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幸せになるための二者択一(仮)



1

私は思ったんです。愛しい彼が泥棒猫から取り戻すにはどうすればいいのか
幼馴染だった彼とは小さな頃からずっと一緒で将来的には彼のお嫁さんになりたいと
思っていたわけですよ
ところが、私と彼が別々の大学に進路を進んだ途端に泥棒猫が彼に告白して

今の許されない環境を作り出したのです

その泥棒猫は、私の双子の妹です

妹の分際で彼を奪うなんて笑止千万です。身内だと言えやってはいけないことがあると
金棒を数回殴りつけたぐらいです。

更に許されないことがあるとするならば、前に彼と感動の再会を果たした途端に

わたしのことを、思い切り妹の名前で呼び間違ってました。
昔から区別付かなかったのは仕方ないと思うけど、今日は私がここに呼んだのにアホかと
本当に私は泣きそうになりましたよ。ずっと一緒にいたのに・・。
名前と顔まで間違えられて

その時、私は何かが壊れたかもしれません。

彼を泥棒猫から取り戻すためにはどうすればいいのかと

そうだ。

私が妹になればいいんだ。

邪魔な妹はこの世にいなくなればいいんだ・・。
そう決心すると夜中に包丁を取り出して、妹の寝込みを襲います。

銀色に鋭く光る刃を嬉しそうに見つめながら、私は妹の・・部屋に侵入・・。
安らかな眠りに就いている妹・・私の分身で大切だった人・

その首は私の手で殺してしまう。それは甘い誘惑であり、鋭い胸の痛みを感じさせる・・。
躊躇はしない。胸に包丁を突き刺せば・・私の勝ちだ・
ふと、私は妹の机にピンク色に包装された物に目が入った。これは一体何?
彼からのプレゼントなのだろうか・・?

大好きなお姉ちゃんへ

と書いたメッセージを見つけて、私は頬から流れる涙を止めることなんてできなかった
零れだすのは涙だけでなくて、抱いたはずの殺意も消え去ってゆく

私に・・妹を殺すことなんてできなかった。愛しい彼に告白も出来なかった臆病な私に殺人は無理だ
あはっははは・・私は一体どうすればいいんだ・・よ

一人ぼっちは嫌。

長い人生で私だけが孤独の人生を歩くなんて耐えられない。寂しすぎるよぉぉ・

私、どうすればいいんですか ?  誰かおしえてよぉぉぉぉおおぉぉぉぉ!!

2

朝。
目覚ましの音で目を覚ましました。
そして、部屋の中から誰かのうめき声が聞こえてきます。

「……うぅ……ぁあ……」

今は掠れていますが、お姉ちゃんの声だと分かりました。

「お姉ちゃん?」

声を掛けましたが返事はありません。
ベットから起き上がり周りを見渡します。
居ました、部屋のちょうど真ん中辺り、机の前でうずくまっていました。

「お姉ちゃん?」

怪訝に思い、声を掛けましたが、返事はありません。
お姉ちゃんは唯々うめくのみです。
私が寝ている間に何かあったのでしょうか?
とりあえずベットから立ち上がりお姉ちゃんに近づきます。

「お姉ちゃ……!!!」

再び声を掛けようと近づいたところ、足元に包丁が落ちていて、危うく踏みそうになりました。
本当に何があったのでしょうか?

「お姉ちゃん?」
「……あぁ…ゆ…りぃ……ご…め……和……」

私が声を再び声を掛けると、こちらを見ずに私に謝り、私の愛する和人さんの名を呼びました。

お姉ちゃんの顔を此方へ向けさせると、瞳に色はなく、瞳孔は開いています。
何度も呼びかけても、ひたすら先程のような事を呟くのみです。
明らかに精神状態がおかしくなっています。

どうしてこんな事になっているのか、周囲の状況を踏まえた上で考えを巡らせました。
すると、答えが浮かび上がってきました。。

恐らく、お姉ちゃんは和人さんをずっと愛していたのです。
幼い頃からずっと一緒だった私とお姉ちゃんと和人さん。
和人さんはその頃から思いやりと優しさに溢れた男の子でした。
私とお姉ちゃんが懸想始めるのにそう時間は必要ありませんでした。
小中高校と、よく私とお姉ちゃんで和人さんに近付こうとする泥棒猫を排除してました。

高校三年の進学先を決定する時に、お姉ちゃんは私と和人さんの行く大学とは別の大学を選びました。
その時は、お姉ちゃんは和人さんを諦め、私に譲ってくれたのかと思いましたが、
今考えてみると、少々意地っ張り、と言うか素直じゃないところがある
お姉ちゃんの強がりだったのでしょう。

その後、無事大学に入学し、その時に遂に私から和人さんに告白して、付き合い始めました。
そして、過ごしました────幸せな日々を。

恐らく、ここに包丁が落ちていると言うことは、幸せそうな私と和人さんが妬ましく、
私を殺して和人さんを奪うつもりだったのでしょう。

私はそんなお姉ちゃんを────。

a、お姉ちゃんを────馬鹿だと思いました。

b、お姉ちゃんを────可哀想だと思いました。

To be continued....

 

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