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姉妹仁義



1

お兄ちゃん、ご飯食べたんならさっさとお風呂はいっちゃってよ。
ちゃんと相棒はCMカットで録画しておくから。
てゆうか、予約録画の仕方早く覚えなよ。お兄ちゃん。
もぅ〜、お兄ちゃん! ほら、着替えそこにあるから部屋に持ってって、
本当お兄ちゃんてあたしが居なきゃなんもできないんだからー。

ほら、お姉ちゃんも何か言ってやってよ。
ん、なに。お姉ちゃん。こっちこい? なになに、内緒話? ごにょごにょごにょ。
え、用がある? じゃあ洗いものが終わったら……、え、いま?
  お兄ちゃんがお風呂に入ってる隙じゃないとダメ?
一体なんなのお姉ちゃん? ついてこい? なになに。

とと。お姉ちゃん。ここお兄ちゃんの部屋だよ。
ダメだよ、勝手に入ったら。お姉ちゃん、なに、本棚をあさってるの!
  勝手にいじったらまずいって!
え、なんでって……。なんでって言われても。
えーっと、お姉ちゃんだって勝手にお兄ちゃんに部屋に入られて物弄られたりしたら嫌じゃない?
……嫌じゃないの!? 下着とかさ、荒らされたら……いいの!? わけわかんない。
姉弟だから大丈夫? そういうものなのかなぁ。うーん。
でも、お姉ちゃん。何がやりたいのか分からないけど、やっぱりやめよう。
ほら、外出ようよ。 ……お姉ちゃん、やけに手際がいいね。何度もここに入ってるの?
え、あたし? あたしはそういえばお兄ちゃんの部屋に入ったこと無いかも……。
辞書とかはお姉ちゃんの持っているヤツが詳しいし……。
なに。その笑み。なんか優越感って、どういう意味よ! 勝った気分って言われても……、
別にあたしは負けた気はしないわ。だから、そのへんな笑いかたやめてって!

もう、あたし洗物残ってるから戻るわよ。
待って? まだなにかあるの……? ん、なに。その本棚の奥から取り出した色とりどりの本は。
え。なにこれ。女の人が表紙だ。
ファッション雑誌かしら? お兄ちゃん、こんなの読んでいるイメージ無いけど。
それにしては全ページ肌色ばっかりね、肌色、肌色、肌色、肌色、たまにピンク……。って、
これえっちぃ本じゃない!!
きゃあ、あ。しまった。思わず投げ飛ばしちゃった。お姉ちゃん見事にキャッチありがとう。
なになになになに!? はじめて見るわ。なになに!? お姉ちゃん、これなに!? えっちな本、
うん、見れば分かるから!
うわぁ、いろんなページに綺麗な女の人がおっぱいやら下のほうとか出したグラビアがたっくさん!
  わっ、この女の人なんてあたしの担任の先生そっくり……!
お姉ちゃん、この女の人と男の人、なんか変な道具を持ってるけどこれなに……?
  ごにょごにょ……、うわぁ、なにそれ! 変態だわ。
うわー、いやー、うぅん……。
え、お姉ちゃん。また本棚ごそごそして……まだ何冊もあるの!?
  きゃっ、本当だ。うわぁ……。あたし、こんなん知らないわよ。

どうしたのよ、これ。お姉ちゃん。 まさか、お姉ちゃんが買ってきたの!?
……ごめんなさい。うん、冗談だから、そのページ見せつけないで! やめて、やめてってば!
まぁ、そうよね。確実にお兄ちゃんのよね。
なんで、こんなの見つけたの?
  え、今日の朝お兄ちゃんが出た後にいつものようにエロ本持って無いかと探したら発見したの?
ガサ入れして本当に見つけたんだ……。ていうか、お姉ちゃんガサ入れ常習犯じゃない!
  今度からやめなよ。
嫌です!って即答かよ。 ……ガサ入れしてるところお兄ちゃんにチクっちゃうよ。
多分、お兄ちゃんお姉ちゃんのこと嫌いになるだろうなぁー。
あ、やめる? お兄ちゃんの名前出すとスゴイ素直になるね。お姉ちゃん。
もう、いいかしら。あたし洗い物を片付けに……。今度は何? え。この中身?
  いや、あんまり興味は無いかな。
お姉ちゃんにやにやしてどうしたの?

え。お兄ちゃんがどんな女の人が好きなのか知りたくないって?

…………………い、いやー……………えと、別に知りたくないような……知りたいような……。
どっちでもいいけどぉ、さぁ。
……その笑いかたやめてよっ。
どっちでもいいわよ、どっちでも!
そりゃ、お兄ちゃんのことは兄として……そのうん、好きだよ。兄としてだよ!
  兄として。兄としてだって!
そんなお兄ちゃんの好きな女の人……って言われると、
でも、やっぱり、ちょっと気になるかなぁー……?
にやにやしないでって言ってるでしょ! お姉ちゃん!
もうー。

ん、突然、真剣な顔してどうしたの?
このえっちな本の内容について。なんなのなんなの。
え。お兄ちゃんは微乳好き……? な、なんですってー!?
どどどどど、どういうことなのお姉ちゃん! なななななななんでなんでなんで!?
あたし、ブラDカップだよ!? お姉ちゃんはEだし! なんなの! あたしの友達の早苗ちゃんは
「男は絶対、巨乳好き」って言ってたよ!
なんで、お姉ちゃんお兄ちゃんが微乳好きだって言うの!?
お、落ち着いてるわよ! 落ち着いてるって。すーはーすーはー。ほら、落ち着いた!
だからなんで、そんなこと言うの!?
このえっちな本のジャンル? えっちな本にジャンルなんてあるの?
わっ。きゃぁ。本当だ。出てくる女の人みんなみんなみーんな、
あたしたちより胸が小さい人ばかりだぁ。
これなんてタイトルからして『ロリ胸ちぇき』だって……。これも、これも、これもだ。
きゃあ、これもしかしてあたしより年下!?

そ、そんなぁ。お兄ちゃんが微乳好きだったなんて……!
あたし、この大きく育ったおっぱいに感謝してたのに。友達だってみんなこのおっぱい羨むんだよ!
だから凄い自慢だったのに。早苗ちゃんに男は巨乳好きって教えられたときも凄く嬉しかったのに。

お姉ちゃん……。
うん、そう……。 あたしはおにいちゃんのことが好きよ!
お兄ちゃんだけど、好きで好きでたまらないの!
このおっぱいだって! お兄ちゃんが好きだと思ったから……自分でも誇りをもてたの!
でも……、お兄ちゃんが微乳好きだったなんて……。

………なぁに。お姉ちゃん。
やっと本音を言ってくれたねって?
……ごめんなさい。ごめんなさい。お姉ちゃん。
あたし、お兄ちゃんを好きになっちゃったの。理由なんてないもん。お兄ちゃんがすきなのぉ。
本当の兄妹なのに、変だよね……。えぐっ……。ごめんなさ……。

お姉ちゃん?

いいの……? え、「お姉ちゃんも一緒だから」……?
え、まさか。お姉ちゃんもお兄ちゃんの事。 あ、う。
そ、そうなんだ……。そうだったんだ。小学生の頃から、ずっと。
じゃあいっつもべたべたしてたのは?
そうだったんだ。うん。うん。うん。
そうだよね。お兄ちゃん優しいもんね。好きになっちゃうよね。姉弟だったらなおさらだもんね。
ライバルになるのかな……。お姉ちゃんとあたし。
え、違う? むしろ仲間?
敵は違うところに居る? どういうこと、お姉ちゃん……。

えええええええええええええええええ!?
お兄ちゃんに告白した人が居るの!? 嘘っ嘘っ嘘っ!
そいつ、おっぱいは!?
ぺったんこ!? お姉ちゃんの見立てでは? 『A』! 微乳か!

 

そんな! お兄ちゃんが微乳にとられちゃう!!
え、あ。まだ付き合っては無いのね。あー、びっくりしたぁ。え、でもまずは友達からだって……?
じゃ、じゃあ付き合うのは時間の問題じゃない!

え?
「これから二人でお兄ちゃんを元に戻す」?
……うん。うん。

なるほど。あたしたちが協力してお兄ちゃんを巨乳の魅力に気付かせれば……。
お兄ちゃんの目はおのずと私たちのほうに向くってわけね。
で、巨乳が好きになったお兄ちゃんはあたしたちが気になりはじめれば……、貧乳

じゃあ、このえっちな本は全部要らないよね!
お姉ちゃん、手始めにこれ燃やしちゃお! 燃やしちゃお! 資源ゴミ? いいの、いいの!
  ぜんぶぜーんぶ燃やしちゃえ!
だって、これからあたしたちの手でお兄ちゃんを巨乳好きにするんだからっ。
あたしたちに振り向いてもらうんだから!
だからこんな貧相な胸の女なんて消し炭にしちゃったほうがいいもんねっ。
これ見てまた微乳好きになっちゃったら困るもんねっ。
というか、あたしたち以外の女なんかの裸なんて見せるものですか!
  お兄ちゃんが見ていいのはあたしたちだけだもんっ。
お姉ちゃんもそう思うでしょ?
え? そうだね! さすがお姉ちゃん。いいアイディア!
  この本を処分して、代わりにここにはあたしたちの水着の写真を置いておきましょうっ。
たしかお姉ちゃんあたしの際どい写真を抜いてたよね? あれ使おうっ。あ、そうだ。
こんどあたしたちでエッチな写真作ろうよ! どうせお兄ちゃんにしか見せないんだし!
もう一目見ただけでお兄ちゃんの瞳がおっぱいになっちゃうぐらいの過激なヤツっ。一緒に撮ろうね!
  うんうん。
なに。お姉ちゃん。あたしがいきいきしてるって? そうかもね。うふふ。
よーし、燃えてきたわ! お姉ちゃん、頑張ってお兄ちゃんを振り向かせましょ!

えいえいおー!

2007/03/31 完結

 

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