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スウィート・スウィート・ヴァレンタイン(仮)



2B

『「……えへへ。そうだね」』
『こんか学園生活を送りたかったぜ……!』

おっと、"こんか"じゃない"こんな"だ。

「あれ?山田君ノートになに書いてるの?」

ノートの誤字を消しながら顔を上げると同じ文芸部に所属する鈴木さんが覗き込んでいた。

「うん、ちょっと小説をね」
「見せて見せて…へぇ、嫉妬に狂った女の子が男の子のチョコをねぇ」

そう言って首を傾げる鈴木さん。今部室にいるのは俺たち2人だけだ。
入部したときは他にも沢山いたが、何故かみんな最近は顔を出していない。
おかげで親しい友人の間には俺たちは付き合っているという噂まで流れている。

「ところで最後は幼馴染と委員長、どっちとくっつくの?」
「まだ決めてないな」
「でもこれだと幼馴染が断然有利だよね。オッズで言うと100対1くらい」
「え?なんでそうなるの?」
「だってほら幼馴染は委員長の顔を覚えちゃったじゃない」
「…それだけで?」

「そうよ、殺す相手を間違えないために雌豚の顔を覚えるのは必要だもの」

ゾクリ。と背筋が凍る。
思わず鈴木さんの顔を見ると能面のように表情が消え、その瞳は虚ろに濁っていた。
ドクン。ドクン。ドクン。ドクン。心臓が警鐘を鳴らしている。ここにいるのは不味――!

「ところで山田君、今日の昼休みに妹さんを文芸部に誘ってたけど、どういうことかな?」


2007/02/09 To be continued..... ??

 

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