大軍団の前には蟷螂の斧に過ぎなかった。
結局、キャトリシアは無血開城され、
宗教を利用して大陸を手中に収めんと企んだ痴れ者どもの夢は、ここに潰えたのである。
教皇庁は即日解体、各省の長官たちはことごとく処刑された。
その最期は、宗教家と呼ぶには余りにも見苦しいものであったという。

 女教皇マリーアンナは、というと、帰路についたティーク王の馬車にいた。
錆びた槍ならぬ、ティーク王の肉槍に突きまくられていたのである。
「ひぃぃっ……大君主さまぁっ……お許しを……ひぃぃぃ〜っ」
ティーク王にマリーアンナを殺す気はなかった。
この元女教皇を手中に収めておきさえすれば、
大陸全土に蔓延る狂信者の蜂起を未然に防止することができるのである。

 ティーク王は知っていた、恐怖だけでは決して人の心を縛り切れないことを。
それに、事と次第によっては、公称8千万と言われる敬虔な信徒を、
自らの手勢として使えるかも知れない。
死すら恐れない狂戦士は、使い捨ての駒として幾らでも使いでがあるのだ。
そのためには聖少女を性少女として、我が身のそばに飼っておく必要がある。

「あぁっ?……あぁん……大君主さま、お慈悲……お慈悲を、ひぃやぁぁぁ〜っ」
オナニーしか知らなかった幼い肉体が激しく燃え上がり、嬌声は馬車の外にまで漏れ聞こえていた。
馬車を辞し、今は御者の隣に腰掛けているジュリエッタは、両手で耳を覆い隠す。
そして全てを否定するように激しく首を振っていた。

3

 大陸制覇を目指し、その版図を急速に広めていくスラル国。
その圧倒的な軍事力を前に、ある国は人民ごと踏みにじられ、
ある国は君主の命と引き替えに国土を救われた。
こうなると、スラルに攻められる前に、
自ら恭順の意を示した方が得だという国が出てくるのも当然の成り行きであった。
そういう国の王室は、先を争って王女を人質として差し出してきた。
また姫を持たない王は、見目麗しい臣下の娘を養女とし、ティーク王の元へと送り込んだ。
そしてスラルの属国として、課せられた軍役に黙々と従うことにより、
自らの立場を鮮明にしたのである。

 ティーク王の元に送られてくる王女は、
国の命運を握っているだけあって飛び切りの美女揃いであった。
それぞれが、まさに一国に匹敵する値打ちを持っているといっても過言ではない。
そのため彼女たちが住まわされたスラルの後宮は、百花繚乱の様相を呈していた。
後宮に送られると言っても、彼女たちは直ぐに側室になるわけではない。
取り敢えずは部屋と召使いを与えられ、賓客としてのもてなしを受ける。
その上でティーク王に気に入られれば、正式に側室としての扱いを受けるのだ。
側室となり、万が一ティーク王の子でも授かれば、一気に大国の次期総帥の生母となれる。
自分はおろか祖国の安泰までもが保証されるとなれば、
姫たちが王を振り向かせようと必死になるのも仕方がなかった。

「ティーク様がどこかの姫に手をお付けになる……」
そう考えるだけで側室筆頭のジュリエッタは、狂おしいまでの苦悩に悶々とする。
ジュリエッタは、一応ティーク王のお気に入りナンバーワンとされていた。
しかしその実、ティーク王は彼女を物質的に満たすことはあっても、
体には指一本触れようとはしないのだ。
「別の姫の元に……ティーク様の御心が……」
ましてや、誰かが愛しい王の子でも宿そうものなら──―
何をしでかすか、自分でも分からなかった。
父の形見の懐剣でその者の孕み腹を引き裂くことくらい、なんの躊躇もなくやってのけるだろう。
そんなジュリエッタの心配を余所に、ティーク王は次々と側室を作っていく。
そして夜な夜な彼女たちの子宮の中にタップリと彼の子種を注ぎ込んでいるのだ。
幸い、今だ子を孕んだ者はいないが、いずれその日がやって来るのは確実であった。
現在、ティーク王は休暇を取って専用の狩り場へ出掛けている。
伴を許されたのは、最近側室となったばかりのマリーアンナである。
あの聖少女が、今ごろどんな乱れ方をしているのかと思うと気が気ではない。
直ぐにも邪魔をしに行きたくも思うが、留守を任された身では城を離れることもできない。

「ジュリエッタ様。エジューパのファラオナ王女のお着きです」
そう言ってジュリエッタの元を訪れたのは、艶やかな黒髪を腰まで伸ばした美女であった。
後宮総取締役のネネである。
ジュリエッタには東方人種の年齢は読みづらく、
ネネの面相も見方によって20代にも40代にも思えた。
彼女は東の果てに浮かぶという、黄金の島国からやってきた使節であった。
敏腕を買われて、今ではスラルの後宮を取り仕切る有能な家臣となっている。
他国から送られてきた王女に後宮での作法やしきたりを仕込み、
ティーク王に粗相のないように躾るのが彼女の役目である。
また後宮内で発生した揉め事を疎漏なく調停するのも彼女の努めであり、
王から高い権限を与えられていた。

「分かりました。直ぐに謁見の間に……」
事実上ティーク王の正室であるジュリエッタには、王の留守中、
彼に代わって客人を迎える義務がある。
本心を言うと、新しく増えたライバルの顔など見たくもない。
しかし、王の職務を代行するのが彼女の努めであり、他の者に任せることはできなかった。
何より、彼女がそうすることをティーク王自身が望んでいるのだ。

 謁見の間に入ると、浅黒い肌をした小柄な少女が膝を付いて畏まっていた。
手足は細く、牝鹿のように伸びやかな体をしている。
「お顔を上げなさい」
ジュリエッタが優しい口調で声を掛ける。
改めてネネに促され、王女がしずしずと顔を上げた。
アーモンド型の目が可愛い、スッキリした感じの美少女であった。
「エジューパのファラオナです。ジュ、ジュリエッタ様におかれましては、ご機嫌麗しゅう……」
ファラオナはおどおどした口調で型どおりの口上を述べた。
その不安そうな物腰が、ジュリエッタには計算された演技に思える。
「エジューパはたいそう綺麗な国だとか。兵も精強と聞いています。
ティーク王も心強く思っておられることでしょう」
ジュリエッタは怒りなどおくびにも出さずに返礼の言葉を口にした。

(なによ、エジューパなんて……砂ばっかりの埃っぽい田舎じゃないの……)
そう考えながらも友好的な態度は崩さない。
(それに名物と言えば、お腹を丸出しにして踊るエロティックなダンスだけで……)
その途端、ジュリエッタの脳裏に不安が走った。
(あの破廉恥なダンスで、ティーク様がメロメロにされたら……そんな……いやよ……)
凍りついたようになったジュリエッタを見て、ファラオナは怪訝そうに小首を傾げる。
「と、ともかく私たちは今日から家族です。私のことは本当の姉のように思ってくださいね」
ようやく心にもないことを口にすると、ジュリエッタは早々に謁見の間を退出した。

 その日の午後、気分が優れぬジュリエッタは自分の寝所で休んでいた。
日頃の心労が重なったとの診断結果を受けてのことである。
王のいないこの3日の間、一人で城を切り盛りしてきた無理が祟ったのだとされた。
しかし、本当のところは、ティーク王に会えない寂しさからくるストレスが高じたものであった。
それに、王が伴を命じたマリーアンナのことも非常に気になる。
今ごろ彼女は王とどの様な睦み合いをしているのであろうか。
それを考えると狂おしいまでに気が焦った。
こんな時、地下牢に繋がれている性奴たちをいたぶれば少しはスッキリするのだろう。
だが、性奴の身分とは言え、彼女たちもれっきとした恋のライバルなのである。
そんな彼女たちに権力を振りかざすほど、ジュリエッタはまだ落ちぶれていなかった。

 恋のライバルと言うと、ジュリエッタと同じ身分の側室たちの他にも、
毛色の代わった存在があった。
同盟国アルステーデの女君主、バルバラがそれである。
バルバラはティーク王が幼少のみぎり、隣家に住んでいた貴族の娘である。
軍の士官学校でも同期であり、ティークにとっては祖国における数少ない友人であった。
ティークが祖国を離れてスラルに婿入りした後、2人はしばらく音信不通になっていた。
噂では小国の公爵家に嫁いでいったとだけ聞いていた。
そんなバルバラが表舞台に出てきたのは、夫の死去により公爵家を引き継いでからであった。
明晰な頭脳と逞しい行動力で革命を成功させると、アルステーデを公国として再編し、
自らは君主の座に納まった。
その上でティークの納めるスラルと同盟を結び、主にスラル南部の押さえとして辣腕を振るった。
時にはスラルとの合同軍で大国を攻め滅ぼしたこともある。
そうやってティークの信頼を勝ち得た後は、大陸南部の制覇を目指して版図をどんどん広げている。
今ではティーク王のほとんど唯一の対等な友人として、
そして頼もしい同盟国の君主として貴重な存在であった。

「やあ、ティークいるかい?」
そう言って唐突に城を訪れるのがバルバラの常であった。
スラリとした長身を厳めしい軍服に包み、短い金髪を横に撫で付けた男装の麗人である。
端正な顔には、常に謎めいた笑みを湛えている。
王の友人が来訪したとあっては、ジュリエッタも寝ているわけにはいかなかった。
直ぐに応対に出ると、申し訳なさそうに王の不在を告げる。

「なんだ、せっかくボクが来てあげたってのに」
バルバラはジュリエッタにむくれて見せる。
しかしジュリエッタが頭を下げて詫びると、直ぐに機嫌を直していつもの笑顔になった。
「いいよいいよ。どうせいつもの狩り場だろ。これから直接行ってみるから」
バルバラはそう言うと、ジュリエッタにウィンクを見せて立ち去ろうとする。
「お待ちください。私がご案内します」
そんなことをネネに申し出れば、きっと反対されるだろう。
バルバラのお供の振りをして、こっそり城を抜け出さなくてはならない。
ようやくティーク王の元へ参上できる口実を設け、ジュリエッタの顔は明るさを取り戻した。

 主城の南西に、馬で半日の所に王専用の狩り場はあった。
ティーク王は退屈な執務に疲れると、この狩り場に来るのを習慣としていた。
野外の不便な生活は数日だと楽しいが、勝手なもので長く続くと億劫になってくる。
「明日には城へ戻るか」
ティーク王は誰に言うともなく呟いた。
充分英気を養えたし、マリーアンナとは更に親密な仲になれた。
これ以上執務を疎かにすると、戦線の維持にまで影響が出かねない。
「よし、今晩で最後だから、みんな一緒に可愛がってやるぞ」
酒に酔っていたこともあって、ティーク王が突拍子もないことを言いだした。
「マリーアンナ、ホーネット、ゼンメイ……三人とも尻を出してこちらに向けろ」
マリーアンナとゼンメイは嬉々として、そしてホーネットは仕方ないといった風情で下衣を解く。
そして四つん這いになると、ティーク王に向けてお尻を掲げて見せた。
大きな焚き火が、3つのお尻を赤々と照らし出す。
湿り気を帯びた秘裂も菊の形をした窄まりも、三者三様のおもむきがある。

 ティーク王は左端のマリーアンナの背後から突き入れると、素早く出し入れさせて感触を味わう。
「あぁっ……あぁん……大君主さまぁ……」
犯られているところを他人に見られているという状況が、異常なまでの興奮を生み出す。
しかしティーク王は腰を10往復させると、隣のホーネットに乗り換えてペニスを沈める。
ご無沙汰であったホーネットは一突きされただけでイきそうになった。
「むっ……むぅぅっ……」
ストイックな親衛隊長は喘ぎ声を漏らさないよう、脱ぎ捨てた自分の下帯を固く噛みしめる。
10回のサービスが終わるとティーク王の逞しいモノが引き抜かれる。
今度は侍女頭のゼンメイの番である。
「あぁっ、若……そう、そこ……あぁん……」
ティーク王はそうやって10回ずつ腰を振るい、3人の内の誰かの膣に放出しようというのだ。
3人は自分こそ慰みを受けようと、必死で尻を振り立ててティーク王を責める。

「やあ、ティーク。相変わらずやってるね」
そう言って焚き火の元を訪れたのはバルバラであった。
背後にジュリエッタを伴っている。
ティークは振り返ってそれを確認したが、直ぐに前を向き直って作業を再開する。
「どうせだからボクも加えて貰おうかな。いいだろ?」
バルバラは返事を聞く前にズボンを下ろすと、
引き締まったヒップを晒してマリーアンナの横に蹲る。
ティークは何も言わず、バルバラの股間にペニスを突き立てる。
「はぅぅぅ……ティーク、入ってる……ティークのがボクの中に入ってるよぉ」
バルバラは首を下に折り曲げ、乳房の谷間越しに2人の接合部分を覗き見る。

 獣の饗宴を前に、ジュリエッタは茫然自失になっていた。
「……バルバラ様ったらあんなにはしたなく……あぁっ、マリーアンナ。
そんなに腰を使ったらティーク様がイッちゃう……」
ティークのお尻を見ると、緊張をこらえているためか小刻みに震えているのが分かった。
射精までもう時間はないものと思われた。
「……今ならいける……今なら流れに身をまかせてティーク様に抱いていただける」
ジュリエッタがゴクリと生唾を飲み込んだ。
「でも、拒絶されたら……」
ジュリエッタはもう二度と立ち直れないかも知れない。
「でも……でもぉ……」
ジュリエッタの忍耐が限界を超えようとした時であった。

「敵襲っ!! ティーク様ぁっ、敵に囲まれております」
狩り場の周囲に配置している親衛隊の者が大声を出した。
一瞬にして周囲に緊張が走った。

2007/12/20 To be continued.....

 

inserted by FC2 system