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勝ち組?負け組み?



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俺の人生って他の人から見れば勝ち組なんだろうけど、俺にしてみたらあきらかに負け組だ。

今日も一日の授業が平凡に終わり、あとは家へと帰るだけになった。
明日は古典の宿題の提出日だったから、さっさと帰って終わらせたいな。
見たい番組もあることだし、寄り道せずに帰るとするか。
そう思って、俺は下駄箱で靴を履き替えて校門の外へと向かって行く。
「和馬くーん!!待ってーーーー!!!」
だがしかし、そうは問屋がおろしてくれないらしい。ここでいつものようにあいつがやって来た。
今日も今日とて、でかい声で俺の名前を呼ぶなよな。生徒が一斉に見てくるから恥ずかしいんだよ!
「待って!待ってったらー!無視しないでよ〜。」
「でかい声で呼ぶなって、前にも言ったろ?恥ずかしいからやめてくれ。」
「だって、和馬くんが先に帰っちゃいそうだったから・・・」

ここで彼女について紹介をしよう。
彼女の名前は、小野寺 千草(おのでら ちぐさ)。同じ高校に通う一個上の2年生だ。
一見、鈍そうにに見えるのだが以外に運動はそこそこできる。
勉強も学年で上位に入るほどの頭の良さを持っている。
髪は肩より少し下くらいあり、日本人形を思わせるような綺麗な髪だ。
身長も平均女子高校生の上はある。(女子高生の平均身長は知らないが)
スタイルも良く、胸は前に”私の胸はDカップだよ!”と、
聞いてもいないのに教えてくれたのでDカップだそうだ。
人付き合いも良いので男女ともに人気がある。
今までに告白された人数は両手両足の指を入れても数えきれない。
「ねぇ。何をさっきからブツブツ言ってるの?」
「いや、何でもないから気にしないでくれ。」
そんなクラスのアイドル的存在が俺に好意をよせていると聞けばとても羨ましいのだろうが、
2つ問題があるのだ。
それは・・・
「ねぇねぇ。これからどこか行かない?私この前いい雰囲気の喫茶店見つけたんだ!
絶対に和馬くんも気に入ると思うから行こうよ!ね?」
「古典の宿題があるから駄目。」
「えぇ〜。宿題なんて後でいいから一緒に行こう。」
「絶対に駄目!!あと、そんなにくっつかないでくれ!!」
「そんなに恥ずかしがらなくてもいいよ。本当は嬉しいくせに〜♪」
「あぁー!!嬉しくないから離れてくれ!!姉さん!!」
そう。彼女は俺の、小野寺 和馬(おのでら かずま)の血の繋がった実の姉なのだ。

そして、もう一つの問題がそろそろやって来ると思うのだが。
「かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁずぅぅぅぅぅぅぅまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
ほら、来たよ。
「私というものが居ながら、他の女とイチャイチャしているとわ!!!!!!!!!!!!
しかも!!!!!!!よりによって、その女なんかとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
「うるさいからもう少し声を抑えてくれ。」
「そうよ!静かにしなさいよ!!」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!
私の和馬にひっついてるんじゃないぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
「あなたの和馬じゃないわよ!私の和馬よ!!」
「どっちも違うよ!!」

いきなり出てきて大声で叫んでいる女は、
俺と同級生で同じクラスの直素 熱美(なおもと あつみ)である。
俺が何故こいつに付きまとわれるようになったかというと、昼飯を一緒に食べたのがきっかけだった。
入学から半年くらいは経っていたのだが、直素はいつも一人で昼飯を食べていた。
そこに、俺は何を思ったのか一緒に飯を食べないか?と誘ってしまったのだ。
直素と一緒に飯を食べて話しをしている内に、
俺はこいつがいつも一人で飯を食べていた理由が分かった。
こいつは友達がいるのはいるのだが、うるさいせいか必要以上に友達が寄って来なかっただけなのだ。
そして、直素は俺に突然告白してきたのだ。
実際、姉さんのことを考えると面倒なことになりそうなので断ろうと思った。
だが運の悪いことに、そこに姉さんが乱入してきたことにより状況が一気に悪化。
その後も色々とあり、今や2人は犬猿の仲。
いつになったら、俺はちゃんとした彼女ができるようになるのだろうか。

「もう許さん!!今日こそは決着をつけるぞ!!!」
「望むところよ!!!」
「危ないからやめてくれよ、2人とも。」
「和馬くん。話し合いで解決できるのなら、とっくにもうこんな争いは終わっているの。
だけど、今もこうやって私たちはぶつかってばかりいる。何でか分かる?
私も熱美ちゃんもこれだけは譲れないからなの。和馬くんだけは駄目なのよ。
もし、和馬くんを取られちゃうと私たちには何も残らない。
和馬くんが他の女に取られるくらいなら、
いっそのこと和馬くんを殺して私も死のうとか考えていたりしてる。
それぐらい、和馬くんのことが好きなのよ。」
「争うことでしか物事を解決できないの人間の本能!!
今も尚、世界のどこかに小さいが戦争があるのか!それは、それしか方法がないからだ!
話して終わるならそれに越したことはないだろう。だが!それでも解決しないことがある!
ならば武力で、己の力で相手に分からせるしか方法があるまい!!
恋愛も同じだ!!言葉で分からせる事が出来ないから、こうして拳で相手を倒すしかない!
そう!!恋愛は戦争なのだ!!」
「「だから邪魔者は排除する!!!」」
何でこういう時だけ意見が合うんだよ・・・

俺がどうしようか考えている間に、2人はもう戦いを始めていた。
現在、俺の目の前でドラゴン○ール並の戦闘が行われております。
2人の壮絶な戦いの周りでは、生徒が大勢集まってどちらが勝つか賭けまでしている様だ。
とりあえず、2人ともスカートなのでパンチラを撮影しようと
カメラを持っているやつらだけは殴って没収しておこう。
その後は、家に帰るとするか。古典の宿題をやらないといけないからな。
2人は知らん。腹が減ったら終わるだろう。
そんなことを考えながら、俺はギャラリーの中へと消えていった。

2007/11/25 完結

 

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