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結衣の想い



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「オッス、久し振りだな。」
そこにあらわれた男は背は高く顔つきは人懐こそうな感じで、すごく優しそうな人でした。
「えッ…。」突然のことに目を円くしていると
「なんだ、忘れてるのかぁ。ほらほら3才の時まで愛し合った仲やん。」
「えっ?ええ――ッ!」愛し合ったなんて、さらりと言う彼に驚きました。
耳まで熱くなります私は慌ててると
「あははっ、3才やぞ。かわいいな。結衣はお前はズッートそのままでおりや。
あっ奈緒さ〜ん。何時見てもすごく綺麗ですね。それと今日からお世話なります。」
深々と頭を下げてる彼はお母さんとは知り合いみたいです。
「あら、嬉しいこと言うわね、本当しゅうちゃんは口が上手だわ。」
「あはは、本当ですよ、なんなら僕の部屋は奈緒さんの部屋でもいいですよ…。
なんちゃってあはは。」
何ですかこの軽い男は?訳が解りません。
「ちょと、お母さん、どう言うこと?聞いてないよ。」
あわててお母さんに問詰めました。
「あら、言って無かったかな?結衣が部屋に籠っているからじゃないの?」
うぐっ…たしかに私は奥手なせいで、ちょとこもりぎみかも知れないけど…
お手伝いも学業もおろそかにはしていません。
大体、お母さんの帰りが遅いのだって理由だと思います。
「おぉ、聞いてなかったのかぁ、俺スゲー楽しみにしてたぜ。結衣と一緒に学校行けるって。」
なっなんですか?この男は?いきなり一緒に手を繋いで、学校に行くってことですか?
なっ、なにおぅ、生意気で本当にキザな男です。

あっ思い出しました。いとこの山崎修一、確かに小さい時はいつも一緒にいたような。
引越ししてから全然交流がなかったけど、
「えぇー、一緒の学校行くの?こいつと?」
嫌がる私に、
「あはは、こいつとはひどいなぁ、昔みたいに修ちゃんって言うてや。
まぁな確かにいきなり自分のテリトリーにズカズカ入って来た訳やから怒るのは解る。」
うんうんと頷く彼。
「3ヶ月や、3ヶ月辛抱してくれや。あと3ヶ月で保険金が降りるしそしたら出て行くし、な。」
えっ保険金って言ってることかわかりません?
「結衣が修学旅行でオーストラリアに一週間ぐらい行ってたときに
修ちゃんの家とご両親が亡くなったのよ。火事でね…。」
気まずい空気が流れました。色々事情がある見たい。
最初に口を開いたのは修一君でした。なぜか服を脱ぎだしながら
「俺のために泣いてくれてるのか。うう、ありがとう。
奈緒さん俺は体でしか払えないけど一生懸命がん…」
ガッ!!
思い切り人を殴ったのは初めてでした。どうして先に手が出たか分かりません。
その後お母さんに凄く怒られました。男の人が口で言うことを真に受けたら駄目らしいです。
お母さんも苦労したみたいです。
修一君と初めて一緒に御飯を食べる時のことです、晩御飯はいつも私が作ってます。
お母さんはお店をやってるので、家でまでやりたくないと言うのが、
料理を全然しない理由の一つです。
「結衣が毎日御飯作ってるんかぁ、スゲーな。」
いつも当たり前のように作り一人で食べてた為、一緒に食べてくれる人がいて、
そしてなにより褒めてくれるのは嬉しくって、実はいつもより頑張っちゃいました。
「簡単にしか作らないわよ、急に一人分増えたし。」
「すまんの〜。急の客にも対応するそのキャパシティーはもはやベテランの域やな。
しかも簡単に作ってこの質と量!余は満足じゃ。」
ちょと大袈裟だけど、嬉しかったです。
「ただいま〜疲れだ〜。」
お母さんが帰って来ました。
「お帰りなさい。御飯いる?」
「今日はいいわ。お風呂に入ってから事務仕事するから、先寝てていいわよ。」
お母さんは仕事が好きでいつもこんな感じです。
「奈緒さん。お疲れ様です。いつでも俺のこと頼りして下さい。
なんならおせっ、お背中でも流し・・」
メゴッ!
私の一撃で修一君の顔にお玉がめり込みました。

その後で、ちゃんと謝りました。修一君はすぐに許してくれました。
ちょとスケベさんですけど凄く優しい人で良かったです。
打たれ強いし、しかしお玉って結構硬いんだと思いました。
「いやいや、こんなにおいしいなんて、ビックリやわ。まさか東京で京風料理食べれるなんて。
うどんが墨汁に漬って出てくるって聞いていたし。これホンマに旨いわ。」
凄く嬉しいけど食べるか喋るかどっちかにして欲しいです。
「いや〜結衣はスゲーわ。これなら毎日食べても飽きひんわ。」
さっきはカッとなってしまいましたけど仲直りが出来てよったです。
「あっー、旨かったぁごっそうさんでした!
何だか力も沸いてきたし、ハッスルしたくなってきたぜ。」
よく解らないことを言って、一人でそわそわしている修一君が何かを訴えてる様な目で
私の様子を見ています。
「ええッーと、ソロソロお風呂に行こうかな〜・・・・」
私は洗い物をしていましたので適当に返事をしました。
「行ってらっしゃい。」
修一君は少し興奮してるようでした
「結衣がそこまで行けと言うなら仕方がない。俺のことはパパと言ってもいいからな。」
言っていることが分かりませんでした。暫くすると上半身裸の修一君が慌てて駆け寄って来ました。
格好が格好なだけに、ドキドキしてしまいます。
「大変だ!奈緒さんが居ないんだ!お風呂でバッタリ!イヤーンイベントが!」
ガッ!!
力の限り殴ってしまいました。でもいいはずです変態には。
これは天誅です

本当にこの変態はには困ります。いい加減にしてほしいです。奈緒さん奈緒さんって
「お母さんはお風呂に行くと言ったけど、いつも銭湯に行くの。
だからあなたの考えてる様なイベントはありません!」
修一君は膝をつきガッカリしてました。
私のことは全然・・
「どうして奈緒さんって、ばっかり・・・。」
「えっ・。」
私何言ってるんだろう、何故か自分でもよくわからないことを言ってしまって、少し戸惑います。
「えーと、ゴメン。聞こえなかった・・なんて言うたん・・かな?」
聞こえてなかったんだ良かったと、思いました。
「何でもない。」
私はイライラしてしまい洗い物も終わったのでとっと部屋に戻ることにしました。
その時修一君とすれちがう時に何とも言えない甘い匂いと上半身裸のせいもあり、
凄くドキドキが止まりませんでした。
それは、部屋に戻っても収まりませんでした。

2007/06/19 To be continued.....

 

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