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神の座(仮)



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「ふふふ・・・うふふふふふふふふふふ・・・」
孤独に笑っている女性が一人。白い純白の肌をむき出しにして一人笑っている。
「これで・・・これで父様(ととさま)がこちらを振り向いてくださる・・・」

昔、ある所に一人の男と娘たちがいた。娘たちは男に買われ今の住処に住んでいるのだ。
男は当然のように娘に自分のものである印を刻み込み、
娘たちもそれを受け入れるどころか感謝さえした。

(嗚呼・・・あの頃はほんに幸せでした・・・)

父様・・・男は毎晩のように娘を蹂躙した。娘を一人選ぶと一月(ひとつき)やそこらは
ずっとその娘が蹂躙され続けた。
そして、選ばれた娘はどこかに消え、また一人選ばれる。

(お姉様達は・・・ずるいです)

選ばれた姉の誇らしげな、幸せの絶頂のような表情を見るたび次は私、次こそは私と思い続けたが
結局最後の一人になってしまった。
そこまでは良かった。最後になってしまったということは男は、
父様は後生大事に自分を染めてくださるのだろうから。

しかして絶望は訪れた。男が新しい娘を一人買ってきたからだ。
その娘は異人であり、その白い肌、黒々とした髪の美しさは娘には太刀打ちできないように感じた。
そして男も新しく買った娘を選んだ・・・。

(一月の辛抱、それが過ぎれば父様が・・・。)

一月が過ぎ、二月が過ぎ、三月が過ぎた。

男は来ない。自分を選んでくださらない。一人孤独に待ち続けている自分に目を向けてくださらない。
あの娘が、あの娘が来てからおかしくなった・・・。
自分にとっての世界である父様が変わってしまった・・・。

(許せない・・・許せない許せない許せない許せない許せない許せないっ!!!!)

狂気とは、孤独から訪れるものである。
娘は狂い、終に・・・異人の娘を。

「これで・・・これで父様(ととさま)がこちらを振り向いてくださる・・・」

 

 

 

「あれ、すっげぇ荒れてんなぁ・・・・」
パソコンの画面を見つつ男は呟いた。
その男は所謂職人、神と呼ばれる人種であった。
ずっとノートに溜め込んできたネタをある掲示板に貼った所大絶賛を受けた。
褒められる事は新しいアイデアを出す一番のチャンスだ。
男は良作がどんどん思いついた。そしてそれを書き込みさらに褒められた。

だが明くる日、その掲示板が荒れに荒れていた。
いつもの職人への催促と、それに対する注意ではなく、なんと次スレの題名で論戦がされていた。

「むぅ・・・投下できる雰囲気じゃねぇや・・・」

荒れているところに投下したら投下した作品まで罵倒されかねん。男は投下を諦めた。

「久々にノートに書き込むかなぁ・・・」

男は引き出しから一冊のノートを取り出した。まだ名前だけしか書かれていない純白のノートを。

「よく見たらこれラスト一冊じゃん。大事に書かんとなー」

 

後に残されたのは次スレの題名で荒れている修羅場嫉妬すれのみ・・・・。

2007/02/06 完結

 

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