お姉ちゃんを────可哀想だと思いました それは同情であり────共感でした。 私も、私以外の人が和人さんと幸せになると考えると狂いそうになります。 けれど、なんでお姉ちゃんがこんな風になってしまったのか……。 それをみて思い付いた。 恐らく、お姉ちゃんはコレをみて、重すぎる罪悪感と和人さんを想う気持ちがぶつかり合い、 ｢…うぁ……あ…｣ そこまで分かったのは良いのですが、目の前で────大好きな、自分の片割れが Pipipipipi…… そんな私を間一髪正常に戻してくれたのは枕元に転がる携帯でした。 ｢か、か、和人さん!!!｣ 和人さんの声を聞くと、段々自分が落ち着いていくのが自覚出来ました。 ｢お姉ちゃんが、お姉ちゃんが大変なんです!!!｣ 通話が終わり、和人さんと私達の家は隣同士なので、 バンッ!!! 勢い良く扉を開き部屋に駆け込んできたのは、我が愛する人和人さん。 ｢か、和人さん、お姉ちゃんが……｣ 直ぐにでも抱きつきたくなりましたが、それよりもお姉ちゃんの状態を見てもらうのが先なので、 ｢あ…和人…だ……｣ 和人さんを見て、初めて反応するお姉ちゃん。 しかし、反応こそすれど、未だ表情を取り戻しはしていません。 ｢優里、どうしてこんなことに？｣ 和人さんが私に尋ねてきたので、大雑把に概要を伝えました。 ｢……そんな…優美が…｣ 真相を知り、呆然となる和人さん。 ｢お姉ちゃんは大丈夫でしょうか…グスッ…？｣ 私が和人さんに尋ねると、和人さんは無言で立ち上がり、 ｢…あ…かず………ゆり…ご…め…｣ 和人さんは突然そう問い掛けました。 バチン！ 和人さんはいきなり右腕を振り上げると、思い切りお姉ちゃんの頬をビンタしました。 ｢……和人………？｣ すると、段々お姉ちゃんの瞳に色が戻っていきます。 ｢優美!!!｣ それを認識すると、お姉ちゃんが元に戻ったと言う安心感で涙を流しながら抱きついてしまいました。 ｢あ……ゆり…ヒック……うぇ…うぇぇぇぇん…｣ お姉ちゃんも、私を見ると、子供のように泣き出しました。 ｢優美……優里……｣ 和人さんも静かに涙を流しながら私達を抱き締めてくれました。
それから暫くして、落ち着いた私達は言葉を交わすことなく、居間へ移動しました。 ｢…………｣ 居間で、私とお姉ちゃんがソファーに、和人さんは向かい側の椅子に座りました。 ｢……優美は優里を殺そうとしたって本当か？｣ ぎこちなく頷くお姉ちゃん。 ｢じゃあ…優美は俺の事が好きで…優里が許せなかった…だから殺そうとした、合ってるか？｣ コクリと頷くお姉ちゃん。 ｢……何かキッカケはあったのか……？｣ 事実に気付き、真っ青になる和人さん。 ｢────っ！ゴメン!!!冗談のつもりだったんだ!!!｣ 突然、土下座をして謝る和人さん。 ｢なんで……あやまるの？｣ そう言ったのはお姉ちゃんでした。やっぱり同じ事を考えてたみたいですね。 ｢俺が…俺が鈍感で…馬鹿なせいで…優美に人殺しさせそうになったから…｣ いきなり声を荒げ、一気にまくし立てるお姉ちゃん。 ｢わ、私は邪魔なの、二人が幸せになる為に、私はいちゃいけないのよ……｣ 気が付くとお姉ちゃんをビンタしてました。 ｢お姉ちゃんが居ないと、私も和人さんも幸せになれるわけないでしょ？｣ お姉ちゃんが驚きの表情で私を見ていますが、構わず続けます。 ｢和人さんは、私達を同じくらい愛してくれているんです!!! 和人さんと目を合わせると、黙って頷いてくれました。 ｢……二人とも、和人さんに愛してもらいましょう！｣ そこまで言い切って、何時の間にか掴んでいたお姉ちゃんの手を強く握ります。 ｢で、でも、私、優里を殺そうとしたのよ……？｣ 視界の端で真っ青になっている和人さんは無視する。 ｢お姉ちゃんなら、大丈夫です｣ 約束……？ 小学生のころ、よくお姉ちゃんと ｢｢和人(さん)!!!｣｣ お姉ちゃんも同時に思い出したようです。 二人で微笑み合って──── ────和人さんに抱きつきました ｢浮気｣｢したら｣｢｢許さないんだから(ですよ)!!!｣｣ ｢は、はい!!!｣
一般的なhappyend？ |
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| 2007/02/25 RouteB完結 | |
