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Boy meets the stalking girl



1

最近俺はストーカーに合ってる気がする。
けして、被害妄想だとか自意識過剰だとかそんなものではない。
帰宅途中に無性に誰かに見られてるような気がしてならないし、
学校に置き忘れてた俺の体操服がいつのまにか消えていたと言うこともあった。
まあ、それもただの勘違いと言うことで済ませても別にいいかもしれない。
だけど、俺は見てしまったのだ。
ふと、後ろから視線を感じ、振り向いたその瞬間、逃げるように物陰に隠れた人影を見たのを。

 

ちなみに、これは誰にも離してはいない。
だって、考えても見てくれ。特別にもてるわけでもない、
彼女いない歴=年齢=童貞の俺が女性にストーカーされている。
周りに言っても鼻で笑われるのが関の山だ。
しかも、俺は一人暮らしなので家族と言う証言してくれる人もいない。
仮に、警察に訴えたとしよう。友人に相談したとしよう。
もし、それが俺の勘違いだとしたら……
俺はきっとここから引っ越すことを余儀なくされるに違いない。
てか、恥ずかしくて外に出られなくなりそうだ。

 

と言うわけで俺は罠をはってみる事にした。
いつものように監視の視線を感じる中、わざと家の鍵を閉め忘れたまま出かけたのだ。
俺の私物を盗むような奴、加えて今も監視してる最中なら必ず不法侵入をやらかすはず……
それを俺は辛抱強く待てばいい。
そう、思って張り込みから約30分程度。まったく、そんな気配は無い。
やはり、俺の勘違いだったのだろうか。あの人影はたまたまで全ては俺の早とちり。
まあ、それはそれで周りを騒ぎ立てる前に決着がつけられて良か……

どうやら、俺の不安は杞憂ではなかったみたい。
ここからでは遠くて顔は見えないが、俺の部屋の前でこそこそ明らかに怪しい動きのまま
入っていくものを一名確認。
どうみても、これは動かぬ証拠、俺が警官なら住居不法侵入で現行犯逮捕決定!!
後で、俺のストーカーという余罪もたっぷりと吐かせてやることにしよう。

 

ってわけで俺は自分のアパートへと勢いよくドアを開けて踏み込んだ。

 

 

 

「やい、ストーカー。俺の周りをうろちょろしやがって!! 警察にひっ捕らえて……」

そっから、先は言葉が浮かばない。
何故かって!? あれだ、てっきりその女はあまりもてなくて、
男に見向きもされない不細工だと思ってたわけだ。
なのにその、ストーカーっ娘が驚異的なくらいの綺麗さと可愛さを誇っていたからだ。
俺は不覚にもそれに見惚れてしまっていたのである。
スタイルはグラマーと言うわけではない。だが、肌は白くて顔立ちも整っており、
活動的とはいわないが、控えめで大人しそうな発光の美少女みたいに見えてしまった。
てか、俺は彼女のことはまったく覚えてない。いったい誰だ!?
これだけの美人さんなら覚えてるはずなんだろうけど……だめだ、思いだせん。

 

 

「あ……あ……」

俺が彼女に見惚れている数秒間、彼女は顔を真っ青にしたまま俺を凝視している。
まあ、犯行の現行犯を捕まえられれば無理もあるまい。
おそらく、万引きがバレた主婦は今の彼女のような心境になるのだろう。
そこまでなら充分想定の範囲内だろう。だが、次の瞬間。
俺の予想のはるか斜め上を行く行動を彼女はやってしまったのだ。

 

なんと、彼女は台所の奥にある家の包丁を持つなり……

 

 

「ごめんなさいッ!!」

 

 

などとのたまいながら俺にヤクザの子分もびっくりなドスをかましてきやがった。

 

 

「ぬおおおおおおおおおおおッ!!」

予想外の行動に俺はもう叫びを上げずにはいられない。
全力の彼女の一突きを避ける。と同時に彼女から距離を取る。
それが不幸にも唯一の逃げ道である玄関のドアと俺との間に彼女を挟む羽目になり、
俺の退路は断たれてしまったわけである。

「なななななな、なにしやがる!! 俺を殺すきかッ!?」
「あなたにこんな所を見られて……き、嫌われて……わ、私もう生きていけません!!
  あなたを殺して私も死にますッ!!」

彼女は半ば半べそになりながら震えた手で包丁を構えている。
マジだ、本気と書いてマジ。彼女はガチで俺を殺る気だ。
いくらなんでも、あんまりだ。少なくともなんで彼女がこんなことをしてるのか、
とか俺との接点とか、彼女の名前とかを知らないと死んでも死にきれんッ!!
見知らぬ、美女に出会い頭に刺されて心中って……笑い話にもならねえって!!
とりあえず、彼女を止めないと。けど、どうやって!?
俺は狂気と凶器を持った人間に対処する術など欠片ほども持ち合わせていない。
うお、まだ考えがまとまっとらんのに、彼女向かってきてるし。
うわ、包丁が包丁が〜〜〜〜〜〜!!!!

 

 

反射的に俺は身近にあるもので彼女の凶刃を受け止める。
それは俺がいつも愛用している安物の枕だった。俺の夜の相棒は無残にも儚く散っていく。
俺は枕がないと眠れないのに、お前の死は無駄にはせんぞ!!
綿に阻まれ俺まで届かなかった包丁の柄を掴んでそのまま力任せに彼女の手ごと
強引に引き剥がそうとする。同時に俺の枕がビリビリと破れ綿が当たり一面に四散。
彼女には水増ししてこの枕を弁償させてやる。
え、自分で買えよって? 俺にそんな金銭的余裕はねえッ!!
俺の家計は明日の飯すら困るほどに切羽詰っているんだよ。 
そして、そのままもつれ合い俺たちは床に倒れこんだ。
危なっかしい凶器はなんとか彼女の手から飛び去りなんとか俺の命の危機は去ったみたいだ。

 

 

 

で、ここからなんだが前もって言っておこう。
俺に悪気はない。これは、偶然に起こった事故であり決してそうしようとしてしたわけではない。
まあ、あれだ。もつれた拍子に俺の右手が……うん、その、何だ。
彼女のバストにジャストフィットで吸い込まれるように収まってるもの事故なわけで、
ついでにいうと、左手が彼女のあそこにくっついてるのも事故な訳で……
けっして、下心があってやったわけではないのを理解してもらいたい。
とはいえ、男ってのは基本的には欲望に充実な生き物だ。
俺の頭は混乱しながらもしっかりその握ってるものの感触はその全神経を使って感じ取ろうとする。
女の子の胸ってこの世のものとは思えんくらい柔らかけえな、とか思ってしまうわけだ
そして、俺は何を思ったかほんの一握りだけだがうっかり彼女の胸を揉んでしまったわけだ。

 

「あ……」

 

彼女はそう言うと彼女は羞恥のあまり真っ赤に染め上げて俺をまっすぐに見つめている。
それに俺は、またまた不覚にもさっきまで殺されそうになったことなどすっかり忘れて、
手の中にある未知の感触と彼女のその色っぽい表情も相成って何とも情けないことに……

 

俺のナニが勃ってしまい、しかもそれが彼女の太腿に当たってしまった。
今度は俺が赤面する番だ。互いに恥ずかしさのあまりフリーズしたまま一歩も動けなかった。
そのまま、硬直状態が続くこと数十秒、その均衡は玄関のドアが開けられたことで破られた。

 

 

「おーい、今日もどうせ金欠でろくなもん食べてないでしょ。
  残りもん差し入れにやってきてや…っ…た…ぞ…?」
「「あ……」」

 

均衡を破ってくれたのはありがたいけど、俺の命の危機は引き続き継続中になりそう。

2

今の状況を一言で言い表すならヤバイ、ヤバすぎる。
客観的な状況は俺が可愛い女の子を押し倒しているような光景にしか見えない。
こういうことに免疫のない奴は固まってしまってフリーズしたままだ。
しかし、その硬直が解けた瞬間俺は最低でも半殺しにされることは間違いないだろう。
つまり、今なんとかせねばならんということだ。

「ま、待て真純。これは……そう、誤解だ」

恐怖のあまり声がきょどってしまう。これじゃ、余計怪しい。
とりあえず、嘘偽りのない事実を彼女に教えねば。

「今から俺の言うことは真実だ。決して嘘なんかではなく、ホントのホントだ。
  実は彼女はだな……」

 

「 俺 の ス ト ー カ ー だ 」

 

 

 

 

「これは彼女に刺されそうになったときに偶z……」

俺の言葉は最後まで紡がれることなく彼女の拳に阻まれる。
直撃でもしようものなら即死ものだ。避けれたのは本当に運が良かったとしかいいようがない。

「待て! 嘘みたいなんだけど本当だ。彼女はストーカーなんだ」
「黙れ! こんな娘を自分の家に連れ込んどいていきなりストーカーだ!?
  ふざけんじゃないわよ、この女の敵ッ! この手で引導を渡してくれる!」
「ひぃっ!!??」

 

顔を真っ赤にさせながら真純が俺に迫ってくる。
ああ、俺はこんなつまらないことで死んでしまうのだろうか。
幼馴染みに殴り殺されて死亡……恥ずかしくて死にたくなる。
これじゃ、親父やお袋にも顔向けできやしねえよ。

「大体ねえ、ルックスも勉強もスポーツも平凡でこれといった取り得のないアンタが!
  彼女いない歴=年齢のアンタがなんでこんな子にストーカーされるってのよ!
  ありえないじゃない。そんな嘘は自分の鏡を見てから言いなさいよ!」

真純の一言一言が胸に突き刺さる。くそっ、悪かったな平凡で。
お前だって彼氏いねえくせに。それを覗けばルックス、スポーツ、勉強全ての面で負けてるが。
そうこういう内にいつのまにか真純の攻撃の射程圏外に入っていた。
俺は来るべき衝撃に備えて防御姿勢をとり待ち構えるが一向にその気配はない。
目を半開きにしてみる。そこには、これまた不思議な光景が。
なんと、彼女が床に突っ伏して倒れているではないか。これは、いったい!?

「なにをやってるのかな?」
「私の目の黒いうちは彼に指一本触れさせませんよ。
  まったく、優真さんにこんな野蛮な雌猫がついていたとは、思いもよりませんでした」
「ちょっと、待て」
「こんな薄汚い女。今すぐに切って刻んでつぶして今すぐ海の藻屑にしてあげます。
  あ、少し待ってくださいね。すぐにこの女を塵にしますから」
「だから、待てと」
「ますは、どうしましょうか。体をバラバラにし……」
「待て、と言ってるだろうがーーーー!!!!」

 

これ以上、聞くと不穏な単語の数々が聞こえてきそうなので、
真純をKOさせた厚さ数センチの辞書をこのストーカーっ娘から取り上げてそのネジの外れた頭に
一撃をお見舞いした。
ってか人様の私物を勝手に武器の代わりに使ってるんじゃねぇよ。

「いたた……な、何するんですか」
「やかましい! 勝手に人の幼馴染みを殺す算段つけてるんじゃない!」
「でも、「言い訳しないッ!!」」
「君はそこで正座!」

 

 

 

 

 

問答無用の気迫で彼女を黙らし部屋の隅に正座させておき、
俺はとりあえず伸びてる真純に適当に座布団を枕代わりに彼女の頭に敷いて
起きるまで待つことにした。
その間、暇なんで俺は真純がひもじい俺のために持ってきてくれた奴の家の
残りもんに舌鼓をうつことにした。
いつも、貧相な食事しか取れない俺にとっては嬉しい限りだ。ありがたくいただかせてもらおう。
ちょうど、全部食べ終わろうとしていた頃にようやく真純が目を覚ました。
俺を見るなりまた暴れだしそうな真純をなんとか落ち着かせ今までの事情をこと細かに説明。
隣で正座中のmyストーカーに逐一確認をとりながらやったので、一応納得してくれたみたいだ。

「と、いうわけだ。理解してくれたかな?」
「一応ね。ってか、本当に何をどう勘違いしてアンタに惚れたのかねえ?
  それで、どうするわけ彼女?」
「どうしようかねえ?」

そういわれても困る。本当にどうすればいいんだろう?
まあ、常識的にいえばこのまま、警察にでも連絡したほうがいいんだろうが。
仮にも刺されそうになったわけだし特に問題らしきものはなかろう。
それでも、この極めて常識的な判断も隣でいる彼女を見ていると揺らいでしまう。
俺が怒鳴りつけたせいか震える小動物みたいにビクビク怯えていて
そんな女の子を仮にも犯罪者にしてしまうのはなんだか可愛そうに思う。

「やっぱり、警察に突き出したほうがいいんじゃない?」

真純の言葉に彼女の体がビクリと震える。
不安に満ちたその表情が俺の視線とぶつかった。
そんな顔を見せられたら余計に通報するのが気が引けてくる。

「なんか、怯えてるし通報するのが可愛そうになってきたんだけど」
「可愛そうで済んだら警察はいらないでしょうが」
「何か事情があるかも……」
「事情があればアンタは刺されてもいいわけ?」
「いや、さすがにそれは……でもさ〜」
「『でも』ってなに。なにその子を庇ってんの、自分がされたことわかってないわけ。
  その子が思ったよりも可愛いから? 頭冷やしてよく考えなさいよ!!」

説教されてしまった。当然だ、真純のいうことには非の打ち所がない。
しぶる俺のほうがおかしいのだ。彼女が可愛いってのも、
まあためらう理由の一つにないとは言い切れない。
しかし、それ以上に躊躇してしまう理由というのがあのすがるような目だ。
目を見れば何をいいたいのかわかる、というが言葉以上に彼女の目が
切実な思いとやらを物語っている。
俺に嫌われたら生きていけないとまで彼女は言った。
ならば俺がここで彼女を警察に突き出すということは彼女を奈落の底にでも突き落とすようなものだ。
客観的な事実を伝える理性と心情をそのまま吐露する感情が脳内で一年戦争を起こしそうな勢いだ。

 

 

 

 

「あのさ、なんで俺なんかにこんなことしたわけ?」

これ以上黙っていると間が持たなくなりそうなのでとりあえず適当に話しを振ってみた。
それに、今聞いたことは一番彼女に聞いてみたかったことなので
まったく関係のない話しでもないと思う。
向こうは何も答えない、もといどこか答えづらそうにしている。
なので、また適当に話しを変えてみる。

「ところで君の名前は?」
「藤堂楓花……です」

はて、この名前どっかで聞いたようなないような気がする。
いったいどこで? 思い出しそうで思い出せない。今にものどから出そうな勢いだ。

「どうしたのよ? いきなりしかめっ面なんかしちゃって?」
「いや、どっかでその名前を聞いたような聞かなかったような」
「けど、初めて会ったっていってたじゃない?」
「あの、名前を知ってるくらいならおかしくないと思います。
  私、優真さんと一応同じクラスですから」

なんですと!?

「それ、本当?」
「はい」
「俺、君がクラスにいた記憶がないんですが」
「仕方がないと思います」
「なんでさ、これでもクラスメートくらいの名前と顔くらい一応……」
「通ってないんです」
「はい?」
「実は私、学校には行ってないんです」

ついに聞かされてしまった衝撃の事実にこちらはしばし唖然として彼女を見ていた。
一方、彼女は実に気まずそうにこちらを見ていて全体的に振る舞いにぎこちなさが見える。

 

「もしかして、不登校児?」

そういや、そんな噂が初期の頃クラスに流れたような気がする。
無論、そんなものは刺激的な高校生活を送る我等にとって朝露のごときあっけなさで
すぐに別の噂に埋もれていったが。
もしかしたら、それを俺がどこかで小耳に挟んでいたのかもしれない。

「すいません……」
「いや、俺に謝られても……」

ますます、しょぼくれてしまう楓花さん。
人には触れてはならないものがあるというらしいがそれに触れてしまったのかもしれない。
さすがに、理由まで聞く気にはなれずに俺も真純もただ何もいわず……
いや、言えずに立ちすくんでいた。
既に今の俺には彼女との出会いを聞く余裕など微塵も残ってなどいない。

とりあえず、彼女はいい感じに頭のネジが外れてる気がする。
後、なんだか恐ろしいほど俺に対してどこか尋常ならざる偏屈した思いを
寄せてるということだけは理解できた。

なんとかしてやりたいと少しだけ思った。理由はわからない。
こんなふうに出会ったのも何かの縁と思ったのか。
はたまた、か弱い女の子をなんとかしてやりたいとかいうくだらない男のプライドが働いたのか、
すがるような目つきにアイ○ルのCMおじさんのような変な保護欲が働いたのかわからない。
だから、後で真純に自分の言ったことを咎められても何も言えなかった。
俺は彼女の目の前に座り込み指を三本立てながら、彼女の目の前で突き出す。

「今から俺の言うことを三つ守ってくれるのなら君のしたことを水に流そう」
「ふぇ?」

一つ ストーカーまがいの行動をしない
二つ これから、学校に行くよう努力する
三つ この、本条優真またそれに近しい人に危害を加えない

「これら三つの条項を守れるようなら普通の友人くらいの付き合いをしよう」

この譲歩案、すんなりと受け入れられるとは思ったが意外と向こうは難色を示している。
歯切れが悪そうに、聞こえるか聞こえないかの、か細い声で何か言ってるようだが
聞き取ることは出来なかった。

「何か不満でも?」
「えっと、学校に……行くんですよね」
「ええ、それはもちろん」

はっきりと、こちらが意思表示するとますます相手は難色を示してくる。
このままではラチがあかないと思ったので少し卑怯な手段を使わせて納得してもらった。
まあ、簡単なことだ。「断るなら警察につきだしてやる」といっただけだ。
半ば脅しのような形でこんな要求を了承させたわけだが楓花と真純を帰らせて
冷静に考えて思ったことがある。
何故、俺はここまでしてしまったんだろうか?

3

「まったく、なんでアンタはいつもこう……」

昨日の衝撃的事件から一夜、あれほどの騒ぎが嘘のように俺はいつもの生活を取り戻している。
いつもは、一緒ではないんだけど今日は何故か登校するとき真純が家のアパート前で待ち構えていた。
何事かと思いながらも学校へと歩き出したが開口一番に昨日の俺の楓花さんへの対応の助言
もとい説教が始まった。
このまま、学校までこの話題でネチネチといたぶられるのも折角の清清しい朝の空気が
台無しなってしまいそうだ。

「別にいいじゃないかよ。誰かに迷惑かけるわけじゃないんだし、
  なんでそこまで言われなきゃならないんだよ」
「私はあんたの心配をしてやって言ってるのよ」

それは、わかってるつーの。だから、こうして大人しく説教を受けてるんじゃないか。

「アンタっていっつもそう!」

半ばあきれ果てたように息をつきながら真純が言う。

「お人よしっていうか……困ってる人をほっとけないっていうか。
その悪い癖いい加減に治しなさいよね!!」」

さすがに、この一言にはムッときた。失礼な、誰かを気遣って助けることのどこが悪い。
この性格は、子供の頃に父さんと母さんに褒められてからずっと自慢に思ってることなんだっての。

「なんだよ、人助けすることのどこが悪いってんだよ! 別に悪いことしてねーだよ!」
「別に悪いとは言ってないじゃない。けど、アンタって単純でどこかぬけてるから心配なのよ」

真純はそれを見てますます、深いため息を吐いた。
それは、正に無鉄砲な幼児を心配する気苦労の絶えない母親のようだ。
17歳という若さながらその背中にはどこか哀愁を感じてしまうのは俺の気のせいか。
てか、そこまで言われるほど俺のオツムは単細胞なのだろうか?

 

 

「道を聞かれて案内しようとしてて、一緒に迷ったのはどこの誰?」
「ぐっ」
「カツアゲされてる子を助けようとして一緒にお金を脅し盗られたことのは?」
「ふぬっ」
「包丁で刺殺されそうになりながらも、被害届けも出さず無罪放免で見逃したのはどこのどいつ?」
「弁解の余地もありません。真純さま……」

真純のいうことは全て事実であり、俺は反論することすら許されなかった。
目の前の過去の事実に見事なまでに撃沈された俺はうなだれたまま言葉を発せずにいると、
真純は今までのきつい表情を少し緩めると小さな声でクスリと笑った。
俺は笑われたのが癪だったのか心の内はともかく体のほうだけは、
ガクリとした格好をいつもの姿勢に戻した。

「真面目な話し別に他人に親切にするのは悪いとは思わないけどさ。
  それも、時と場合と相手を見てからやったほうがいいわよ。
  マジな話、あの時死ななかったからいいものの……
  下手すれば大事件よ。向こうだって、またああいうことしないって言い切れるわけじゃないんだし」
「わかってるって、そのくらい」

真純の気遣いに俺は笑って答えた。それを見て、真純はまたため息をついた。
それに、俺は空笑いをしながら苦笑する。今回の真純はいつもよりも俺のことを心配している。
まあ、昨日のことがことだけにそう思うのも無理ないかもしれない。

真純はよくこうして俺に世話をやいてくれている。
彼女曰く、見てて非常に危なっかしいとか……まあ、さっきまでのやり取りからも丸わかりだが。
まあ、俺も一応ながら自分が他の人よりも要領が悪いことは少しは自覚してるつもりだ。
そのためか、結構問題ごととか悩み事とかがあったら真純に相談することがある。
真純は面倒見もよくて中学時代、空手部の主将という責任ある役職を務めていたせいか、
元々の性格とも併せて俺では思いつかないような的確な助言をしてくれたりする。
まったくもって、ありがたくもあり頼もしい奴だ。いつか礼がしたいもんだね。

 

 

「何よ、人の顔じー、っと見て」

真純の怪訝そうな声に、「何でもない」と答え俺たちは学校へと向かった。
で、学校の通学途中に校門付近をうろうろするThe・不審者を補足する。
着ている服がわが校の制服だということと、昨日出会ったばかりの女の子でなければ
俺も華麗にその人物をスルーしていたことだろう。
だが、生憎俺たちは一応知り合いであり、彼女が昨日俺と約束した学校に通うという条項を
遵守している以上、こちらも普通の友達並みのお付き合いをしなければならないわけだ。

「おはよう」
「……ッ!!」

その怪しい子、藤堂楓花は声を掛けられるなりビックリしたのが、
驚きおののいて光の速さで俺から3mほど後ろに飛びのいて距離を取られた。
彼女もビックリだが俺はそれ以上にビックリした。だって、あれじゃないか!?
朝の挨拶をしただけでここまでびびるもんか普通。

「ちょっと、俺だよ俺」
「ゆ、ゆ、ゆ、優真さん……」
「早くしないと、遅刻するよ」
「はい……」

返事をするも何故かその声には元気がない。
俺と真純は先に教室へと行こうとするが彼女は校門周りを行ったりきたりするばかり。
一向に学校の敷地内へと入ろうとしてない、というより入りたくても入れないように見える。

「なあ、真純」
「何よ?」
「あれ、どうみてもおかしくねえか?」
「まあ、常識的に考えるとそうよね」
「なんか、学校に入ろうとしてるんだけどそれを躊躇してるように俺には見えるんだが」
「まあ、そう見えなくもないわね。一応、言っとくけどアンタ余計なお節介はやめときなさいよ。
下手に情けをかけて余計懐かれちゃったりしたら困るのはアンタなんだからね」
「まるで、捨て猫みたいな言い草だな」
「似たようなもんでしょ」

まるで切り捨てるようなキツイことを言う真純。なんだか、いつもの真純らしくない。
こいつは、相手に厳しく接したりすることはあっても突き放して見捨てるようなことを
する奴ではないんだが。
突き放すだけならまだ厳しく接するという理解できる範疇にあるが
この見捨てるような冷たい態度はまったくもって真純らしくない。
いや、これは案外俺のことを心配してくれて言ってるのかもそれが結果として
藤堂を乏しめてるのかもしれない。おそらく、俺の考えすぎであろう。
とはいえ、真純の言うとおりにこのまま見捨てるいうわけにもいくまい。
仮にも友達くらいの付き合いはしてやる、といった身だし。
何よりこのままでは俺が昨日夜通しで考えた計画が台無しになってしまう。
というわけで俺は楓花さんの元へと向かうことしたわけだ。

 

「おーい、学校に入らないの〜?」
「あ、あの……学校に入るのはちょっと……」
「ちょっと?」
「ぇっと、怖い……んです」

怖い、このことから俺的に彼女の心情を考察してみる。
まあ、詳しくは知らないけどまあなんらかのコンプレックスがあるのは間違いなかろう。
もしかしたら、いじめにでも合ってたのかもしれない。
それが、何か? を聞くのは遅刻迫るこの時間帯では困難極まる。
なので、今の最優先事項は彼女をいかに無理やりでなく教室に行かせるということにつきる。

「あー、なんとゆーか……うん、多分大丈夫だと思うぞ」

何が大丈夫なのかはここでは聞かないお約束だ。
そもそも、俺に交渉人のスキルはない。
こんな、短時間で一人の女性の不安を取り払うだけの言語力などないのだ。
むしろ、ヘタレなりにも説得しようとする俺を褒めてもらいたいくらいだ。

「まあ、いざとなれば俺もフォローしてあげるしさ……」
「それ……本当ですか?」

おお、ようやくまともなリアクションが! ここで一気に畳み掛けるんだ俺!

「うんうん、幸いにも同じクラスだし。俺の友達とかも力になってくれるぜ、いやマジで。
ってわけで早く教室に行こうぜ。このままじゃ、遅刻しちまう」

そう言って、せかすように歩くと彼女もすごくゆっくりであるがついてきてくれた。
さすが、すごいぞ自分。見たかこの素晴らしき説得術、誰か俺を賞賛し褒め称えてくれたまえ!
などと思ってたら俺のシャツの腕の裾をいつのまにか楓花さんが摘むように掴んでいる。

「あの、少しだけ……教室まででいいですから。
このままでいていいですか?」

真純の下手に甘やかすな、という言葉がふとよぎったが、
彼女のあのすがる視線に断ることが出来ませんでした。
やっぱり、僕はヘタレなんでしょうか、真純さま。
そう思いながら真純のほうを見たんだが、いつの間にか真純はいなくなっていた。

4

何、この空気……気まずすぎるんですけど。
ええ、わかっておりますよ。諸悪の根源は私の後ろにおっしゃる女史にあるということだと。
お願いします楓花さん、このままではクラスの皆の視線に射殺されてしまいます。
制服の裾を離してください、てかクラス中の視線が恥ずかしいのはわかるけど俺を盾にしないで。
このままじゃ、級友に朝の挨拶すら出来ませんよ。
ええい、お前ら見せもんじゃねえんだよ、とっとと失せやがれ。
幸いにも、朝のHRギリギリに着いたので視線の集中砲火は長時間続かずに済んだ。
だが、今度は教室に入ってきた教師と目が合ったとたんが俺たち二人を見つめる見つめる。
あたかも、蛇に睨まれた蛙のごとく俺たちは瞬き一つすることすら出来ませんでしたよ。

「藤堂君……ちょっと。委員長、この出席とプリントの配布をお願いできないか?」

そういって、クラスの担任である林先生は教壇の上に出席簿とプリント類を置くと、
俺の後ろの彼女を手招きした後に朝のHRを委員長に任せて教室を出て行った。
さすがに今回は俺がついて行けるはずもなく、自分の席に座って学生カバンから教科書一式を取り出し
机の中にしまいこむ。

林先生は比較的生徒に嫌われやすい高校教師の中では珍しく好かれているいい先生だ。
別にユーモアがあるわけではないが、物腰が柔らかくて俺たち生徒の話も紳士に受け止めてくれて
決して馬鹿にしたりしない。
白髪交じりに老人がかけるような丸眼鏡がその穏やかな雰囲気に更に拍車をかけている。
といっても気が弱いわけでもなく理不尽なことをする人には鬼のように怒る人らしい。
生憎、我がクラスは優秀とはいかないが、そこまでの悪人はいないので
そこまでの事態にはなったことがない。
あの人なら彼女を悪いようにはすまい。そう思い、俺も安心してクラスに溶け込もうと……

 

 

「おい、優真」

したのだが思わぬ邪魔が入る。俺の真後ろの席の親友と書いて悪友と読む橘明人だ。

「んだよ、明人」

委員長が出席の点呼を呼ぶ中、ヒソヒソ声で話しかけてくる。
周りにもそんなやからがチラチラ伺える。

「あの娘、いったい誰だよ? 転校生」
「なわけあるか。ただの友達でクラスメートだよ」

昨日まで知らなかったけどと、小声で聞こえないように付け加えておく。

「嘘付けよ。俺あんな可愛い娘見たことねーぞ。それがなんで家のクラスに、
  しかもお前なんかと一緒にくんだよ。
  ことと次第によっちゃ、俺の友情パンチをぶち込むから疾しいことがあったら
  今のうちに歯ぁくいしばっとけ」
「例えば、どんな?」
「そうだな、無垢な少女を監禁調教してお前無しでは生きられないように「死ね、ボケッ!」」

歯ぁ食いしばるのはお前だこのアホが。
何を血迷ったか学校という公共の場でのたまってやがんだ。
会話が小声だったことと、苦しむお前を見ても理由を問わんクラスメートに感謝しやがれ。
そうこうしてる間に朝の集会は終わり俺たちは授業の準備に入る。
一時限目は教室の移動をするので俺たちは理化の実験室まで行かなければならない。
もがき苦しむ、明人をほっといて俺は隣の席にいるもう一人の親友と書いて変人と読む
赤井静馬と教室を出た。

 

 

 

 

 

「なあ、静馬」
「何だ?」
「ちと、お前に聞きたいことがあるんだが」
「珍しいな、お前が頼みごとするなんて」

教科書を抱えて廊下を歩きながら俺と
静馬はそういうとメガネのフレームを握ってマンガのようにクイッっと持ち上げる。
一々やることが芝居くさいと思うのだが、人間慣れというものは恐ろしいもので
今では全然気にならなくなるものだ。

「藤堂楓花についての情報を教えてもらいたいんだが……」
「ほう……」

なんだか、やけに珍しそうな目で俺を見る静馬。
俺が女のことを聞くのがそれほどに珍しいみたいだ。
関係ないが、この質問をした瞬間、奴のメガネのレンズは怪しい輝きを放った気がするのは
気のせいではないだろう。

「どんな、情報を聞きたいんだ」
「彼女の生い立ち、全般的に」
「まあ、いいだろう。お前のことだ、悪いことに使うわけでもあるまい。
彼女の名は藤堂楓花、誕生日は2月1日の水瓶座、趣味は観葉植物を育てることで
最近はサボテンにはまっているらしい。
家庭環境は典型的な恐妻家で妻のほうが権限が強い。
そのせいか、一人娘である彼女へのへの躾はやたら厳しくて、
そのせいで、彼女は高校受験の失敗をきっかけに体調を崩し滑り止めに入ったこの学校では
休学届けを出してる。
そして、そのまま一年ほど留年して現在にいたる……とまあ、簡単に言うとこんな感じだな。
さて、そろそろ教室に着くぞ」

まるで、世間話しをするがごとく何気にとんでもないくらい彼女について話しを進める静馬。
さすが、我が高一の情報屋と異名を持つ(とはいえ俺しか言ってないが)変人もとい変態……
末恐ろしい野郎だ。
こいつ曰く、学年主任のヅラ疑惑から校長の浮気相手まで奴がこの校内で知らないことはないらしい。
まったく、どこで仕入れてくるんだが……下手すりゃ犯罪ものなんだが
幸いこの秘密を知るのは俺と明人だけ。
奴自身も仕入れた情報や噂を悪用するわけでもないので、俺たちも特に干渉することはない。
本人曰く、趣味で嗜む程度のことだと……まあ、色々突っ込みたいが慣れってやっぱ怖いね。
今では全然気になんないわ。
しかし、中々に複雑な家庭環境だな。彼女がストーカー気質何もそれに関係してるのかも。
そんなこんなで授業を受けている俺。ちなみに、上の空だったばかりに教師の質問を華麗にスルーし
皆の笑いの的になったのはここだけの話だ。

 

 

 


・・

・・・

 

 

「もう、あいつったら信じらんないッ!」
「まあまあ、真純。ちょっと、落ち着きなさいよ。ほら、周り周り皆見てるよ」

真純は思わず声を上げていたのが、彼女の声に驚いた他のクラスの人の視線が二人に集中する。
さすがの、真純もその視線に気づいたのか顔を赤くしてクラスの視線から目をそらした。
とはいえ、彼女の怒りはやはり収まってなく、溜まった感情の矛先は先程まで聞き役に徹していた
真純の隣に立ち少女晴美に向けられた。

「だってさ、ストーカー庇うって常識的に考えられないでしょ。
警察沙汰だよ普通。犯罪だよ。男だったら社会の失格者としてあらゆる制裁を受けんのよ。
それを庇うなんて脳のネジが一本どころが全て外れるとしか思えないでしょ。
ねえ、アンタもそう思うよねえ」

晴美はそれを聞いて今日何度目になるかわからないため息をついた。
今日の朝からずっとこれである同じ話しを一日中延々と聞かされる苦しみは、
想像すればまあ一般的な常識を持つ人ならそれなりに理解してくれるだろう。

「そうは言ってもねえ……所詮は当人同士の問題だし。
部外者が口を出してもしょうがないんじゃない」
「そんなこと言って、取り返しのつかないことになったらどうすんのよ!?
あいつ、どこか抜けてるしその上お節介だしお人よしだし基本的にバカだし上手く丸め込まれて
厄介なことにならなきゃいいんだけど」

傍から見ればどうみてもその優真という男にベタ惚れに見えるが
幸か不幸か真純はそれに気づいてない。
おそらく、これも無意識の内に出ていることだろう。
さっきみたいに大声で叫んでないから周りに聞こえてないのが唯一の救いというべきか。

「そんなに好きならいっそ付き合っちゃえばいいのに……」
「好きとかそんなんじゃないの! ただ、放っておけないだけ!」

すごく、小声で言ったはずなのに何故か真純はそれが聞こえていたらしい。
地獄耳なのか、それとも口の動きを読む読唇術だったのか。
まあ、どっちでもいっかと思い、晴美は真純を見た。
ムキになって否定するところがむしろ肯定してること言うことに
彼女はいい加減に気づくべきだと思うんだが。

 

 

「ふーん、じゃあ私その子狙っちゃおうかな」
「え?」
「聞くかぎりじゃ結構いい子そうだし。それに、最近彼氏と別れてご無沙汰だし」
「ちょっと、待ちなさいよ。なんでそうなるの!? 」
「なんでって、別にちょっと興味を持っちゃだけよ。別にいいでしょ。
真純の彼氏ってわけじゃないんだし」
「う……」

真純の何ともいえない表情に思わず笑いがこみ上げそうになるが、
晴美はそれをすんでの所で押し殺す。
おもしろい、おもちゃでも見つけたかのように晴美は真純を見ている。
もっともそれは心の中で思ってるだけで顔には出してないが。
さも、本気で気がありそうな風に演技を見せて真純の不安を煽る。

「ねえ、今度紹介してよ」
「ダメ……」
「それじゃ、三人で今度一緒に遊ぶってのは?」
「ダメ……」
「それじゃ、一目見るだけってのは?」
「それもダメ……」
「なんで、真純にそこまで言われなきゃならないのよ」

ここで、少し機嫌を損ねたように口を尖らせる。
すると、真純はさっきまでの勢いはどこへやら、まるでしおれら花みたいになってしまった。

「だって……」

そこから更に涙目にまでなる。不味い今にも泣きそうだ。さすがに、からかいすぎたか。

 

 

「冗談よ冗談」
「へ?」
「ちょっと、からかってみただけ。別にそんな興味ないから心配しなさんな」

おどけた口調でヘラヘラ言う晴美に真純もようやくからかわれてたことに気づいたのか、
顔を真っ赤に染めて拳を握り締めている。当に怒り心頭といった具合だ。

「晴美……アンタね」
「ほら、早くお昼食べようよ。昼休みなくなっちゃうよ」

目の前で漫画みたいに拳骨を握り締める真純。
その危険をいち早く察した晴美は慌てて場をなんとかごまかそうとするも真純の怒りは収まらない。
それを見て、あはは、と空笑いを立て冷や汗を流す晴美。
晴美は殴られるかと思ってたが、何故かそうはならなかった。
真純が殴る前に彼女の肩がトントンと叩かれ彼女は反射的にその方向を向いた。
そして、顎が外れたみたい口をポカンと開けたままでいる。傍から見ればすごく滑稽だ。

「アンタ、なんでここにいんのよ?」
「いや、真純。実はお前に頼みごとがあってきた」
「何よ?」
「俺たちと一緒に昼飯食わない?」
「な、なんでアンタと一緒にお昼食べないといけないわけよ」

突然のことに声が裏返っている、なるほどアレが真純がお熱の彼か。
なんて、思ってると今度は私と目が合った。

「あ、出来ればお友達さんも一緒に来てくれると助かるんですが……」
「私? まあ、別に構わないけど……」
「ちょっと、別にアタシ行くなんて行ってないじゃない」
「嫌なのか? 別に無理ならそれはそれでいいけど……」
「別に嫌って言ってないでしょ」
「そうか、助かる。ありがとな」

途端に、困ったような顔をする真純の意中の男。
それを見て真純は迷惑だと思われるのが嫌なのか慌ててフォローの言葉を入れた。
で、私たちは真純と一緒にその彼につれられるまま教室を後にすることになった。

2007/03/08 To be continued.....

 

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