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猫とコンソール(仮)

第1回                  


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「ねんがんのファミ罐鵑鬚討砲い譴燭勝」

ボロアパートの一室に、青年の奇妙な声が響く。
彼は感動に震えながら、年代物のゲーム機に青いカセットを差し込んだ。
その感触に、くつくつと笑いがこみ上げる。

「まずはロック罐鵝△修靴討燭凹罎猟戦状に初代マ罐!
待ってろよ伝説のソフト共、今俺がクリアしてやるぜ!」

胡座を組んで吠えるその姿は知らぬ人が見れば通報モノだったが、
幸いこの部屋には彼の他には白い猫しかいなかった。

その猫が動く。しなやかに青年の肩に飛び乗り、彼の頬を舐めた。

「む、どうした?」
「にぃ」
甘えた声を出しながら擦りよってくる愛猫の姿に、餌をやる時間であることを思い出す。
「よし、ちっと待ってろ」

青年が台所に立った今、部屋にいるのはファミ罐鵑版のみ。しかしその部屋には。

なにやらひっじょーに険悪な空気が流れていた・・・・・・!

「・・・・・・なに、あなた」
ファミ罐鵑喋った。比喩抜きで。

「それはこっちの台詞よ、このポンコツ」

猫が喋った。比喩抜きで。

「アタシがポンコツ?あの人がアタシを大切に扱ってくれたの見たでしょ?」

「だからポンコツだっつってんのよ。タカシがアンタを大事にしてるのは、ゲームソフトをやるため。
アンタなんかあのソフトの山が片付いたら用なしなんだから」

「あらあら、あの人はタカシって言うの」

「っ!」

「タカシさんも可哀想に。あなたみたいに我が儘で頭も悪い化け猫に取り憑かれて。
餌をねだって飼い主の楽しみを邪魔するなんて――――本当に、浅ましい」

「言わせておけばっ・・・・・・!」

「ああ怖い、そんな爪で引っかかれたらもう動けないかも。タカシさん、どう思うかしら?」

「・・・・・・・・!!!!」

「それにね。ファミ罐鵑砲呂燭さんの、本当にたくさんの名作ソフトがあるの。
それを全部クリアするまで、何年かかるかしら?」

「ぐうう・・・・・・!!!」
「じゃあ、『末永く』よろしくね?猫さん?」

 

 

結局。青年はイエ罅璽妊咼襪剖してファミ罐鵑鯒笋襪海箸砲覆襪里世。
「じゃあね?『短い間だったけど』楽しかったわ」

「ううう〜!!」

2007/12/06 完結

 

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