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Pet☆Hot☆High-School!!



1

「ユースケ!!あさだよっ!!」
ようやく空が白み始めたころ、俺の布団を引っぺがしたのは幼馴染のポチだった。
コイツにとって朝とは午前四時のことを言うのだろうか?
俺の認識で四時はまだ、『夜中』だ。
それなのにいきなり六速に入ってしまったギアのような唐突さでいつも彼女はやってくる。
「ユースケ!!あさあさあさあさあさあさ朝だよ〜っ!!」
轟々とうなりを上げる改造車のような剣幕で、俺の耳元に叫ぶ。何度もいうな、解ってる。
「わーってるよ・・・・だからもう少し静かにしてくれ・・・朝からキャンキャンキャンキャン五月蝿いぞ」
「むぅ〜〜いつもユースケが起きないのがいけないんだから!!
ボクの散歩は何時もの日課でしょ??寝不足だからって怠けちゃダメだぞ!!」
文字通り、“尻尾”をぶんぶんと振りながら、黒目がちで大きな瞳を
キラキラと輝かせてポチが吠えた。
そう、俺の幼馴染、“ポチ”こと黒田千穂には四足獣特有の“尻尾”が生えているのだ。
俺が暮らす社会には、何種類かの“人間”が存在する。
たとえば俺のように猿をルーツとする、“ヒト”や、ポチのように狼をルーツとする“犬人”。
ほかにも数え切れないほどの哺乳類をルーツとした人間が存在し、お互い仲良く暮らしているのだ。
彼彼女等はルーツの違いこそあれ、長年にわたって積み上げてきた
ヒューマン・シビルイゼーションを共有している。
元はまったく違う生き物なのに、差別や偏見は存在せずに仲良く手を取り合っているこの社会。
習慣や動物であったことの本能的な面ではヒトが一番社会に適合しやすい“人間”であるが、
誰もそれを気にしたり攻撃しようとはしない。
ただ個性として受け入れられるこの世界が俺は大好きだった。
だから俺とポチのような間柄が世界中にあふれていても不思議ではない、
視界をちらつくポチの尻尾をみながら思う。
ふさふさとした黒毛で先端だけ白く染まったそれは、色を逆転させた毛筆を思わせた。
そして同じく獣には必需の、髪の毛に溶け込んでいる黒い三角形の耳はすこし垂れていた。
いかん、コレは拗ねている証だ。
「最近ユースケはちょっとボクに冷たくないかぃ?・・・クラス替えで別になったからって
他の女の子に手を出したらダメなんだからね!! 」
「はいはいはい・・・」
本当にポチはわかりやすいことこの上ない。尻尾をぶんぶんと振ってみれば喜んだり
嬉しがったりしている証。
耳を頭に張り付かせたり、尻尾を股に挟んで小さくなっていれば恐がっている。
そして耳をぴんと張ってかすかに喉を鳴らしている今、可愛い尻尾ちゃんは怒っていることを
必死にアピールしているのだ。

 

「お〜それは悪かったな〜ポチポチ、よ〜しよし」
俺は半ば習慣化したその行為を恥ずかしげもなく行う。
肩口で切りそろえられた艶々の髪をゆっくりと梳きながら、
耳の裏から顎の辺りまでを軽く擽ってやる。
まるで小動物をあしらうような行為なのだが当のポチは偉く気に入っているようで、
大きな瞳を細めて俺の腕を甘噛みしている。
「んん〜ず、ずるいよ、ユースケ!!はぐらかさないでよ〜」
それでも気持ちいいのか、はぐはぐと犬歯を俺の腕にこすり付けている。
「はいはい〜ポチちゃん〜」
今度は耳の中に指を入れて擽りながら、程よく肉がついたお腹をさすってやる。
「あぁあ・・・・ゆ、ゆーすけぇ・・・・」
くぅ〜んと鼻を鳴らしながら、小さな体を寄せてくる。小柄なくせに出るところは出て、
引っ込むところは引っ込んでいるために女の子特有の体の柔らかさで朝から俺は
コンディションレッド発令中だ。
「はい、今日はここまで。さっさと散歩行くぞ〜」
ポチの声が湿りを帯び、陶器のような白い頬が危険に熱を持ち始めたころにぴたりと手を止める。
「あん・・・。やっぱりユースケはずるいよ〜」
ポチは少し寂しそうな声を上げるが気にしないでおく。
「ホレ、さっさとコレつけな」
ポチの前に赤い革製の首輪を放り出す。ところどころ丁寧な装飾が施された凝ったものである。
コレは誕生日にポチ本人にせがまれて買ってやったものだ。
もっと他にアクセサリーはいっぱいあるのだが、これが一番俺を近くに感じられてイイらしい。
そしてポチと散歩するときは何故かコレをつけるのが習慣となっていた。
「ユースケがつけてくれなきゃヤダ!!」
「じゃあいいよ。先に行ってるからな」
踵を返してそのまま歩き去ろうとする。
「待って、待って、置いてかないで、お願い!!」
ポチは急いで首輪をつけると、物凄いスピードで俺の横に並んだ。
ホントにポチは寂しがり屋だ。少しでも目を離せば拗ねるし、冷たいそぶりを見せれば
今みたいに必死に尻尾を振って甘えてくる。
その溌剌さと、人懐っこさが彼女の魅力でもあるのだが・・・
俺は優しく頭をなでてやりながら、ポチと一緒に歩き出した。

 

 

ポチの散歩が終って一緒に朝食をとり、並んで学校に向かう。
彼女と血縁関係はないがお互いの両親が海外に出張しているため、
自然と朝夕と一緒に食べるのが習慣化していた。
ポチは学校指定のセーラー服に着替え、黒いストッキングをきゅっと締まった
しなやかな足に通している。
特別グラマラスとかいうわけではないが、すっきりとした体は健康的な色気を放っていた。
コレに加えて持ち前の愛想で、ポチはみんなの人気者である。
始業時間が近くなると、通学路には生徒の数も増えてくる。
ポチは顔見知りの生徒全員に挨拶しながらも、元気よく俺の腕にしがみついている。
付き合っているわけではないのだから、コレはさすがに勘弁してもらいたい。
「ポチ・・・・?人前でコレは・・・・」
「むぅ〜〜〜ユースケはボクと腕組みするのがイヤなの?もしかしてボクのこと嫌いになったの?」
「いや・・・・嫌いではないんだが・・・・公衆の面前だとイロイロ誤解を招くだろ?いらん噂が立つと
健全な高校生活に支障が・・・」
「ヤダ!!!!!!!ユースケはボクのなの!!!!!だから腕を組んでもいいの!!!!
それにボクもユースケのものなんだから。だから首輪を贈ってくれたんでしょ?ねぇ、違うの?」
「いや・・・・その・・・・なぁ・・・・」
「それにちゃんとこうやって見張ってないとあの女が来てユースケのこと誑かそうとするでしょ。
あの薄汚い泥棒猫が・・・・」
ポチは犬歯を剥き出しにして、鼻面に皺を寄せた。
単なる威嚇とは比べ物にならないほど喉を鳴らし、やや前かがみになる。
感情の振り子である尻尾は大きく立ち上がり、正に怒髪天を突いていた。

突然、雰囲気にそぐわない流麗な鈴の音が響き渡った。
ポチは反射的に振り返り、更に剣幕を強める。
近寄ってきたのは一つの影だった。
「あ〜ら黒田さん。朝からぐるぐると喉を鳴らして・・・・下品ですわねぇ〜
それではいくら優しいユースケさんもドン引いてしまいますわよ」
ポチが暫くそうしていると背後から鈴の鳴る音と一緒に、一人の長身美女が姿を現した。
うなじを強調するようにそろえられたショートボブにやや吊りあがったアーモンド形の瞳。
灰色の髪とあふれ出す自信を封じ込めたような翡翠色の瞳は、吸い込まれそうなほど澄んでいる。
彼女は小川玉緒さん。公立校には珍しい所謂お嬢様だ。
そして猫をルーツとした“猫人”の一人でもある。しなやかな肢体は猫人特有のものであろう。
猫人は大変気まぐれで滅多なことがない限り心を開かないと言うが、
俺には結構なついてきてくれている。
男でもでかい部類に入る俺と並んでも違和感のない長身に、
タイトなセーラー服を押し上げているたわわな胸。
豊かな胸を更に引き立てるように引き締まったウエストライン。
背中から臀部にかけての完璧な曲線は女性の羨望と、
男の欲望を掻き立てて止まない。
更に俺的フィニッシュブローは黒いニーハイソックスに包まれた脚線美。
生足も良いが薄布一枚の神秘で色気倍増だ。
シャープな肉付きだが細すぎず太すぎない腿と、良質の筋肉に包まれたふくらはぎと
膝裏にかけての括れは、何度見てもドキドキする。
膝上二十五センチの超ミニスカートとニーハイの作る絶対領域は正に不可侵。
初号機のATフィールドやロンギヌスの投擲をも通さない神秘の扉。
すらりとした長身と相まってシンクロ率400パーセント超だ。
そして彼女の片手で通りそうなほど細い首筋には革製の首輪。中央に嫌味にならない黄金の鈴が
鎮座している。
ポチと同様、彼女のトレードマークの一つだ。

 

「で、出たな〜泥棒猫〜!!!今日こそ地獄に落としてやる〜」
ポチはますます大きく喉を鳴らして、四つんばいになる。
桜色の唇から覗く犬歯は、もはや歯というよりは牙に近いほど鋭い。
鼻筋に寄った皺と吊りあがった眉。
地面すれすれまで体を落として臨戦態勢一歩手前といったところだ。
「あ〜ら泥棒猫とは言ってくれますわね。拾い喰いでもしたんですの?
何時もにまして頭の中がステキなようで。コレだから牝犬は大変ですわ〜」
玉緒さんは長い足を見せ付けるようにモデルポーズを取ると、頬に手の甲を当てて
典型的お嬢様笑いをする。
もともと注目を集める二人なのだが、興味の目線の数はうなぎのぼりで上昇中だ。
い、いかん・・・早くとめなくては収拾がつかなくなる・・・それにあの人までやってきたら・・・・
あぁ・・・・頭が痛い・・・
「ユースケさん。どうしたんですの?額に手をおやりになって・・・・ご気分が優れないのかしら・・・
まぁ朝からワンワン五月蝿い万年発情期の牝犬のお世話は堪えますわよねぇ〜」
玉緒さんはちらりとポチを流し見て、薄ら笑いを浮かべた。
「かぁ〜〜〜〜〜っ!!!!!本当に腹が立つなぁこの泥棒猫わぁ!!!!!!
絶対に食い殺してやるから覚悟しろよ!!!」
今にもとびかからん勢いで、ポチが吠える。
「本当にお下品ですわね〜野良犬はバケツでも漁ってればいいものを。
わたくしのユースケさんに朝から尻尾をぶんぶんと振って媚びまくって・・・・
恥ずかしくないんですの?貴犬は!!!」
「うるさいうるさいうるさい!!!ぜぇ〜たい、今日こそ地獄見せてやるんだから!!」
「やって御覧なさい〜尻尾振ることしか能のないすっからかんの貴犬にできたら、ですけどね〜」
玉緒さんも指を丸め、長い爪を剥き出しで臨戦態勢だ。
ふしゃーっ、といわんばかりに目を細め、形のいいお尻から生えた長い尻尾を
ゆらゆらと揺らしている。
「ふ、二人とも・・・・朝から勘弁してくれよ!!!学校間に合わなくなるよ!!」
「問題ありませんわ!!!」「関係ないよぉ!!!」
二人で同時に叫ぶ。
いったいいつになったらこの二人は打ち解けるのだろうか・・・
かれこれ高校に入って一年になるが毎朝コレでは俺の胃腸が持たない。
それに俺はもう一つの爆弾の投下を懸念していた。
朝から人生に絶望した浪人生のような気分でうなだれていると、
後ろからワイシャツの袖を引っ張られて後ろのめりになる。
「ユウスケ・・・」
悪い予感ってのは当たるものなんですね、ゴッド。
振り返ると玉緒さんほどではないが、すっきりとした体つきの長身の女性が立っていた。
そろえられた前髪と腰まで伸びたストレートヘアが朝日にまぶしい。
繊細な面と滲み出す理知のオーラを掻き立てるような細い眼鏡。
生徒会のセンパイで、混沌としたこの二人を更にかき乱す闇の勢力・・・・
ルアーにアクションを与えるアングラーのように袖をクイクイと引っ張るのは、
俺が最も登場を恐れていたお方、今(こん)先輩その人であった。
あぁ・・・神様はこの俺にひと時たりとも安らぎを与えては下さらないのか・・・

 

「「あっ、あなたは女狐センパイ!!」」

そう、今先輩は狐をルーツとする・・・・ってもうお分かりだろう?

「む・・・女狐とは聞き捨てならないが、今日は勘弁してやろう。
私はユウスケと一緒に登校して煩わしい子犬や色狂いの化け猫が近づけないほどの
甘い空間を構築しなければいけないのでな」

俺のワイシャツを引っつかむその手で、女狐センパイこと今先輩はすたすたと歩き出した。
頭から生えた長い耳がキュートだ。
「ちょ、ちょっと待ってよぉ〜」
「ま、待ちなさい!!」
普通に歩いているようにしか見えないのに、恐ろしいほどの素早さを誇る今先輩の速歩。
男の俺でも着いていくのがやっとだ。
脚力が強いポチならまだしも、体力面では大きく劣る玉緒さんがついてこられると思えなかった。

「さぁ、ユウスケ。二人でこのままどこか遠くまで逃げないか?」

真顔で意味不明なことを言う先輩に呆れながら、俺は朝から降りかかる災難に後頭部を痛めていた。

誰か、俺と代わりま鮮花?

2

今先輩に連れられているうちに、気がつけば学校に到着していた。
携帯で時計をチェックするとギリギリ五分前には到着したようだ。
朝四時に起きている割に登校時間が遅いのは、偏にポチの散歩時間の長さ原因であろう。
今日なんて調子付いたポチは隣町までの耐久マラソンを敢行した。
興奮して四足歩行にならなかったのが唯一の救いだが、
桜色をした長い舌をちろちろしながら尻尾をぶんぶん振り回すのは勘弁して欲しい。
犬人には文字通り朝飯前の運動でも、ただのヒトで身体的な特徴が何もない俺にはきつ過ぎる。
帰り道貧血で半ばふらつく足元を自分の胸程度の身長しかないポチに支えてもらいながら
帰ったのは、どれほど俺の自尊心を傷つけたか・・・
朝食のときハイビスカスのような笑顔で

『きにしなくていいよっ!!ユースケはボクのご主人様で同時にボクの所有物なんだから!
支えてあげるのは当然でしょ!』

と納得してよいのか悪いのか解らない言葉で慰めてくれなければ今の俺はいないだろう。
小さな体で朝から丼二杯まるまる平らげるポチに朝ごはんを作るのは若干骨の折れる作業であるが、
口元にご飯粒をつけながらの笑顔で
『お代わり!』
には勝てない。
俺はそんなことを思いながら今日も波乱の日常に身を投じていくのだ。

「時にユウスケ。今あの駄犬のことを考えていなかったか?」

ポチの笑顔を回想して癒されていた俺を現実に引き戻す冷たい声。
あぁそうだ、俺は先輩に引っ張られて学校に着いたんだけっけ。
俺の目線のすこし低い位置から据えた視線をたっぷりと注ぎ込んでくれる。
眼鏡の奥で剣呑に輝く切れ長の瞳に若干たじろぎながら、俺はやっとのことで言い訳を吐き出した。
きょ、今日もステキにクールです。今先輩。

「い、いや〜ポチのやつ、ちゃんと体操着を持ってきたかな〜なんて・・・
  ホラ、ウチの学年は二限が体育でしょ?」

先輩は俺のワイシャツの裾をギュっと握り締めながら・・・

「・・・・・・私の前で別の女のことを考えては駄目だとつい先日言ったばかりだぞ・・・」

俺の胸にクリティカルヒット!!
しょ、正直、たまりません。
その恥ずかしげにそらされた視線が、控えめに染まった頬が・・・
人前では絶対に見せない先輩の姿に心臓は16ビート。ノリノリで踊りだす。
素直な仕草と、クールビューティーさで生徒の人気を三分している先輩にそんなことをいわれて、
そんな表情をされたら・・・

「それに犬は犬らしく裸足で駆け回っていればいいだろう?別に全裸でも構わんか」

甘い雰囲気を雷雲でかき乱すように、バタバタと遠くから近づいてくる足音。

ほら・・・

「やっと見つけたぞ〜この妖狐めぇ!!今ボクの悪口を言っただろ〜
  陰口なんて卑怯者のすることだぞ〜狐は大人しく油揚げでも食べててよっ!!
  ボクのユースケを盗らないで〜〜〜っ!!」

コイツがやってきちゃうじゃありませんか・・・
四つんばいになって威嚇体制をとり、犬歯を剥き出しにして敵意を発散させている。
元気なのはいいが、そのスカートの長さでそんなポーズをとると・・・

「ポチくん。スカートの中身が見えているぞ。淑女にあってはならぬ痴態だな。
  それに狐人である以上油揚げは至高の食べ物なのだが、今はユウスケのほうが貴重な栄養源だ。
  所謂大好物というヤツだな」

先輩は俺の体を一際強く抱きしめ、ポチを見下ろすように言った。
当のポチは口の端から舌を覗かせて荒い息をつきながらも、目が点になっていた。

「ユウスケ・・・・昨夜は激しかったぞ・・・私たちの間に種族の壁という大きな関門があっても
  愛の力で乗り切って見せよう!!
  さぁ今夜もきつねうどんの出汁より千倍濃いキミの子種を一杯私の中に注ぎこんでおくれ・・・・」

クールな先輩としては珍しい熱弁で、俺の胸に顔をうずめた。
お、お願いだからこの状態のポチを逆撫でしないでぇ・・・

「ぐるるるるるるるるるるるぅぅぅぅぅ・・・・うぉぉぉあん!!」

ポチは大きな瞳に涙をため、全身のバネを使った素晴らしいプレスを繰り出した。
だからなんで俺?
ポチの体重と、勢いと共に押し倒された俺はなすすべもなく組み敷かれる。
怒りと悲しみで俺の胸に爪を立て、抑えきれなくなって決壊しかけている黒い瞳で吠えた。

「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで・・・!!!???
  何でボクにはいつも手出ししないくせにその女狐にはするの??
  なんでなんでなんで??ボクのどこが不満なのさ!?お散歩が長すぎるから?
  ううん、あれはユースケのためを思ってやってるんじゃないか!ねぇなんで、なんでよぉおおお・・・
  ユースケはボクのものなのに、ボクはユースケのものなのに・・・
  どうして溜まってるなら言ってくれないのさ〜っ。頼まれれば後ろからだって前からだって!!
  ホントは後ろからが一番落ち着くけど・・・ううん!!ユースケがお座りって言えば
  ちゃんと腰だって振るよ!○ん○んって言えば自分で広げてみせるよ!
  あぁもう〜本当は春だからボクだってもてあまし気味なのに〜
  早くボクに命令してよ。『可愛い可愛い俺のポチ、早く俺のモノに下品にむしゃぶりつけ!!』
  ってさぁ!!
  早くユースケの濃い雄の匂いを胸いっぱいに吸い込みたいよ〜ボクのはしたない匂いを
  その体に擦り付けたいよ!!
  ねぇ、ユースケ、お願い、お願い!!しよ〜〜交尾しよっ、ねぇ〜〜!!交尾交尾ぃ〜」

おいおいおいおいおい???
話が飛躍してるぞ、頼むから俺をおいて別次元に飛び出さないでくれよ!!
それに今先輩の話を真に受けるんじゃねぇ!!

朝から擬似修羅場が発生してしてしまった県立ケモノ高校の校門。
俺は服をばりばりと脱ぎ始めるポチに、何故か迫られている。
この超時空を作り出した先輩はとっくに立ち去っていた。作り逃げですか?先輩!!

集まる好奇の視線。男子からは嫉妬、そして女子からは嫌悪。
俺は無常にも鳴り響く始業ベルを耳朶に納め、飽きずに俺の顔を舐めまわしているポチに
組み敷かれながら、ため息を一つついた。

「世界は平和だ」

3

発情しまくるポチを今夜は彼女の好きなおかずを夕食に作り夜通しスキンシップをする約束で、
何とかその場を沈静化した。
ポチは感情と体をもてあまし気味であったが、完熟トマトのように赤い頬で
『ちぇーっ』
とのたまうと、そそくさと教室に入っていった。
まぁ、隣のクラスなんだけどな。
一時限目は古典。
ヴィンテージものの老教師の織り成す奇天烈怪奇な異世界の貴族の話にどこか同情を覚えつつ、
横手からの誘惑に必死で耐えていた。

それはボロボロになりながらも教室に入り、遅れてやってきた玉緒さんに挨拶をしたときだった。
『古典の教科書忘れてしまいましたわ。ユースケさん。見せてくださる?』
なんて目の前で大胆に人類の至宝とも言える美脚を組みなおされたら、誰が断れるだろうか?
隣の教室で地獄の番犬がうなったような気がしたが、気のせいだろう。
今は目の前の絶対領域こそ俺のすべて!!
命を張って高らかに宣言して見せよう。
『も、勿論。玉緒さんの頼みごととあれば何でも!!たとえ火の中水の中あの娘のスカートの中!!
  ヤンデレ幼馴染と義姉が織り成す修羅場にだって突貫して刺されてみせます!!』
握りこぶしで熱く語ってみる。
すると玉緒さんは・・・
『玉緒さんじゃなくて、タ・マ♪』
アーモンド形の大きな猫目をキラキラと輝かせて色っぽく体を摺り寄せ、
俺の鼻の頭にちょこんと触れた。
あ、甘い息が、暖かいいいいい息が、あああ当たって・・・・
思わず下半身に血液が集中する。
『タ、タマ・・・』
『うん、合格♪』
鈴を鳴らしながらケセラセラと笑った。
細められた瞳と、独特のしなやかな仕草が更に俺を混乱させる。
満足げにゆれている灰色の細長い尻尾。
玉緒さんの傾国な魅力の前では、俺はただのイエスマンと化す。
それよりも早くこの下半身で自己主張するGUNを何とかしなくては・・・・
モジモジとする俺を不思議そうに見た玉緒さんは、俺の股間に目をやると
チェシャのように気分屋でペルシャの蟲惑さを以って微笑んだ。
『・・・・安心してくださいな、ユースケさん。二時限目は体育ですわ。
あの牝犬はお外で野蛮にマラソンですが、ちょうど貴方はバスケット。
わたくしは新体操を選択しています。
わたくしたちは体育館で、女狼は炎天下の屋外ですわ・・・体育準備室で、
不肖このタマが運動後の体を沈めて差し上げますわ・・・』
色っぽい声にあまりにも魅力的過ぎる提案。
誘いに乗ってしまっていいのか、どうする、俺??
また今朝の閉鎖空間を発生させてしまうのか??
摺り寄せられるしなやかなボディ、首筋に掛かる熱い息。宝玉のように光る妖しい瞳にとらわれ、
俺はあっけなく陥落した。
『い、いきます・・・』
どこにイくのか?それはゴッドオンリーノウズ。
『ふふ・・・お待ちしておりますわ・・・コレで女狐や牝犬から一歩リードですわ・・・』
最後の言葉は良く聞えなかったが、舌なめずりをしながら妖艶に微笑む玉緒さんを見て、
背筋がぞくりとした。
教室の後ろで危険度を増したケルベロスが今にも解き放たれようとしているが、
今の俺は絶対領域の虜であった。

 

そうして教科書をただ見せるだけにしては、密着しすぎている玉緒さんの先制攻撃に
おかしくなりかけながらも俺はやや前かがみになって体操着に着替えた。
そして逃げるように体育館へ向かう。
築数十年の体育館はかび臭さと埃臭さが交じり合った独特の空間だが、
この中の一室で約一時間後に蜜月が発生するとなると話は別。
禁じられた楽園にすら見える。
俺はいつもなら忌まわしいだけの体育館の空気を胸いっぱいに吸い込んで
旧友達に怪訝な目で見られながらも、準備運動に精を出した。
体育館を二つに割るネットのカーテン。
向こう側ではレオタードに着替えた女子達が柔軟運動をしていた。
男子の視線が次々に突き刺さっているので居心地が悪そうだが、
アイスブルーのレオタードにこれまたマニアックに黒いストッキングを着用した玉緒さんが
微笑みながら手を振ってくれる。
周りにも猫人の女子はいるが、腰の高さが違うぞ、腰の高さが。
その脚線美はどう考えでも犯罪ですよ。
有罪間違いなし、ギルティです。
思わず鼻の奥が熱くなったが、気合で封印。
情熱をもてあましながらも、バスケットに没頭した。
隣では玉緒さんが神々しいほどに整った肢体で艶やかで美しい舞を広げている。
女子は思わずため息だ。俺も二秒おきにチラチラと見ているが、
その身体はあと少しで俺のモノになるのだ!どうだ、うらやましいか??

そして煩悩をもてあます体育の時間は、通常の十倍以上長く感じられつつも滞りなく修了した。
男子と女子は別々に体育用具を片付けでいる。
俺は新体操用の道具を持った玉緒さんとアイコンタクトを交わしながら、
いよいよ抑えきれなくなってきた高ぶりを腹筋に力を入れて殺している。
授業が終って暫くし生徒が体育館から殆どいなくなったあと、
俺は玉緒さんに腕を引っ張られて第四体育倉庫にしけ込んだ。
暗い体育倉庫。
埃とカビ臭さは体育館の比ではない。
しかし隣から発せられるオスというオスを惑わす甘い香りに、脳までやられそうだ。
玉緒さんは内側から閂をかけると、ポチもびっくりなボディプレスをかましてきた。

「にゃ〜〜〜ごろごろごろごろごろごろごろ・・・やっと二人になれたにゃん。
さぁ、ユーにゃんの好きなように可愛がって欲しいにゃん〜」

きゃ、キャットォ!!

コレは本当に玉緒さんか!?いつもの尊大な態度からは想像もつかないほどの甘い声。
細い体を目いっぱい俺に絡みつかせ、胸に頬をこすり付けて丸くなる。
「た、タマ・・・な、なんかいつものタマとは違うような・・・」
「コレがタマの本性だにゃん。ご主人様にしか見せない本当の姿にゃにゃ」
タマはじゃれ続ける。
頬を摺り寄せるのに飽きたのか、今度は俺の体を愛しげに舐め始めた。
「ユーにゃん。早く服を脱ぐにゃ。タマの服も乱暴に脱がして欲しいにゃン〜
でも、ストッキングは脱がさなくてもいいにょろ。
ユーにゃんの性癖はチェック済みにゃん〜」
バ、ばれてた・・・
まぁいいや。早速その犯罪的なボディを味わうとするか・・・
手始めに程よく肉のついた、完璧なバランスの太ももに手を這わす。
ストッキングの感触が心地よく、何度も何度も繰り返して触れた。
体育の後だからだろうか。
若干汗ばんだ肌と、人類の生み出した最高の布地は一生触れていても飽きないだろう。
右手で太ももを撫で回し、左では背中に這わせる。
勿論小ぶりで形の整った唇に吸い付いて柔らかさを味わうのも忘れない。
「う・・・ん・・・じゅ・・・ずずずずっ・・・・」
唇を合わせるだけでは満足できなくなってきたのか、
俺たちはマットの上で折り重なるようにして舌を吸いあう。
ざらざらとした独特の感触。甘すぎる唾液の味が媚薬となって俺を狂わせた。
「ちゅっ・・・んは・・・・」
吸い、舐り、這わせ、また吸う。
単純な動作の繰り返しに加え、尖った歯列に割り込ませる。
「にゃ・・・にゃあ・・・!」
上顎を舌で突っついてやると、一際大きな声を上げた。どうやら咥内の弱点はここらしい。
細い首筋を撫でながら、更に上顎を攻め立てる。突き抜ける快感と柔らかい肉の感触。
上顎の形を楽しむように舌を走らせると、タマはいよいよ呼吸が苦しくなってきたのか
「にゃにゃ・・・」
甘い息を断続的に吐きながらも、目じりに涙を浮かべ始めた。
二人がつながる口から零れる唾液は、埃臭さの元凶とも言えるマットを蒸せるような匂いに染め、
密室にいよいよ立ち込め始めた甘い獣臭は頭の奥をちりちりと焼いた。
右手をずらしてタマの足を開くと、もはや隠しきれないほどに
メスをアピールしている股間にたどり着いた。
ぴったりと身体に張り付くレオタード。滲み出す臭気と淫蕩な湿り気は十分すぎるほどだ。
爪の先端で布地の上からそこを引っかいてやると、タマは大きく身体を振るわせた。
「タマ・・・」
「んにゃあ・・・・ももっと・・・して・・・にゃあ!!」
徐々に指のスピードを速めていく。円を描くように臀部を撫で回し、
自分の意思とは無関係に指はタマの入り口を犯し続ける。
布地をすこしずらすようにこすり付けてやると、ぬかるんだような感触と、
黒いストッキングに広がる染みがより大きくなってマットを濡らした。

「そ、そろそろ、ユーにゃんをここで感じたいにゃ・・・」
俺の腕を掴んでタマが哀願するように言った。アーモンド形の翡翠石は零れんばかりに揺れている。
俺は体を起こしてタマを押し倒すと、ストッキングの股間の部分だけを丁寧に引き裂いた。
そのまま薄い下着を横にずらす。十分な湿り気帯び、
ひくひくと俺を受け入れるのを待っている秘唇に軽く舌を這わせて感触を確かめる。
俺はいよいよこれ以上ないほどに屹立した自分のモノを、入り口にあてがった。
「タマ・・・いくよ?」
「うん・・・早くきて!!ユーにゃんの早く欲しぃにゃあ」
割れ目に沿うように先端をこすりつけ、潤滑油をなじませてから一気に貫く。
猫人の中はきつくて狭いという噂は本当だった。これ以上ないほどに濡らしていたタマだが、
俺のモノは半分も埋まらない。
かろうじて亀頭までは侵入したものの、それ以上先でまったく動かなくなる。
「タマ・・・もうちょっと力抜いて」
「あぁっ・・・ん・・・・」
タマも先端だけではもどかしいのか腰を振って俺を受け入れようとするが、
ぬるぬるの膣内に擦れて快感が伝わるだけだった。
しかし、本当に良すぎる・・・下手するとこのまま焦れているだけでも果ててしまいそうだった。
「た、たま・・・力抜いて・・・」
「にゃ、にゃ、にゃ・・・」
タマは俺の声が聞えていないのか、締め付けたり緩めたり、多種多様な動きで感触を楽しんでいる。
てか、このままじゃ生殺しだ・・・
「タマ〜力抜いて!!」
「にゃん・・・・ユーちゃんの、とってもいいにゃん・・・んぁ・・ん・・・」
タマの腰は止まらない。
中がとてもいいだけにそこまで挿入感が得られていなくても、十分に気持ちい。
もしかして猫人の男は全員短小なのか??だからタマもここまで入っただけで満足しているとか??
だとしても・・・
「くっ・・・」
せりあがってくる射精感。こりゃ、マジで、ヤバイ・・・
「ふにゃーーーっ・・・にゃ・・・・にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ・・・」
一際大きく腰をストロークさせると、俺を受け入れているタマの中が更にきつくなった。
突き上げられるような快感。頭の中が白くなったかと思うと、俺もタマの中に果てていた。
「にゃ〜っ」
満足したのか、俺を抱き寄せて丸くなるタマ。
なにやら不完全燃焼だが、程よい疲労感で俺は彼女に覆いかぶさるように倒れこんでいた。

4

あのまま倒れこむように眠ってしまった俺とタマ。
気づくと体育の倉庫の小さな窓には、夕日が差し込んでいた。
ヤバイ・・・・
「ユーにゃん、やっと起きたにゃん♪ユーにゃんの寝顔はとても可愛かったにゃン」
にゃんにゃんとご機嫌なタマ。
しかし俺は、あのまま二人でいなくなったきり戻らなかったことによる追及が恐すぎた。
「ユーにゃんのアレはとても大きかったにゃん。ユーにゃんがタマを
  もっと開発してくれれば奥までユーにゃんを感じられるにゃん」
そうか、それは楽しみだが・・・
じゃれ付いてくるタマを撫でながら、俺はポチとの約束を思い出していた。
今日はポチの好きなおかずを作って、夜通しスキンシップ。
正直くたびれる・・・
俺たちは体育館に人気がないことを確認すると、乱れた着衣を直して今日のところは別れた。
タマはシたりないといった表情だったが、今日のところは勘弁してもらいたい。
ヤっておいて失礼な話だが。

俺は急いで家に猛ダッシュした。
汗でワイシャツが背中に張り付くのも忘れ、髪の毛が滅茶苦茶になるのも気にせずに走る。
家の玄関にようやくたどり着くと、地獄の底から這い上がってくるようなどす黒いオーラを
ビンビンと感じ取った。
毒ガスで壊滅したアッテムトもかくやという凄絶さ。
コレは、まずい。
まずいぞ。
思わず2、3歩後ずさってみる。
瘴気が領域を増して、俺の影を吸い込んでいく。
間違いない。間違いなくポチがこの家の中にいて、怒っている。
何に怒っているかは知らんが、溶岩のような灼熱の怒りを感じる。
俺が玄関の前でがくがく震えていると、扉がゆっくりと開いた。
それはもう『地獄へようこそと』告げんばかりに。
そこには闇の底よりも昏く濁った瞳のポチが正座をしていた。
灼熱が、凍てついた。
「お帰り、ユースケ。ご飯のおかず、ボクの大好物のハンバーグを作ってくれるんだよね?
  待ってたよ。ずっと。ユースケがどこかに言ってる間、ずーっと」
口だけは笑っているが、目はまったく形を変えない。これぞ地獄のエレジー。
普段のポチの溌剌さはひとかけらも感じられず、立ち込めているのは暗黒のオーラ。
桜色の唇からは鋭い牙が覗いているが、見なかったことにしよう。
「ねぇユースケ、体育が終ったあと、どこに行ってたの?休み時間にみんな探してたよ。
  ちょうどユースケがいない時、あの薄汚い野良猫もいなかったんだ〜
  ねぇ、二人ともどこに行ってたのかなぁ〜ボクにちゃんと教えて欲しいな〜」
「あははは・・・・それは、その・・・・」
乾いた笑いでつくろってみるが、ポチのシリアスさはより角度を増していく。
玄関に恭しく正座していたポチだが、ゆらぁりと立ち上がると一歩ずつ距離を詰めてくる。
「ねぇ、ユースケ。どこに行ってたの?」
「う〜んと・・・」
ポチが一歩詰め、俺が一歩下がる。
「あの泥棒猫と、どこに行って何シてたの?」
二歩詰める。俺は二歩下がる。
「ユースケはボクの所有物なんだよ。このボクにいえないようなことをシてたの?」
三歩つめる、俺は四歩下がった。
そこでようやく自分が家の庭から飛び出して道路にはみ出していることに気がついた。
ポチの殺気はいよいよ頂点に達しようとしていた。
ヤ、ヤバイ・・・・まさか・・・・
「・・・ぷんぷんするんだよねぇ・・・ぷんぷん・・・薄汚い・・・・あ、あ、あの
  ・・・・あの泥棒猫(おんな)の匂いがぁ〜!!!!」

ポチは目にも留まらない速さで俺に飛びついた。
瞬間、背後を圧倒的な質量で空気を押しつぶし、トラックが台風のように通過していった。
シャレに、なってねぇ・・・・
ポチはそんなことを一切気に留めていないのか、そのまま道路に俺を押し付けると
服を鋭い犬歯で噛み切っていく。
そこで濁りきって何も映さない虚ろな瞳が、俺を射殺さんばかりに見開かれた。
「・・・・・・・・なに・・・これ・・・・ユースケは、ボクのなのに・・・ボクのものなのに・・・・なんなの・・・これ」
俺のワイシャツを引き裂いて胸板を睨みつけながら、ポチはぼろぼろと涙を流し始めた。
胸板には、赤いキスマークが幾多にも刻まれていた。
きっとタマが寝ている間につけたのだろう。
「嘘、でしょ、嘘、だよね?・・・・ユースケ・・・あの泥棒猫とシたなんて・・・嘘だよね?・・・
  嘘っていってよぉおおおお〜」
このまま食い殺されるのではないかと恐れおののいていたが。
意外にもポチは俺の胸に崩れ落ちてむせび泣いていた。
「どうして・・・・どうしてなの・・・ずっと前から、一緒だったのに・・・
  どうしていきなり出てきたあの女に取られちゃうの?ユースケは犬人より猫人のほうが
  好きなの?・・・ボクも、猫人に生まれればよかったのかなぁ・・・
  そうすればユースケと交尾できたのに・・・
  ユースケはボクのどこが不満なの?ユースケに言われたら僕なんでも治しちゃうよ。
  体が丸くて子供っぽいから?それともこの尻尾かなぁ・・・気に入らないなら
  今すぐ喰いちぎるから、ね?ちょっと待ってて・・・今すぐ・・・」
「ポチ・・・俺には何も言い訳できないけど、ポチはポチだよ。犬人で幼馴染のポチが、
  俺は大好きだ。こんなこと言ってずるいかもしれないけど、
  ポチは俺のもので俺はポチのものなんだろ?だからそんな悲しい顔をしないでくれよ」
垂れ下がっていた耳と尻尾が、ゆっくりと持ち上がった。
「う・・・えぐぅ、ユースケは、ボクの、だよぉ・・・ぐず・・・えぐ・・・うわああああん」
ポチは泣きながら瞳に大きな涙の粒をためながら、俺の唇に吸い付いた。
「ぶじゅ・・・・ずずずずう・・・・じゅ・・・・」
これ以上ないほど強く、舌を絡ませて唇を吸い上げる。
あふれ出す唾液を一滴たりとも逃すまいと、ポチの長い舌が俺の口元を奔走する。
ざらざらとした感触がくすぐったく、ポチの身体の柔らかさと一緒に俺の欲望に火花を放つ。
しかしここは夕方になると交通量の増す通りだ。このままだとイロイロ危険である。
「ユ、ユースケ?ど、どこに行くのさ?」
俺はポチをお姫様抱っこして、尻尾を軽く撫でながらバスルームへ連れて行った。
ウチのバスルームは何故か設計上、普通の住宅よりも大きい。
「ちょ、ちょっとぉ・・・・」
ちゃっちゃと服を脱いでポチの制服も剥ぎ取った。
「は、恥ずかしいよぉ・・・ユースケぇ・・・・」
「俺とするの、嫌か?」
ポチは顔を真っ赤にして瞳を潤ませる。
大きな黒目が溶けて溢れそうなほどに揺れていた。
耳は頭に張り付いて、尻尾は所在無さげに宙をさまよう。
「ズルイよ・・・ユースケは。こうやってあの雌猫のことも手篭めにしちゃったの?」
「違うさ・・・こういうことをするのはポチだけだよ。今まで煮え切らない態度でごめんな
  もう寂しい思いはさせないからさ」
すこしかがんでポチの目線にあわせ、そっと重ねるだけのキスをする。
タマとはまた違った柔らかさにくらくらする。
ポチ特有のミルクのような芳香が唇を通して伝わった。
「ん・・・ちゅ・・・・」
壁に押し付けて舌を更に深く差し入れる。
ポチは必死に俺は捕まえようとするが、俺は逃げ回って歯列を掠めたり舌の裏筋をなぞる。
「むむむむ・・・手馴れてるよぉ・・・ユースケぇ〜。こんなエッチなのどこで覚えてきたの?」
「オマエだっていつもぺろぺろやってるだろうに。続きはこっちだ」
全裸になって白い柔肌を曝しているポチを抱き上げて、
常に自動給湯に設定してある浴槽に身を沈める。
すこし熱めのお湯が汗ばんだ肌に心地よく、俺の腕の中に抱かれたポチの柔らかさも加わって
正に極楽だ。
お湯からぴょっこりと顔を出してふらふらゆれている尻尾が可愛らしい。
「ねぇ〜ユースケ〜続き、して・・・」
くるりと体を反転させて、柔らかい体をたっぷりと押し付けてくる。
小柄なポチは湯船で胡坐を掻いた俺の隙間にぴったりと埋まる。
風呂の熱と、お互いの体から発せられる熱。
このまま溶けていきそうだった。

 

髪を撫でてやりながら再び口付ける。背中に腕を回してポチの感触を掌で味わう。
逆の手は程よい肉感の太ももへ。タマほどの美脚ではないが、犬人特有の良質な筋肉が心地よい。
そして何よりも俺を狂わせるのは肌のすべらかさ。
黒い尻尾の色と映えてなんとも官能的だ。
唇から徐々に下降して首筋を攻める。普段からここを撫でてやると喜ぶので徹底的に攻める。
吸い、這わせ、押し付ける。絹のような肌に幾重にも桜色の痕を刻みつけた。
「そんなに強くしたら、あとついちゃうよぉ・・・」
「ポチは俺のモノなんだろ・・・・?」
「そ、そうだけどぉ・・・・あ、ふぅ・・・・ああ・・・・やっぱりユースケはズルいや・・・」
ガクリと俺に体を預けてくるポチ。顔は官能と恥辱に染まり、
なんともいえない色っぽさを発している。
普段の快活さと相まって、どこか背徳的な魅力すら宿している。
「ん・・・ちゅ・・・じゅ・・・・ちゅ・・・」
舌を深く差し込んで、ポチの咥内を十分に満喫する。小さな咥内にそぐわない長い舌が、
俺に絡み付いて離さない。
「あ、はぁ・・・・うぅん・・・・ひゃあ」
鎖骨に顔をうずめ、肉感たっぷりの双丘を両手でこね回してみる。
吸い付くような肌に千切れてしまいそうなほど柔らかい肉。
頂点の小さな突起はこれ以上ないほどに充血し、信じられないほど敏感に反応した。
「や、やっぱり、ユースケはエッチだ・・・」
「ならやめるか?」
ぱっと両手を離し、俺の首筋に蛇のように絡みつくポチの腕を引き剥がそうとする。
「ダメ・・・・・・・・ちゃんと最後まで」
おふざけ半分でしてみたのだが、物凄く低い唸り声に阻まれた。
「あの泥棒猫には絶対負けないから・・・・ちゃんとボクの中にもユースケのが欲しい。
ボクもユースケを気持ちよくさせるから・・・・」
「わ、わかったよ・・・」
据わった瞳で睨みつけられると、気づけば形勢逆転している。
浴槽の端に押さえつけられるように立たされ、カチコチに硬化した愚息の根元を握られる。
獣であったころの名残である肉球に挟み込まれるように扱かれ、
先端をじらすように舌で突付かれた。
細い電流になって快感が駆け抜けていく。
オマエこそどこでこんなの覚えてきた?まさか別の男で練習したのか?
「バカ・・・ボクがユースケ以外のオスに興味を持つわけないでしょ」
尿道に舌を差し入れられる。矢張り普段からの習性か、舌使いは抜群に巧い。
緩急をつけた愛撫と、流れ込む血液の量を統制するような指先の動きに今にも爆発寸前だ。
「・・・じゅる・・・・ぷちゅ・・・ぷっ・・・・ちゅ・・・・」
口に大量の唾液を含ませてのオーラルセックス。
脳が快楽の情報許容量を飛び越え、スパークを起こす。
ぶちゅぶちゅと卑猥な音と、完璧に統制された快感が俺を追い詰めていく。
「じゅ、ずず・・・」
長い舌を巻きつかせるように絡め、唾液の膜の上を蛇のように這いまわる。
管を握りこんで膨張させ、今度は根元から持っていかれそうなほどに強く吸う。
先ほどからあふれているだろう先走りを、すべて腹に収めんばかりの吸引力。
くぼんだ頬と、染まった目元が痴態に華を添えている。
形骸化したリズムとは違う。犬人特有の本能が働いているかのように、野性的で、情熱的な愛撫。
それに技巧が乗っかっている。正直気持ちよすぎる。
「ゆ、ユースケ、ちゅぷ・・・、どう?、んふ・・・、泥棒猫より、ん・・・、いい?」
どうにかなってしまうそうだ。
括約筋を総動員して耐えるものの、自分のものとは思えないほど膨張した我が子は
もはや限界に達していた。

「ポチ・・・ヤバイ・・・・そろそろ・・・・」
「ん・・・、ちゅ・・・、じゅじゅ・・・、ボクの・・、ぶじゅ・・、口に・・・、ちゅ・・・、出して・・・、
  じゅぶ・・、いいよ・・・」
ポチは聖母のように微笑むと、根元に込めていた力を一気に抜いた。
そしてこれまでで一番の力で吸い上げる。
「ずぷぷぷぷ・・・」
腹の奥から持っていかれそうな快感。脊髄と脳幹、脳髄ごと吸い込まれそうな圧倒的な快楽。
どくどくと血液が海綿体に集中し最後にふた周りほど愚息が膨張するのを
思考の端っこに捕らえたあと、噴火するように熱いものが流れ込んでいく。
びゅくーー、びゅ、ぶびゅ・・・・びゅ・・・
「あぶっ、んぷぅう、うむっ、ぶぷー・・・・」
濁流のように押し寄せる迸りを、上目遣いを固定したまま必死で嚥下している。
視線が俺に訴えている。他のメスには負けない、と。
「んっ、ぶっ、む・・・・」
喉に絡みついて呼吸がきつくなっているのだろうか、白い肌は満遍なくピンクに染まっている。
それでもあふれた精液が口の端からあふれ、ねっとりと糸を引く。
顎に手を添えて波堤をつくり、たまった白濁液をまたゆっくりとすする。
口元にこびりついた分を長い舌で舐めとると、信じられないほどの妖艶さで甘く微笑んだ。
「・・・いっぱいだしてくれて嬉しいよ、ユースケ・・・」
風呂の熱気と、マグマのように律動する心臓。
昂ぶった体温はまだ静まりそうもない・・・

5

「んふぅ・・・ユースケぇ、今度はこっちに頂戴・・・・」
熱に冒された瞳のまま、ポチは俺の指を秘所に導いた。
風呂のお湯の中でもはっきりと解る。湯よりも熱いとろみが、幼い秘裂をふやかしていた。
軽く指を差し入れてみると、狭い入り口から万力のように締め付けてくる。
間接をまげてこすってやると、ポチは弾かれたように反応する。
「あひゃっ!」
肩を優しく撫でて、更に深く指を進入させる。すると、細かな襞が意思を持つように蠢いた。
「はわん!ふ、ふひーっ・・・」
ゆっくりと指を上下させる。かき混ぜるように角度を変え、引っかくように擦り上げる。
「あ、あひゃ・・・んあ、は・・ぁ・・・・」
もう限界だった。すこしのアクションに大きすぎるリアクション。
思わずポチを洗い場に抱き上げ、浴槽の縁に足を掛けさせた。
自分は膝で立ち、ポチのものが良く見えるようにする。
ポチの顔に羞恥の赤みが急激に加速して、調子にのった俺は腕を上下させるようにして
指の平で天井を刺激していく。
ずじゅ、ぶじゅ、ぷっ・・・くちゅぅ・・・・
湿った水温が風呂場に響き渡る。淫猥だ。これ以上ないほどに男の性を駆り立てる擬音。
「ア・・・・あ・・・・あ・・・・アァーー」
くちゅくちゅくちゅくちゅーーっ!!
ポチの痙攣が大きくなっていく。
本人は口から長い舌をだらしなく下げ、虚ろな瞳で俺を見つめている。
黒い瞳は官能しか宿していない。
かすかな細い息は熱く、甘い。
「はぁ、アア・・・・、ふひっ、ん・・・・ハァハァ・・・・ユースケ、ユースケ、ユースケっ!!!
  だめ、おかしくなる、おかしくなっちゃうよっ・・・」
ポチの震えは体全体で押さえなければ暴れだしてしまいそうなほどになっていた。
腰に反対に腕を巻きつけ、開脚させたポチの太股に自らの膝を割り込ませるようにして安定させる。
がく、がく、がく・・・とポチが一番弱い部分を擦るたびに、
ポチは壊れたみたいにぶんぶんと首を振った。
尻尾は快楽が伝わるたびに跳ね上がり、ポチの感覚を理解するのに一役買っている。
そこであえて、尻尾とはずれたタイミングで指を動かしてみた。
「ふひっ??アッ、あ・・・あ゛あ゛あ゛・・・・・わ・・・」
指の動きにあわせて体をコントロールすることによって、感覚の暴走を食い止めていたのだろう。
しかしそのタイミングを外すことによって、ポチが何とか押さえ込んでいた箍はあっさりと外れた。
俺はその機会を逃すまいと、膣内を傷つけないように静かに、かつ激しく腕をストロークしていく。
くちくちくちくち・・・・くちゅ、くちゅ、くちゅ・・・・
ずっ、ぐちゅ、くちゅ・・・
「わわ、もう、だめ、壊れちゃうーーーーーっ!!」
ずちゅ、くちゅ・・・
「あはっ、ユーズケ、ゆる゛じで、もう、だめ・・・・」
くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ、ずちゅっ・・・・!!!
天井の突起が密集した部分を、最後に強く押し込むように擦り上げる。
「ふひゃん、あわっ、きゃわん、あわアアアアアアアアアっ!!!」
声にならない悲鳴を上げて、ポチは大量の潮を噴き出した。
熱い迸りがシャワーとなって俺に降りかかる。
さらさらとした粘性の無い液体。尿とも似た香りがするが、また違う。
俺は掌でそれをもてあそび、ポチの内股に擦り付けるようにして感触を味わう。
「あひっ、ふふぅーーーーっ・・・・壊されちゃった、ユースケに、こわされちゃった・・・」
ポチは肩で息をして未だ全身を駆けている快楽の余韻に浸りながら、
俺の顔面を汚した自分自身の迸りを丁寧に舐めている。
焦点の合っていない瞳に快楽の渦に飲まれた理性。
いつも俺の隣にいる少女は、熱に毒された淫蕩な女神になっていた。

 

「まだまだこれからだぞ、ポチ」
「ふわっ、ユ、ユースケっ?」
「我慢できなくなった」
短く告げて、ポチを洗い場に四つんばいにさせる。
腕を地面に着かせ、足はピンと張らせてからポチの秘唇にペニスをあてがった。
「ひゃ、ひゃあ・・・・こんな恰好、恥ずかしいよぉ・・・」
「後ろからのほうが落ち着くんだろ?それにこっちのほうがポチの全部が見えて、いい」
48手では碁盤攻め、一般には立ちバックの形だ。
野性的かつ、本能的。
それにポチが一番落ち着くって言ったしな。
「挿れるぞ・・・」
手を這わせて尻の感触を味わい、アストロンしたモノで柔肉を引き裂いていく。
指でも味わったが、狭い、熱い、きつい。それに愛液のぬめりが加わって、自然と腰が動いてしまう。
ずずずずず・・・熱い粘性の海にゆっくりと沈めていく。
タマのも相当のきつさだったが、ポチのもすごい。
しかし十分に前戯をおこなったために、俺のモノをすべて飲み込めるほどになっていた。
「あひっ、あああああつ・・・・」
カリ首で引っかくように千の襞を味わう。
意思とは無関係に動く腰と、俺の勢いを受け止めてぷるぷると弾けるポチの尻。
小さな体は俺の動きと一緒に律動し、ぱちんぱちんと弾ける音が俺の劣情に火を注ぐ。
ペニスの角度を変えて、天井をこすり、上からつきこむようにして、
床の襞が密集している地域を攻める。
「あん、は、あひっ、はわっ、きゅむっ」
息子の形に開発されていく膣内。動くたびに締め付ける強さは増し、ぬめりは粘度を増していく。
じゅぷ、じゅぷ、ずぽ、と泥を棒切れでかき回すような卑猥な音。
あり得ないほど固まっている俺自身。もはやどこまでが俺の体なのか、
快楽に溺れて判別がつかなくなっている。
従順に俺の攻めを受け入れ文字通り犬のように鳴くポチに、
ただひたすら鉄の杭となったモノを打ち込んでいく。
「はわん、うわん、ふひっ、あぁああ、きゅん」
先祖がえりしたような鳴き声を上げるポチ。
尻肉が震えるたびにイロイロな液が混ざり合った水音が弾ける。
脳はもうぐちゃぐちゃだ。
おかしくなっている。
俺もただ、猿となって腰を振っている。
ポチは犬になってソレを受け入れる。
何かが、おかしい。
狂っている。
しかし、気持ちがいい。
「わん、わん、ふぁん、うう、わん!」
甲高いポチの悲鳴。時折膣の締め付けが強くなり、伸ばした足が痙攣している。
それでも俺は止まらない。ひょっとしたらポチがそうしているように
俺も何度も果てているのかもしれない。
そうすればあふれてくるこの液体にも説明がつく。
あぁ、もうどうでもいいじゃないか、気持ちがよければ。
ポチと一つになってしまえば。
あぁ、ソレがいい。
全部、混ざり合ってしまえ。
最後に思考が明滅し白い濁流が攻め寄せたと思うと、全身から何かがポチに流れ込んでいった。
壮絶な快楽が俺を塗りつぶしていくと、自然に電源が切れた。

「・・・ゆ・・・・・す・・・・け・・・・・ぼ・・・・の・・・・・モノ・・・・・・・よ」

 

目覚めると、ベッドの上でポチと二人だった。
誰が俺をここまで運んだには定かではないが時間は待ってくれないようで、
窓からは朝日が差しこんでいる。
急いで壁の時計をチェックすると、七時半。
水曜日は朝礼がある日。八時二十分に滑り込めばぎりぎりセーフだった。
「ポチ、おい、起きろ!!」
俺の左腕を枕にし、絡みつくようにしているポチ。白いシーツを剥ぎ取ると、抜けるような白衣の肌。
昨日の光景がフラッシュバックする。
最後は滅茶苦茶にしちまったけど・・・ダイジョウブか??
「ポチ!!!」
「あ・・・・うん・・・・もう飲めないよ、ユースケの・・・・」
何を飲もうとしているのかはこの際不問にしよう。
俺は強くポチを揺さぶった。
「ひゃわん!!!ユ、ユースケ?もう朝っ??」
「七時半だ。今から速攻で着替えて猛ダッシュすればギリギリ朝礼には間に合うぞ」
「ボ、ボクが寝坊なんて・・・・一生の不覚ッ・・・・でも急ぐよっ!!」
この世の終わりみたいな顔をすると、ポチは竜巻みたいに着替え始めた。
朝の日差しに照らされた眩しいポチの裸身。
白磁には、赤いキスマークの跡が生々しく刻まれている。
俺がポケーっとそれを眺めていると
「もう、ユースケにしてもらったんだからっ、責任とってよ!!」
頬を染めながらの極上の笑顔で返されてしまった。
俺もそれに微笑み返し、若干筋肉2の体にワイシャツを羽織った。

さて、ここまでは穏やかな朝の光景。
俺を引っ張るように全力疾走するポチ。
それに全力で引きずられる俺。
二回に一回しか地面に足が着いていなかったりしたが、それはファンタジーだ。
忘れよう。
全力疾走の甲斐があってか、なんと五分前に学校に到着した。
校門の前にはたくさんの生徒たち。
俺は肩で息をしながら、ポチに腕をとられていた。
結論すると、ポチとしてしまったことによって、彼女の依存と独占欲は強まった。
しかし、俺はそれでいい気がしていた。
何時もどおりこの日常が過ぎ去って、隣にポチがいるというこの平和な世界があれば。

そこにやってきたのは、長身で細長い尻尾にリボンがキュートなエンジェル・・・
タ、タマ??しかもご立腹の様子。鼻面には深く刻まれた皺、
至宝の瞳は夜でもないのに炯炯とした輝きを宿している。
「それ以上ユースケさんにこびりつかないで下さる!!??
彼が恐ろしい狂犬病にかかってしまいますわ!!」
「で、でたな泥棒猫!!ユースケを誑かしたことは不問にしてやろうと思ったけど、
やっぱり許してやらなーいっ!!」
ふしゃーっ、ぐるるるるとお互いの臨戦態勢をとる二人。
あの、お二人さん・・・・朝礼の途中だってこと忘れてませんか?
「おほほほほ〜わたくしは体育倉庫で致してしまうという全高校生垂涎のプレイまで
経験しましたわ〜」
「へ、へんだ!!ボクなんてお風呂場で頭が湯立つまで突いてもらったモンね!!」
「ふ、ふにゃーっ!!!ユースケさんはわたくしのものだといっているのに、よくも汚い真似を!!
  どんな姑息な手段でたぶらかしたんですかっ!!この狂犬わっ!!」
「誑かしてなんかないやいっ!!ユースケからケモノみたいに襲い掛かってきたモンね〜
  それにユースケのしゃぶってあげたらぷるぷる震えて喜んでたもんね〜っ!!」
あ、あの、お二人さん、そろそろやめにしませんか?その、えーっと・・・・
「ふしゃーっ!!こ、ここここの牝犬!!!よ、よくもわたくしのユースケさんにそんなまねを〜
  わたくしなんてストッキング破かれたのに〜っ!!
  ゆ、ゆるさないにゃーっつ!!!」
「ようやく本性現したね!!この泥棒猫がっ!!今日こそ地獄へ落としてやるっ〜!!」
「やれるモンならやってみるにゃん!!その汚い舌、引き抜いてやるにゃん!!」
加熱していく二人。
突き刺さる生徒と教師の冷ややかな視線。
そして、俺を置いてきぼりにする二人。そんなだと・・・・

 

「・・・ユウスケ。私に黙ってそんなことをしていたのか。私が教え込んだ技術は私だけのものだぞ」
ほら、この人がやってくるじゃありませんか。
何時ものようにワイシャツの裾をちょいっと引っ張って、今先輩が現れた。
眼鏡の奥のキレ長の美しい瞳は・・・・怒ってらっしゃる??

「ユウスケ、今ここで私にあの二匹にしたことをスれば不問にしてやるぞ」

あ、あの・・・・ワイシャツを握る指が白くなってますよ〜・・・あ、布がぴりぴりゆってる・・・
「「あ゛―――――――っ゛、女狐先輩!!!!」」
そこでようやく気がついたのか、二人がこっちを見て大声を上げた。

「ふむ、キミ達が争っている間にユウスケはいただいた」

ひょこっと腕を引っ張って、すたすたと速歩をはじめる。
「ちょ、ちょちょちょ、と先輩?」

「今夜はお姉さんがたっぷりと可愛がってやるぞ、ユウスケ♪」

そんな、♪をつけられても・・・
「まてーーーっ!!」「まつにゃーーん!!」

「おぉ、そうだ!!」

急停止する先輩。先輩の胸に突っ込む俺。
あいや、失念していたが先輩は着痩せするタイプだった・・・
たっぷりとしたバストに頬肉までたっぷりと埋まる。

「大切なことを忘れていたよ・・・キミはいったい誰を選ぶんだ、ユウスケ?」

そこにタイミングよく?追いついたポチとタマ。
ずいっと三人で身を寄せ、照らし合わせたように三者三様に凄む。

「そうにゃん・・・」「そうだよっ!」「ふむ・・・」

あ、あの〜っ・・・朝からこういうのやめません??
えっと、視線が痛いんですが・・・・
覚悟を決めろ、といわんばかりに擦り寄ってくる三人。
どうしてこういうときだけは都合よく足並みが揃うんでしょうか?

「「「勿論・・・・・・・・」」」

一呼吸置いて・・・

「「「選ぶのは・・・」」」

「愛しのタマだにゃん、ユーにゃん?」「飼い主のボクだよねっ、ユースケ?」
「・・・・勿論キミを一人前のオスにした私だよな?ユウスケ?」

ポチ、タマ、コンの三人娘に迫られる俺。
空は抜けるように晴れている。

おぉ、ゴッド・・・今日もあなたの作りたもうた世界は平和です。

でも・・・・やっぱ誰か俺と代わりま鮮花?

 

2006/08/03 完結

 

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