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君という華



1

 昼休み。学生にとって心休まる時間。
仲の良い友達とする食事は、楽しく、普段よりも料理を美味しく食べる事が出来る。
  そう。社会人になれば取り戻す事の出来ない、貴重な時間。それが昼休み。なのに、だ。
「ほら、亮君。から揚げ好きでしょ? はい、あーん」
「高木先輩、手作りミニハンバーグです。ちょっと奮発して、松坂牛をミンチにしてみました。
  その、あ、あーん」
「……あら、何か小さい生物がいると思ったら、椎名ちゃんだったの。ごめんね気付けなくて。
それとここは二年生の教室だよ? 自分の教室も分からないのかな?」
「そんな訳ないですよ。それを言うなら、水田先輩だってクラス、隣ですよ?
  胸にばかり栄養回さないで、少しは脳の活性化に役立ててみてはいかがでしょう?」
「ご忠告有り難う。椎名ちゃんは屁理屈ばっかり言う脳鍛えるのもいいけど、
もう少し身長と胸に栄養回そうね。それじゃあ小学生だよ? あははっ。椎名ちゃんは可愛いね」
「ふふっ。水田先輩は美人で羨ましいです。せいぜいその美貌で男子生徒のオナペットにでも
なっておいて下さい。あははっ。雌牛にはぴったりですね」
「なら雌猫風情な椎名ちゃんは特別な趣味をお持ちなお兄ちゃん達に拉致られてバラしてもらえば?
  あははっ。良かったね、椎名ちゃん。きっとテレビとかに出れるんじゃない?
  死体だけど。あははっ」
「……あのー、二人とも、さ」
「ん? なあに亮君? この雌猫がうざいのかな? かな?
  待っててね、後で二度と近づかないように言っておくから」
「何言っているんですか。水田先輩が乳臭いから勘弁して欲しいんですよね?
  本当、体臭って自分では気付きませんからね」
「いや、じゃなくて。から揚げとハンバーグが俺の顔に密着してるんだけど……」
  二人は慌てておかずを自分の弁当へと戻すと、今度はどっちが顔を拭くかで睨み合い。
俺の昼休みはいつもこうだ。休まるどころか神経が磨り減って磨り減って血反吐を吐き出しそうだ。
  この二人、水田 祥子と葵 椎名は事あるごとに俺の周りに出現する。最近チョット怖い。
  祥子とは小学生からの付き合いだ。セミロングの髪に、スラリと伸びた肢体。
今や男子学生の九割は告白していると言う人気ぶりだが、本人はあまり恋愛に興味が無いのだろうか。
誰とも付き合った事がないらしい。
  俺はよく友達に羨ましがられるが、俺も祥子も、一緒にいた時間が長すぎてもう
お互いをそう言う対象で見ていない。気がする。
大事な存在だが、恋人、と言う言葉の響きはどうにもピンと来ない。
  椎名ちゃんは、俺の後輩だ。腰辺りまで伸びた黒髪のストレートヘヤー。
くりっとした瞳に、透き通るような白い肌。
どこか、人形チックな風体に、初めて会った時は驚いたものだ。
  しかも、何故かは分からないが俺は椎名ちゃんに気に入られたらしい。
さらに、何故か最近のエンカウント率は尋常ではない。気が付くと隣にいる、みたいな。
  でもまあこんな可愛い後輩に慕われるのも悪くない。
そう言うといつも祥子は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
  祥子の前で、椎名ちゃんの話題はNGなのだ。椎名ちゃんの前で祥子の話題がNGであるように。

 

 さて。話を戻そう。そんな感じのいつもの殺伐とした昼時間を送っていると、
不意に二人とも異変に気が付いてくれたようだ。
  そう。俺は今日、弁当を忘れてしまったのだ。というか、いつも弁当を作ってくれて、
さらにカバンに入れてくれているはずの姉ちゃんが、どうも今日に限って忘れたらしい。
  三時間目が終わるとほぼ同時に、メールが入ってきたのだ。メールによると、
どうも持ってきてくれるらしい。そのメール文を読んで、俺は胸の内が不安でいっぱいになる。
  あの姉ちゃんが、この空間に入ったらどうなるか、予想もつかない。
姉ちゃんは意外と頓珍漢な事を言うので、弟である俺は気が気でない。
  と、教室のドアが開く音がした。クラス中の生徒の視線が音がした方に向けられる。
  そこに立っていたのは、俺の姉ちゃん、高木 志穂だった。
  姉ちゃんは最初、教室内を見渡すようにキョロキョロとしていたが、
俺を発見すると、申し訳無さそうに照れ笑いを浮かべながら近付いてきた。
「ごめんねぇ、亮君。お姉ちゃん、ちょっと朝バタバタしてて、入れるのつい忘れちゃった」
  失敗失敗。俺は笑顔で気にしていない、と告げると弁当を受け取った。
  ふと、気が付くと教室中の視線が姉ちゃんに注がれていた。まあ、無理もない。
  姉ちゃんは、どこかのモデルなんじゃないか、と勘違いしてしまうくらい美人だ。スタイルも良い。
実際、街で何度もスカウトされている。何にせよ、人から注目を集めやすい人なのだ。
  と、姉ちゃんは二人に気が付いたのか、笑顔で言った。
「こんにちは、祥子ちゃん。それと、ええと……」
「葵 椎名です。『今は』高木先輩の後輩をさせていただいています。初めまして」
「あらあら。これはご丁寧に。こちらこそよろしくね、えーと、何て呼べばいいかしら?」
「お好きなように」
「そう? なら、改めてよろしくね、椎名ちゃん」
「いえ、こちらこそ」
  笑顔で握手を交わす姉ちゃんと椎名ちゃん。うん、こう言うの見るとなんか癒されるなぁ。
「っと、ごめん俺チョットトイレ行ってくる」
  急に尿意を催し、俺は席を立つと、小走りでトイレに向かった。

 

「……椎名ちゃんにも、言っておかないといけない事があるの」
「はい?」
「もう、祥子ちゃんには何度も何度も言っているんだけどね。
亮君に……亮に手を出したら、ただじゃおかないから、ね?」
「……」
「ふふっ。あの子はね、優しい子だから良く勘違いされちゃうんだけど。
あの子は私がいないと何も出来ない子なの。間違っても他のバカな女が扱える子じゃないわ。
そう、私だから一緒にいられるの。わかる? あなた達みたいなお子様は、その辺にいる男子で充分。
言ってる意味、わかるよね?」
「……、ええ。要するに、お姉様は弟に欲情するただのアバズレ、て事ですね?」
「……ふ、ふふ。うふふふっ。そう。そっかそっか。そうなのね。あなた、本気で言ってるのね?
  そっかそっか……そうなんだ」
「ええ、本気です。わたしも、お姉様や水田先輩に負けない……
  ううん、お二人以上の愛を持っていると確信していますから」
「……祥子ちゃんは、どうなの?」
「……あたしも、昔から言いたい事は変わりません。譲る気なんて、ミリ単位もありません」
  そう、と志穂は愉快そうに顔を歪める。その酷くいびつな表情に、二人は内心慄く。
  椎名は、今やっと感じ取れた。志穂の、異常とも言える愛欲と、執着心。そして依存心。
その一つ一つが深く、暗い感情となり志穂の体内に渦巻いている。
  見ていて気持ちのいいものではない。だが、だからと言って諦める気など、これっぽっちもない。
そっちがその気なら、こっちだってやるまでの事。
  負けているなんて、思わない。椎名は自分の愛の深さを、信じているから。
  それは、祥子も同じだった。昔から変わらぬ志穂のドス黒い感情に、少しも臆する事無く、
平然と受け流す。もう何年この感情をぶつけられたか分からない。
  初めは何度も挫けそうになった。だけどその度に亮の顔を思い浮かべ、自らを叱咤激励した。
自分の為に戦うのではない。何よりも愛すべき亮のために戦うのだ。
その気持ちが、何度祥子を奮い立たせただろう。
  そして。志穂は今、最高に愉快な気分だった。頭の中がスッキリとする。とても気分がいい。
  いずれ殺すべき雌豚が一匹から二匹になった所で、変わりはない。
少し、準備する事が増えるだけだ。
  面倒と言えば面倒だが、それも全て亮のためを思えば、苦にならない。
むしろ、亮が喜んでくれる顔を思い浮かべるだけで、軽く絶頂を迎えそうだ。
  私だけの可愛い亮。早く、その手で私を汚して欲しい。
隅々まで犯して、汚して、奪っていって欲しい。その愛しい指先で身体中を弄って欲しい。
亮が望むなら、殺されたっていい。
  そう考えただけでもう全身が燃えるようだ。自分の体を亮の指先が這うのを想像するだけで、
口内は唾液で溢れかえり、子宮の一番奥が疼く。

 三者三様の考えが入り乱れるその空間。だけども、そのドス黒い欲望が渦巻く空間に、
誰一人として気付かない。
  周りの生徒が思うのはただ一つ。高木 亮、死すべし! ただそれだけだった。
得てして、人と言うのは己の欲望に忠実なのかもしれない。

1.5

 わたしは教室に戻る道すがら、考え事に耽っています。それは、つい数十分前の、
近年稀に見る衝撃的な人物の事を思い返していました。
  高木 志穂。二十二歳。某大手証券会社に勤める、高木先輩の実姉。
  あんな禍々しい雰囲気を持った女性は、初めましてこんにちは、です。
いや、最早あれは人ではありません。ていうかありえません。人の皮をかぶった、化け物です。
  思い出すだけでも胃がムカムカします。ああもう!
  折角高木先輩の体臭を肺いっぱいに吸い込もうと楽しみにしていたのに!
  実の姉だかなんだか知らないですが、はらわたが煮えくり返ります。
  何様なのでしょう、あの態度は。ベタベタヘラヘラと。
  そもそも、先輩の前とわたし達の前での態度の豹変ぶり、如何なものでしょう。人格を疑います。
  さすが化け物。
  しかし、そんな事わたしにはまったくもってどうでもいいことです。
あの酷い腐敗臭のする雌牛と同レベルの下等生物に、時間を割くなんて、
わたしの脳細胞の無駄使いと言うものです。
  わたしは、思考を先輩の為に使わなければなりません。将来妻となる身ですから、
今から旦那様一途な思想を育めば、いつでも新婚生活を始められますし。
  ああ、愛しの高木先輩。この崇高なる愛を、早く先輩にぶつけたい!
  先輩の愛を、全身で感じ取りたい!
  でも、まだダメなのです。あの乳ばかりでかくして男子生徒の夜のお相手ばかりしている
淫売雌牛や、弟で毎夜毎夜自分を慰めている変態地球外生命体がいる限り、
わたしと先輩の未来は茨だらけです。

 だから、わたしは排除しなければなりません。ゴミはゴミ箱に。わたしは綺麗好きなのです。
先輩の部屋だってお掃除してあげます。
  ああ、先輩。先輩の匂いが未だに鼻孔をくすぐります。
本当はもう肺いっぱいに吸い込んで先輩の匂いで包まれたいです。
  きっと先輩との生活は楽しい事でしょう。楽しみで仕方ありません。
ぎゅうっと抱きしめて、頭を撫でて欲しいです。
  なんなら、というよりちょっと、いえ本気で犬と呼んで欲しいです。ポチとかでもいいです。
  先輩に犬と呼んでもらえるなんて……ああ先輩、そんな事恥ずかしくて出来ません……
でも、先輩がどうしてもって言うなら……え? あ、はい。分かりました、その、ご、ご主人様……。
  ……、イイ。すごくイイ。決定。もうこれは絶対にしてもらう。
そうだ、今から四つん這いで歩く練習とかしておいたほうがいいでしょうか。
よし、今日帰宅後練習しよう。
  完璧だ。わたしの良妻賢母ぶりに、きっと先輩……ううん、ご主人様も喜んでくれるに違いない。
いや、きっと頭を撫でて頬擦りしてその、キ、キスとかしてくれるに違いない。
  どうしよう。首輪とかってどこに売っているのだろう。犬用のでも問題無いんでしょうか。
ああ、すごく興奮します。ご主人様の物になれるなんて! わたしは天才なのかもしれません。
  と、妄想の世界にとっぷりと浸っていると、突然後ろから声をかけられます。
振り返ると、級友二人がこちらに駆け寄っていました。
「よっす! ヒメヒメ、考え事? 何々? 教えて教えて!」
  この少し、と言うよりも全然頭の足りていない感じ全開の子は、須藤 希美子。
本当に高校生かと疑ってしまうほど、あどけなさが残る顔つきです。
まあ、わたしも人の事言えませんが。
「待て待て希美子。お前はなんでもかんでも聞きすぎだ。で、姫。
  何を考えていたのかお姉ちゃんに話してごらん」
  もう一人の級友、柏崎 アンナ。わたしや希美子とは違って大人びた雰囲気を持つ、
セクハラ大魔王です。ちょっと危ないです。
  わたしは二人に別に、とだけ言うとまたすたすたと歩き始めます。
折角先輩とご主人様ごっこで盛り上がっていたのに。すっかり水を差されました。
テンションゲージダウンです。
  ……先輩、イヌミミとか興味あるのでしょうか。くるり、とわたしは振り返ると、
二人の級友に尋ねます。
「わたしの首にも付けられる首輪って、売っていますか?」

「……アンナちゃん。ヒメヒメ、やばくね?」
「……やばやばっすね。飛んでるよ。あれだね、例の先輩だよ多分。うっわ、二年生って怖いねぇ。
  自分を慕う後輩に首輪で拘束とか、やべぇやべぇ」
「勘違いしないで下さい。わたしがはめて欲しくって仕方ないんです。
  あと、イヌミミって必要でしょうか?」
「……」
「……」
「? どうかしました?」
「いや、なんでもー。ヒメヒメって、ドM?」
「いやぁ、流石にそのプレイを受けた事は無いなぁ。と言うか多分先輩ドン引きすると思うんだけど」
「そんな訳ありえません。先輩はわたしの事犬と呼んでくれて、
  頭撫で撫でしてくれるんですよ。最高です」
「いや、最低だよそれ」
  わたしは級友の言う事は当てにならないと判断し、妄想の続きを開始します。
  ああ、ご主人様、いけないこの犬を叱ってください。優しく叱ってください。最高です。
  うふふっ。どうです。わたしの愛の深さを前に、あの汚らわしい下等生物は
なすすべなく涙を飲むのでしょう。いい気味です。むしろ生きている事に感謝して欲しいくらいです。
  ああ、ダメですご主人様。そんな、そんなの舐めれません……
で、でも、犬のわたしに拒否権はないんですね……、
  せ、先輩のなら、喜んでその、むしゃぶらさせて頂きます。
  ふふっ。いけませんね、これ。癖になりそうです。と言うかもう夢中です。
先輩が笑顔で叱ってくれます。イっちゃいそうです。と言うか軽くイきました。
ごめんなさいご主人様。どうかこのはしたない犬をお叱りください。
  うふふっ。素晴らしいです。世の中にこんな素晴らしい事があっていいのでしょうか。
いいんです。何故なら先輩だから。
  次の五限もこの妄想パワーを使用すれば瞬く間に終わってしまいそうですうふふっあははっ。
先輩大好きですよ。

「おーい、姫ー? ダメだ完全に別次元にワープしてるよ」
「ヒメヒメってドMなんだねー。あれだね、DVとか嬉々として受け入れそうだね」
「やべぇだろ、それ。否定できないけど」

 うふふっ。先輩、タイツ履いた足でシコられるの、気持ちいいですか?
  いいですよ、この犬の足にたっぷりかけて下さい。うふ。先輩のなら味わって飲みますよ。
ですから遠慮なくドウゾ。うふふあはは。
  ああ、ダメですご主人様。こんな、人に見られてしまいます。え?
  あ、やだ、ごめんなさい。口答えしてごめんなさいご主人様。
  おあずけは辛いです。ご主人様の好きなようにして下さい。
この犬の分際ですが、受け止めますから。
  ダメです。これ以上妄想を続けると、狂ってしまいそうです。落ち着くのです、椎名。
ビークール、ビークール。
  ……そうです。確か先輩達は次の授業は、体育だったはずです。これは千載一遇のチャンスです。
先輩の爽やかな汗の匂いをくんくんしに行きましょう。
  それこそ犬の様に。そうです。犬はご主人様の匂いを覚えなければいけません。
言わばこれは必然の行為なのです。
  正面、からでは難しいです。そう、後ろからつまずいたふりをして、先輩の背中にダイブです。
そしてどさくさに紛れて匂いをこれでもかって言うくらい吸いまくってやります。
  完璧です。揺ぎ無いです。本当は先輩に抱きついて愛している、と想いをぶちまけたい所ですが、
それはまだとっておきます。いまはくんくんで我慢します。
  うふふふふふふ。先輩の匂い。今夜は多分、いえ、絶対にもう眠れません。興奮しまくりでしょう。
抱きついたついでに、わたしの制服にもたっぷり先輩の匂いを染み込ませましょう。
  これで今日の夜のお相手は決定です。いやもう、これから一ヶ月はこの制服洗いません。
いえ、洗えません。
  うふ、うふふ。えへへへへへ。早く、早く授業が終わって欲しいですね。
まだ始まってもいませんが。
  それまでは、また妄想パワーの出番です。先輩の愛を受け止められるのは、
やはりわたしだけのようです。
あの俗物二匹にこんな高度なわんわんプレイ、出来るはずがありません。
  えへへっ。今度は先輩に甘やかされてみましょうか。飴と鞭です。
鞭と言う道具を使うなら先輩のてのひらで殴られたいですうふふ。

「……ヒメヒメ、すごい楽しそうだね」
「……今日は多分、関わっちゃいけないんだと思う。何か、殺されそう」
「きっとエロいこと想像しているんだろうね」
「犬プレイがどうとか言ってたからなぁ。将来が激しく不安だ」

1.7
 酷い吐き気。ズキズキと尾を引く頭痛。眩暈がする。体調は、最高に最低だ。
それはもう、生理の時だってこんな気分にはならない。今日は人生において最悪最低の日だ。
孫の代まで言い残してやる。
  だいたい、あの二人……ううん。あの二匹の豚がいけないのよ。
あたしと亮君の前をちょろちょろと。目障り極まりない。
害虫は早急に駆除すべきよね。
あたしと亮君の為にも。
  でも、どうやって駆除しよう。撲殺? 毒殺? んー、どうもピンと来ない。
  それに、日本の警察はなんだかんだと言っても優秀だと聞いたし。あんまり目立った行動をすると、
すぐに逮捕されてしまう。それはダメ。亮君と離れちゃう。
  きっと亮君は泣いちゃうわ。亮君、あたしがいないと不安そうな顔、いつもしてるもんね。
うふふっ。あたし、亮君の事なら何でも知ってるよ。亮君の事、一番好きなのはあたしだよ?
  気付いてるよね? えへへ。
  ああ、それにしも腹が立つ。早くあの雌豚二匹を抹殺したい。そうすれば、亮君はあたしのもの。
うふふっ。今度は誰にも邪魔されないように、首輪をつけておかないとね。
  首輪をつけた亮君……イイ。すごく可愛い。ついでに、犬小屋みたいなものも作ってあげよう。
最高だ。一気に気分が昂揚としてくる。
  そうだ。あんな薄汚い豚どもの事を考えるのは止めよう。無意味だ。
それより、亮君の事を考えた方が、何億倍もマシってものだわ。
  ああ、亮君。その可愛い顔を、あたしの前だけで苦痛に歪ませたい。きっと可愛いわ。
  ほら、亮君。こんな変態さんな格好しながら、反応しちゃったの? こんな大きくして・・・・・・
ふふっ。悪い子にはお仕置きが必要だわ。亮君はそんなはしたない子じゃないでしょう?
  うふふふふふふふ。
  ああ、楽しい。亮君を飼いならせるのは、世界中捜しても、あたしだけだよ、亮君。
気付いてるよね? 亮君、あたしの事いつも見てくれてるもんね。
  いいんだよ。気にせず、亮君の為なら夜のオカズにも喜んでなってあげる。
本当、亮君はあたしの事が好きなんだねあははははは。
  えへ。えへへ。亮君、そんな媚びた目をして、許して欲しいの?
  でもダァメ。そんな身体から他の女の匂いさせている犬は、許しあげないよ? うふふ。
  これからは、他の女について行っちゃダメだよ?
  それと、今日からは朝三回、夜七回はセックスしてもらうからね?
  早くその酷い匂いをあたしの匂いに変えないといけないからね。
  無理、なの? 無理じゃないよね? あたしの事愛しているなら、それくらい平気で出来るよね?
  うふふ。
  いつか、本当にこんな日が来るかな? ううん、絶対に来る。来ないなら、迎えるまで。
  だから、あたしは強くならなきゃいけない。あの雌犬二匹に勝つくらい。
いや、世界中の亮君を狙いそうな人間全てに勝てるくらいに、強くならなきゃ。
  これは、亮君と結ばれる為の、宿命。決して逃れる事は出来ない。
  上等だ。それくらい、あたしの敵じゃない。邪魔するもの全て、叩き潰してやる。容赦はしない。
  潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して
潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して
潰して潰して。
  そうして、あたしの世界は完成するの。そうでしょう、亮君?
2

 疲れた。足の震えが止まらない。原因は、さっきの体育の時間に行ったサッカー。
一体、うちのクラスの男子は、俺に何の恨みがあると言うのだ。
  敵チームだろうが味方チームだろうが関係なかった。俺がフリーの状態なら味方からの
強烈なスルーパス。あれに追いつけるなら、俺は今頃ワールドカップ得点王に輝いているだろうよ。
  さらに、俺がボールを持てば敵からの殺人スライディング。人間魚雷と化したアホどもに
吹き飛ばされる事、両手の指では数え切れない。
  本当、俺が何をしたって言うんだ。
  何が腹立つって、それを爽やかな表情で行っているのだ。俺のクラスの男子は常軌を逸している。
頭のネジが足りてなさ過ぎるんじゃなかろうか。
  さて。しかしそんな少林サッカーも真っ青なオバカサッカーを終え、教室に戻る途中。
後ろから呼ばれ、俺は振り返った。
  と、ほぼ同時に、俺の胸に何か当った感覚。突然の事に、俺の思考は数秒停止する。フリーズ。
「……椎名ちゃん?」
  俺の胸元に、黒い塊……椎名ちゃんの頭部がうまっていた。と言うか、椎名ちゃんの息が妙に荒い。
と言うか、鼻息が荒いです椎名様。
「椎名ちゃん、あの、椎名ちゃん?」
「……ふぇぁ」
  やばいです。かなり気持ち良さそうな、恍惚とした表情を浮かべているんですけど。
なんかメガトロン、違う。目がとろん、としていますよ。とてもエロイです母さん。
  俺が肩を揺すっても、戻ってきません父さん。俺の後輩がピンチです。誰か助けて!
「ちょ、椎名ちゃん!?」
「しぇんぱい……? えへへ」
  ごすん。椎名ちゃんの頭突きが俺の胸に突き刺さる。胸骨と小さく叫んだ。
痛いんだよちゃんと受け止めろやボケェ! はい本当すいません。
  椎名ちゃんはまたもの凄い勢いで鼻呼吸を繰り返している。
これは確実の俺の体臭を嗅いでますよね? ってうぉぉい!
  ただでさえサッカーで大量の汗をかいた後なのだ。それはもう凄まじい男臭がしているんですけど。
え、ちょ、何ですかこれ? 誰か、俺の後輩が! 助けて! 死ぬほど恥ずかしいデス!
「あむっ」
「……あむっ?」
  変な音が聞こえて、視線を向けると椎名ちゃんが俺の体操服を
その小さく可愛らしいお口に含んでいる。
  しかも。
「ん、は、あむ、んぅ、じゅ、じゅる、ちゅ、あ、あ、んっ! ふぁ、ん、は、んぅっ!」
  イヤイヤイヤイヤ! ええちょ、ええ!? ナンデスカコノヨクワカラナイオンキョウコウカハ?
  しかもここ廊下ですよ!? 羞恥プレイなのか、そうなのか!
  本格的に危険な匂いを察知した俺は、椎名ちゃんの首が折れるんじゃないか、
と見ている人が思ってしまうほど肩を揺する。可愛い後輩に、人の道を教えるのも先輩の勤めだ。

「椎名ちゃん! 汚いから! ぺって! ぺってしなさい!」
「……ふぅえ? あえ? しぇんぱい? どうひたんれしゅかぁ?」
「いろいろ突っ込みたいけど、今は目を覚まして椎名ちゃん!」
  俺の魂の叫び。と、椎名ちゃんはようやくはっ、と我に返った。
「あ、や、す、すいません。つまずいてしまいました」
「いや、俺の突っ込みたい箇所はそこじゃないんだけど」
「そ、その……先輩、すごくイイ匂いがしてましたので、つい」
  そう言って頬を染める椎名ちゃん。何だろう、俺の知っている椎名ちゃんってこんな子だっけ?
「それでつい、その、先輩のあ、汗を吸ってしまいました……すいません」
  待て待て待て。仮に、俺からイイ匂いが発せられたとしよう。
でも、それでついその匂いの元である汗を吸いたくなるのだろうか?
  ……いや確かに、そそられる行為ではある。じゃなくて。
「ご迷惑をお掛けしてしまって、大変申し訳ありません。先輩、着替えないと、まずいですよね?」
「え、あ、うん。て言うか、椎名ちゃん、俺に何か用事あったんじゃないの?」
「いえ、『たまたま』先輩の背中が見えましたので、つい嬉しくなって……すいません」
「いや、いいんだよ。そんなに謝らなくても。気にしてないから、ね?」
「でも」
「いいから。ホラッ、椎名ちゃんがそんな暗い顔してる方が、お兄さん悲しいな。ねっ?」
「……はい。では、失礼しました。先輩、また後ほど」
「うん。じゃあね、椎名ちゃん」
  と言うか、ここ二階なんだけどね。椎名ちゃん達一年生の教室は一階なはずなんだけどなぁ。
こんな二年生の教室しかない所、用事ないはずなんだけどなぁ。
  でも、どこか元気がない椎名ちゃんを見ていたら、
そんな愚問しても自分を殺したくなるだけなので辞めておいた。
  その時の俺は、思考を完全に椎名ちゃんの後姿に向けていた。だから、かどうかは分からないが。
  突然椎名ちゃんの肢体が宙を舞った。その事態に、脳が追いつくには少し時間がかかった。
  混乱する俺の脳。だけど、視線は、真っ直ぐに、それをとらえていた。
  俺はその表情を見るのは、かれこれ六年ぶりくらいになるだろうか。酷く懐かしい、
それでいて二度と見たくなかったそれ。
  鬼の形相の祥子が、そこにいた。
  そこで、よくやく俺は理解する。ああ、祥子が椎名ちゃんを殴り飛ばしたんだ。

「こンのォォォォ! 雌豚風情が! 今、何をしてた!
  畜生、畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生がぁぁ!」

 まさに、咆哮と呼ぶに相応しい、廊下を震わせる叫び。廊下に横たわる椎名ちゃんに、
祥子は襲い掛かる。
  マウントポジション、と言うんだけ。馬乗りの状態で、祥子は椎名ちゃんに罵声を浴びせ続ける。
「畜生の分際で! あたしの、あたしの亮に、何をした! 答えろ! 答えろ! 畜生が! 答えろ!
  クソ、クソクソクソクソクソクソォッ! 答えろ雌豚がッ!」
  祥子の平手が、情け容赦なく椎名ちゃんの頬を殴りつける。何度も。何度も何度も何度も。
  気が付くと、俺は走り出していた。走って、どうするかとか、何も考えず。
  止めろ、止めてくれ。
  俺は祥子に、走った勢いそのままに、体当たりをかます。
なおも暴れる祥子を、何とか押さえつける。
  それにしても、凄まじい力だ。かなり体格差があるのに、気を抜けば吹き飛ばされそうになる。
「落ち着けって、祥子。なっ? ほら、落ち着け落ち着け。ほーら、大丈夫大丈夫」
「畜生! 殺す! 絶対に、絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に殺す! 畜生、畜生!」
「ほら、祥子、ゆっくり息吸え。ゆっくり、ゆっくり息を吸うんだ。良い子だから、な?」
  なおも暴れ続ける祥子。正直、椎名ちゃんの事を考えている余裕は無かった。
  今の祥子に、俺の言葉は届いていない。それでも、俺は祥子に話かけ続ける。
  と、俺の横を誰かが通った。一瞬見ると、確か椎名ちゃんの友達の少女二人だ。
  どこかに隠れていたのかどうかは知らないが、助かった。これで、椎名ちゃんの事は、
今の段階では考えなくて済む。
「ほら、祥子。俺の目を見て、ゆっくり深呼吸するんだ。な? ほら、ゆっくり吸って、
ゆっくり吐き出せ。良い子だから、な?」
「う、ううううぅぅっ! う、あ、りょ、君……あ、う、ううう、ううぅぅぅぁぁ」
「おーし、よしよし。祥子は良い子だな。ほらほら。深呼吸深呼吸」
  祥子の頭を撫でてやる。祥子は興奮した表情で、俺の目を食い入るように、見る。
  少し、息遣いが治まってきた。よし、あと少しだ。
  と、その時。俺の横を、椎名ちゃんの友人二人が、椎名ちゃんを抱えて、通り過ぎた。
  椎名ちゃんの表情を良く見えなかったが、とても驚いているように見えた。そりゃそうだ。
いきなり先輩にボコボコに殴られれば、誰だって驚く。
  と、今日の俺はなんとも間が抜けている。本当、もう一度クラスの男子に辛い目に
あわせてもらったほうがいいのかもしれない。
  俺の目を見ていた祥子は、当然のように俺の視線の先を見る。そこにいるのは、当然椎名ちゃん。
  見る見るうちに激昂する表情。這ってでも追い駆けそうな勢いだ。
  見ろ。椎名ちゃんの友達もびびっているじゃないか。
まったく、こんな先輩ばっかりじゃないからな。と、名も知らぬ後輩二人に届かぬ願いを思いながら。
  俺は、祥子の頬を、渾身の力を込めて叩いた。
「……え?」
「いい加減にしろっ! 何が気に食わないのか知らないけど、人を殴って良い訳ないだろ!
  分かってんのか!?」
  俺の怒声に、祥子は顔を真っ青にしてカタカタと肩を震わせている。
こんな怒声を上げるのも、六年ぶりだ。
  俺は祥子を無理矢理立たせると、屋上に向かった。授業の事は、後で考える事にしよう。
  途中、椎名ちゃんが、まるで自分が食べたかった物を先に食われたような、
怒りの表情を浮かべていた。いや、この例えも変か。ダメだ。俺もかなり混乱している。
  ともかく、だ。まずは祥子をどうにかしないと。俺は右手で握っている祥子の左手首から感じる
体温の低さに内心驚きながら、屋上へと向かう足を速めた。

2.3

 保健室のベットの上で、わたしは湧き上がる殺意を必死に抑えていた。
  殴られた頬が痛い。口の中が、鉄の味に染まる。
せっかく、先輩の汁の味にまみれていたというのに。
  最悪です。折角今日の夜は眠れなくなりそう、と考えていたのに!
  しかし、ざまあみろ、です。あの雌豚の醜い顔を見た先輩の表情は、
何とも形容しがたいものでした。侮蔑の色に染まっている先輩の瞳に射抜かれて死ねばいいんです。
  しかし、本当に腹立たしい。先輩に殴られていいのは、このわたしだけだと言うのに。
あのアバズレは、一体どれだけわたしに精神的苦痛を当てれば気が済むのでしょう。
  わたしを殴っていいのは先輩だけ。先輩が殴っていいのはわたしだけ。
これは決定事項だというのに。あの雌豚め。忌々しい。
  先輩も先輩です。あの雌豚は全身細菌まみれなのですよ? 先輩の清らかな手が雑菌にまみれては、
一大事です。今すぐにでもアルコール消毒をしてほしいです。
  と、物思いに耽っていると、突然眼前に女性の顔が現れました。というか、顔近いです。
「やあやあ。調子はどうだい?」
「調子は最高に最低です、佐々木先生」
  保健室の主である、佐々木 希沙々先生は、かけている黒縁のメガネの奥に潜ませている
猫の瞳に酷似した目で、わたしの瞳をとらえる。
  にこり、と言うよりはにやり、と妖艶に微笑む佐々木先生。本当、この先生は猫に似ています。
少し、苦手です。
  べろり、と長い舌を自分の唇に這わせる先生。なんでしょう。この獲物を見つけた豹のような目は。
と言うか、先生との顔が本当に近いです。何故か妙に息が荒いです先生。
「ふふふっ。椎名ちゃんは、本当美味しそうだねぇ」
「あい?」
「やあやあ。独り言だよ。ふふ。あー先生我慢できそうにないにゃー」
  何でしょう、この先生本当に職員で大丈夫なのでしょうか?
  そう言えば、やけに佐々木先生のファンの女子が多い気がしていましたが……。
  いや、変な考えは止めておきましょう。わたしの体は先輩だけのものです。
何があろうと汚してはいけません。汚していいのは、もちろん先輩だけ。
  いえ、別に先生が同性愛者かどうかなんて、たいした問題ではありません。
むしろ、先輩……と言うか男に興味がないので非常に好感触です。
どこぞの慰安婦とは違います。さすが先生です。
  と、話が逸れました。そもそも、何の話をしていたんでしたっけ。
ああそうだ、あの忌々しい精液搾取豚の事でした。
  ああ、また苛立ちが蘇ります。こう言う時は、先ほど嗅ぎに嗅いだ先輩の匂いで
自慰に耽るのが最適です。先輩大好き。ふふ。
「先生、すいません。少しトイレに行ってもいいですか?」
「うん? やあやあ。オナヌーでもするのかな?」
  一体この保険医の脳内構造はどうなっているのでしょう。恐らくピンク色に染まっている事に
間違い無さそうです。
  しかしわたしも隠すのが面倒ですし、ここで嘘をついてやけに長いトイレ時間に
不信感を持たれるのもなんなので。
「そうです。大好き、いえ愛している先輩の匂いで精根尽き果てるまで自慰に耽りたい所存なのです」
「おおぅ! 随分直球で返してきたね。なら先生はオナニングしている椎名タンをオカズに
  オナヌーしてもいいかな?」
「ダメです」
「何故ッ!? 生殺しはいけないよ! 現に先生すでに濡れ濡れなんだよ!
  今日はノーパン・デイだからスカートがぐちょぐちょなんですけど!ハァハァしたいんですけど!」
  本当、校長の人事能力には疑問の念を持たざるおえません。
「なんなら先生としよう! そうだそれがいいよ!
  椎名タンもスッキリ出来るし、先生もスッキリ出来るよ! 我ながらナイスアイディア!
  希沙々グッジョブ!」
「ダメです。わたしの体を好きにしていいのは先輩だけですので」
「SHIT! でも、今先生とヤると、おっぱい大きくなるよ?」
「先輩はわたしの貧乳に射精するのに病みつきなので、遠慮しておきます」
「じゃあパンツ頂戴」
「……」
「やあやあ。そんな人を哀れむような目で見ないでおくれ。感じちゃうじゃないか」
「では、失礼します」
  このままだと、本格的に食べられてしまいそうなので、
わたしは足早に保健室を出るとトイレへと向かう。
  ……何やら保健室から変な声が聞こえたのは、多分気のせいでしょう。

 今は六時間目の途中の為、トイレには誰もいない。念のために一番奥の個室に入ると、
わたしは鍵を閉める。急いで下着を脱ぐと、すでに濡れている。
  鼻の奥で香る先輩の匂い。体育後の汗の匂い。何か、獣を連想させる、匂い。
  ふと、性交渉を終えた時の事が脳裏をよぎる。先輩の匂いを一番近くで嗅げる。
それを想像しただけで、軽くイってしまいます。
  ああ、先輩。わたしを汚してください。その白濁色の先輩の液体を、
わたしの中に注ぎこんでください。先輩の精液で、わたしを溺死させてください。
  自分の右手の中指を、濡れに濡れている秘部めがけ、一気につっこむ。
背筋を、甘い痺れが駆け巡る。膝がガクガクと震え、腰が淫乱に蠢く。
「あ、は、先輩、先輩先輩先輩ッ! あっ! や、先輩、音、出しちゃ、や、は、ん、んぅ!」
  舌をはしたなく突き出し、まるで何かを欲すかのように唾液で唇は濡れている。
口の端からは止め処無く唾液が溢れ返る。気持ちよすぎて、宙に浮いているような錯覚を起す。
  乳首は充血し、硬くなっている。擦れるたび、先輩に愛撫されているような感覚に陥り、
絶頂を迎えてしまいます。もっと壊して下さい、先輩。
「にゃっ! はぅ、あ、あ、先輩、せん、あ、はっ、先輩、出、あうぁ、出ちゃう、ダ、メッ!
  あ、あ、我慢でき、あ、やぁ、んんっ! あぅっ!」
  勢い良く潮を吹く。ビシャビシャと、まるで滝のように何度も何度も。
その度に訪れる快楽の津波に、わたしは体を震わせる。
  それでも、指のピストン運動は止められない。もはや、わたしの意思は関係なく、
ひたすらに快楽を貪る指。その快楽に、わたしは身も心も支配されてしまいます。
  舌から滴り落ちる唾液が、制服を濡らす。もはや胸の辺りは唾液でベトベトに濡れています。
後の事なんて、考える余裕がない。
  奥へ。さらに奥へ。指が奥深くを求める。先輩の、性器も、わたしの最奥部を求めて、
ここを何度も擦り上げてくれるのでしょうか。
  先輩なら、何度でも、好きなだけ弄ってください。わたしの、その最奥部にある子宮に、
直に精液を注ぎ込んでください。
  注ぎこまれる感触に、わたしは何度も絶頂を迎えるのでしょう。先輩、愛しています、先輩。
  わたしの子宮も卵子も口内も胃も肛門も穴と言う穴、性器と言う性器、全てを先輩に捧げたい。
先輩と、全てを溶かして、交わりたいのです。
  この、成長する素振りを見せない肢体を、好きなように、乱暴に扱ってください。
先輩のその手で、わたしの首に、先輩のものである証しを、嵌めてください。
  先輩。先輩先輩。全身を、先輩の匂いで犯してください。
わたしの脳髄を、先輩の匂いで支配してください。わたしの子宮を、先輩の精液で満たしてください。
  そうでなければ、わたしの体は、永遠に完成しないのです。満足しえないのです。
生きる価値が、見出せないのです。
  この身を焦がして。先輩の物だと言う烙印を刻んで。わたしは、葵 椎名は、
先輩の犬だとわたしの耳元で囁いてください。
  それこそが、喜び。それこそが、絶頂。それこそが、世界の完結。
  ああ! ああ! 愛しています、先輩。
「は、あ、ま、た、イク……あは、気持ち、いいれふ、せんぱい、あぅ、あ、あ、あっあっ!
  や、は、んぅ!」
  最早何度目の絶頂か分からない。腕は自ら吹いた潮で濡れ、指はすでにふやけている。
目の前が、霞んできている。こんなにイったのは、初めてです。
  鼻孔をくすぐる、先輩の匂いが強くなった気がして、わたしはまただらしなく愛液で
トイレの床を汚す。先輩は、そんなわたしを笑顔で叱ってくれている。
『愛しているよ。ずっと、俺の犬として、犯してあげるから』
  視界に現れた先輩の台詞に、わたしは今日一番の絶頂を迎えた。

2.3

 愛欲が溢れ返る。ふしだらな妄想が脳裏にこびり付き、解放してくれる気配がない。
内にこもる熱で火照り、欲情は治まる事を知りません。
  消化しても消化しても消化しきれず。絶頂に絶頂を重ねその先に待つ絶頂を迎え入れても。
わたしの体は満たされないのです。
  もはや、自慰では限界なのでしょう。どこまでも淫靡になってしまったソコから、
すっかりふやけてしまった指を引き抜くと、ぶるり、と身を震わせる。
  何と言うか。今日のわたしは随分と色欲に支配されていたようです。
和式の便器が愛液でベトベトです。
  いやしかし。本当に今日はすごかった。このままだと危うく想像妊娠してしまいそうです。
ふふ。先輩の子供なら、喜んで孕ませて頂きます。
  にやにやと緩む頬を引き締めもせず、わたしは乱れた衣類を整えます。色んな所が唾液やらで
酷いありさまですが、まあそこは置いておきます。
  下着、特にお気に入りのパンツは愛液でもはやその機能を全うしていませんが、
まさかどこぞの色情保険医じゃないんです。ノーパンはまずいので、そのぐしょぐしょに濡れている
パンツを仕方なく履きます。
  ……ああ、気持ち悪い。今度は摩り下ろすのではなく脱ぐ事にしましょう。
反省は生かさねばなりません。
  ふと、視線を感じて顔を上げる。わたしは一体どこに眼球をつけているのだと、
自分に詰問したいぐらいにその存在を全く持って認識していませんでした。
  自慰に耽るあまり、気付かなかった? ありえない。
だって、ドアにはちゃんと鍵がかかっています。
ドアの隙間から入り込む、何て言うのは漫画の世界の話で。
  だから、わたしは目の前で微笑む女性を見て、絶句した。
――随分と熱心なのですね、主よ。満足されましたか?
  声が出ない。あんな激しく淫らな自慰を見られた恥ずかしさで声が出ない訳ではありません。
まぁ、それも少しあるのですが。
  その、ふざけているのか、所謂メイド服を着た女性の両目には包帯が巻かれていた。
なのに、何故か目と目が合う、としか表現しようがない感覚。
――主よ、どうかなされましたか?
  その艶やかな、赤い、紅く燃え上がる焔色の、大きく自己主張する胸にまでかかった
長い髪を揺らしながら、彼女は首を傾げた。
  それにしても、随分と背が高い。わたしの身長が143センチと、
女子にしても随分と小さい体躯だが、女性とは40センチ以上の差を感じます。
「……あなたは、誰?」
――その問いに答える術を、私は持ち合わせておりません。
  女性は困ったように微笑む。
「……いつから、そこに?」
――ずっと、と言えば宜しいでしょうか。正確な答えを導き出すには、少々言葉が足りません。
申し訳ございません、主よ。
  やっぱり困ったように微笑む女性。
「わ、わかりやすく説明していただけないでしょうか。わたしは今、酷く混乱しているので、
  出来るだけ簡単直結に答えてください」
――は、はぁ。では、簡単に申し上げます。一体いつ、何の影響を受けたかは不明ですが、
いずれにせよ、
  そう言って女性は私を見て、微笑む。華のように。歌うように。
――主が、私を呼んだのです。

「わ、わたしが? あなたを?」
――はい。その通りです、主よ。どう言った経緯で主が能力に目覚められたのかは不明ですが、
いずれにせよ私は、主に呼ばれたのです。
「ど、どうして……?」
――必要、だからではないでしょうか。
いえ、私も全てを理解して話をしている訳ではございませんが。
ただ、気が付くと主の側にいたのです。
「わ、訳が分かりません……呼ぶだとか、必要だとか……わたしが、それを望んだと?」
  ――いえ、はい。ええっと……すいません。何分私の理解の範疇を超えておりますので。
上手く説明できません。
わたしはひとまず、深呼吸を三回ほど繰り返す。女性はじっ、とわたしの目を見つめてきます。
何故かは分かりませんが、不快感はありません。
  ふぅ、と息を吐く。体の火照りも治まり、頭の中がクリアになってきました。
「……少し、落ち着いてきました」
――それは良かったです、主よ。
「……それで、です。わたしがあなたの出現を望んだとして、あなたは一体何をしてくれると
  言うのですか? まさか殺しにきた、などとは言わないでくださいよ?」
――ふふっ。ご冗談を。私は、主の力を引き出しにきたのです。多分。
「酷く曖昧な人ですね」
――申し訳ありません、主よ。
しかし現在の回答でもっとも正確で正解に近い言葉はそれだけなのです。
主の力を引き出しにきた、と。
「……力、ですか?」
――その通りです、主よ。現在、何者かの能力により、
主は華を開花させるチャンスを手に入れました。私は、それを後押しする為に馳せ参じた次第です。
  まるで漫画や映画の中の話です。それでも、わたしは湧き上がる好奇心を抑える事が出来ません。
「……百聞は一見にしかず、です。その能力とやら、引き出してもらえますか?」
――分かりました、主よ。では、しばし失礼致します。
  女性の手が、私の顔を包む。女性が二言三言何か呟いた、
と思ったら女性は手をするするとまた元の、自分の胸の前に添えます。
「……? お、終わり、ですか?」
――はい、そうです、主よ。何か問題でも?
  きょとん、とする女性に咳払いをして、頭を振る。少し、いえかなりすごい術みたいのなのを
期待していた、とは言えません。子供じゃないんですから。
「いえ、何でもありません。所で、一体どう言う能力なのですか?」

 女性は、右手を自らの鼻に添える。
――鼻、です。
「鼻?」
――そうです。相手の匂いを嗅ぐ事によって、その人物の状態その他様々な情報を手に入れることが
可能となります。
「……相手がどこにいても、ですか?」
――いえ、範囲は決っています。ただ、その範囲の大きさは分かりません。
実際に計測する必要があります。
  匂い。匂い……。何ともわたしらしい能力です。
昔から匂いに敏感だったのも、少なからず関係あるのでしょうか。
  そしてこの能力を持ってすれば、わたしは四六時中先輩の匂いを嗅げると言う、
それはそれは素晴らしい特典を得られるという訳です。最高です。
  先輩と常に一緒にいる事を許されたこのわたしに、あの雌牛たちの歯噛みする光景が目に浮びます。
ざまあみろです。
「ふ、ふふ。あは、あはははははははははッ! ふはは、ふは、ふ、ふふふっ」
――どうかなされましたか、主よ。
「ふふふふふふふふふふふふふふふ、ふふ、ふぅ。これを笑わずにいられますか?
  この能力こそ、神の啓示なのです!」
――はぁ。
「神は、この能力を持って先輩と結ばれよと、そう言っているに違いありません。
  最高です。完璧です」
――ですが、この能力は戦闘能力に関して言えば皆無なのです、主よ。
「それが、何だと言うのです? 闘えないと言うのならば、闘わなければいいだけの事です。
  そうでしょう?」
――しかし、それでは先輩を手に入れることは出来ないのでは?
  わたしはちっちっちっ、と嫌味っぽく指を振る。
「問題ないのです。敵は二人です。わたしが闘わなくても、敵二人で潰しあいを演じさせてやれば、
  わたしは労せず先輩と結ばれるのです」
――上手くいくでしょうか?
「この能力がどれほどの情報を引き出せるかはわかりませんが、しかしわたしにアドバンテージを
  与えてくれるのは間違いありません。ふふ」
  わたしは、挑戦的な笑みで、彼女を見る。その瞳に決意を宿して。
「勝つのは、わたしです」
  誇らしげに宣言するわたしに、女性はとても愉快そうに、微笑ましい表情を浮かべる。
――それは頼もしい限りです、主よ。
「……そう言えば、名前をまだ聞いていませんでしたね」
――名前はありません、主よ。主がつけていただければ、それが私の名前になります。
「そうですか…悩みますね……ふぅむ……では、ツェペルエというのはどうでしょう?
  意味は聞かないで下さい。お爺様が昔飼っていた赤毛の猫の名前から取っただけなので」
――……ツェペルエ……。
「不服ならば言ってください。他にいくらでも考えます」
――滅相もございません。主に付けていただいたのです。このツェペルエ、死が二人を別つまで、
主と共にいましょう。
「ふふ。では、これからもよろしく、ツェペルエ」
――こちらこそよろしくお願い致します、主よ。
  わたしは、トイレを出ると足早に自分の教室へと向かう。
気が付くと、もう六時間目は終わっていた。

 俺は教室を出ると、足早に隣のクラスへと向かった。祥子を迎えにだ。
  俺と祥子は家が近い為、学校に行くときは時間が合えば一緒に行き、
帰りはほぼ毎日一緒に帰っている。一緒に帰らないと、後が怖いのだ。
  しかし。
「え……帰った?」
「うん。終わるや否やぶっ飛んで帰っていったよ。すンごい速かったよー!」
  祥子の友人である中野 澄子がゼスチャー付きで教えてくれた。
  俺は内心驚いていたが、中野にありがとう、と告げると一つ下の階、
一年生のクラスが並ぶその中の一つ、一年三組の教室へと歩を進める。
  祥子が俺を置いて帰る何て今までなかった事で、何か裏があるんじゃないかと勘ぐってしまう。
  何なのだろうか、この言いようのない不安は。
胸の中に燻って、振り払っても振り払っても現れる。気味が悪い。
  だが、考えた所で出口が見つかる訳でもないので、俺はまず目の前にいる少女に頭を下げた。
「椎名ちゃん、さっきはごめん」
「い、いえ。先輩、顔を上げてください。先輩がした事ではないのですから」
「でも、ごめん。俺がもっとしっかりしておけば」
「いいんです。気にしていませんから。お願いです先輩。顔を、上げてください」
「……椎名ちゃん」
「大丈夫ですよ、先輩。本当に、気にしないでください。わたしにも、殴られる理由がありますから」
「で、でも」
「そ、その……ど、どうしてもと言うのでしたら、せ、先輩のメールアドレスを、
  お、教えていただけませんか?」
  俺はきょとん、とする。すると椎名ちゃんは慌てて手を振る。それはもう凄い勢いで。
「い、いえあの、ご迷惑でしたら、いいんです! す、すいません。さっきのは聞かなかった事に」
「いや、いいよ。そんなのでいいなら、いくらでも」
  はい、と俺は自分の携帯の画面に現れたアドレスを見せる。椎名ちゃんは慌ててポケットから
  携帯電話を取り出すと、慣れた手つきでアドレスを打ち込んでいく。
  しかし、もの凄いスピードだ。何か指が残像を残してるような……いや、それは言い過ぎか。
  数十秒後。アドレスと電話番号を携帯に記録させた椎名ちゃんは、満面の笑みを浮かべていた。
  よかった。少なくとも、嫌われていないようだ。いきなりあんな事があって、
殴られたって文句は言えない立場だ。
アドレスと電話番号でこんなに喜んでもらえれるなら、安い物だ。
「それじゃ。本当、ごめんね?」
「い、いえ。先輩も、お気をつけて」
  手を振る俺に綺麗なお辞儀で返す椎名ちゃん。育ちの違いが顕著に表れるなぁ。

 

 三階建ての一軒家。何の変哲もない我が家に帰ってくる度、俺は何故か安堵の息を漏らしてしまう。
ああ、今日も無事一日が終わった。
  家には誰もいなかった。姉ちゃんはまだ仕事だ。俺は姉ちゃんと二人暮しを、
かれこれ七年近くしている。俺の両親は、俺が十歳の時に交通事故で他界した。
  最初はただただ毎日が悲しかった。姉ちゃんの優しい手に導かれてこの家にきた時、
俺はやっぱり寂しくて毎日泣いていた。
  それでも姉ちゃんは、優しく俺を励ましてくれた。姉ちゃんがいなかったらと思ったらゾッとする。
  いつも俺の側で笑ってくれた姉ちゃん。いつか、幸せになって欲しいと願う。
  早く、自立した人間になりたい。
姉ちゃんのその優しくて、本当はとても弱々しいその手を借りずに、一人で生きていく。
  もう姉ちゃんに、苦労はさせたくないのだ。
「……っと、メールだ」
  携帯を見ると、見知らぬアドレスが表示されていた。
未読のメールを開くと、椎名ちゃんからのメールだった。
『葵 椎名です。今日の事は、気になさらないでください。水田先輩の事も、
  怒らないであげてください』
  なんとも素っ気無いといえば素っ気無いが、そこが椎名ちゃんらしい。
  俺は返信メールを送ると、自分の部屋へと入る。相変わらず汚い部屋だ。
  カバンを放り投げ、ベットへと飛び込む。何か色々疲れた。眠い。何もしたくねぇー。
  睡魔相手に闘う意思を見せず、俺はすぐに意識を手放した。

 あたし、水田 祥子は今人生で最高の気分を味わっている。
  大声を上げて笑い出したくなる衝動を殺して、急ぎ足で帰路へとつく。
  愉快だ。可笑しくて可笑しくて可笑しくて仕方がない。気が付くと口の両端が吊り上がり、
笑い声を上げてしまいそうになる。
  ダメだ。まだ人通りの多いこの道で、突然笑い出す女子高生を、住人達は決して暖かい目では
見てくれない。世間体も大事なのだ。
  ああ、でも。それでも。この殺意を、憎悪を、早くあの豚どもにぶつけてやりたい。
殺してやらなきゃ。あは。
  あたしの中で、毎秒大きく肥大していく殺意。飼い馴らすには、まだ時間が要る。
でも、それはそんなに先の事じゃあない。
  待っていろ、雌豚。その醜く卑猥な面を見るに耐えない豚らしい顔に変えてやるから。
あは、あははははッ!
  亮君に手を出すからいけないんだよ? あたしに殺される理由を作るから。ふふ、ふふふふっ。
亮君も亮君だよ。そんな臭くて卑しい豚を側に置いておくなんて。
  りょ、亮君にもお仕置きが必要だね。へ、えへへ。あ、あ、足の一本……ううん、
両足をあたしの能力でぐちゃぐちゃに砕いてあげる。えへ、あはは。
そしたら、ほ、他の交尾にしか興味のない牝犬達に近づく心配もないもんね。
  い、痛いかもしれないけど、亮君がいけないんだからね。
あ、あたしの事無視して、あんな、あんな女に!
  ち、畜生ッ! 畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生ァッ!
  顔面を砕いて、見るも無残で、この世のもっとも惨めな姿にしてやる!
  葵 椎名もッ! 高木 志穂もッ! ううん、全て、亮君に近づくアバズレ全員、
あたしの殺意を喰らわしてやる!
  害虫は、殺す! 殺す殺す殺す! 塵屑にして消してやる。
その光景を脳裏に浮かべ、あたしは湧き上がる衝動を抑える事が出来ない。
  うふ、うふふ、ふふふは、は、は、はははははぁはは、はぁ、は、あは、あはあああ、
あはああぁははははッ!
  りょうくんはあたしのものりょうくんはあたしのものりょうくんはあたしのものりょうくんは
あたしのものりょうくんにふれていいのはあたしだけりょうくんをおかしていいのはあたしだけ
りょうくんを殺していいのはあたしだけあたしだけのりょうくんりょうくんりょうくん!
  駆ける足がスピードを増す。力強く地面を蹴り上げる。
  早く、早く家でこの能力を試したい。何が出来て、何が出来ないか。早く知りたい。
  今はどこにもいないキラは言った。これはあたしの殺意だと。殺意。人を、物を、
全てをぶち殺したいと思う、意志。
  その通りなのだと思う。これはあたしの殺意。想いを、力に変える能力。神から与えられた、
唯一無二のあたしの力。
  最高だ。あたしは我慢できずに、笑い声を少し漏らす。最高だ最高だ最高だ!
  恐れるものなど何も無い!
  あの忌々しい清楚な化けの皮を被った葵 椎名も、昔から殺したくて仕様が無かった高木 志穂も!
  殺せる! あたしは、息をするより簡単に、あの二人を殺せるのだ!
  世界を変えれる……ううん、世界を壊せるのだ。壊して晒して、もう一度作り変えてあげる。
あたしと亮君だけの世界に。
「うふ……えへへへへ」
  いよいよもって口から零れだした湧き上がる殺意を止めようともせず、
あたしは帰路を全速力で駆けて行く。

2007/02/12 To be continued......

 

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