登場人物
月緒 志乃 (つきお しの) 二年生。綺羅の幼馴染。独占欲が強くヤキモチ妬き。
美人系でお姉さんタイプ。綺羅絶対主義者。
大川 桜 (おおかわ さくら) 一年生。綺羅のクラスメイト。元気で活発な性格。
可愛い系。綺羅絶対主義者。
アトリ 一年生。綺羅の幼馴染。天然のように見せておいて
実は腹黒な金髪外人。綺羅絶対主義者。
葉津木 京 (はづき きょう) 三年生。綺羅の先輩。ツンデレタイプ。
流 綺羅 (ながれ きら) 一年生。元の人と同じでモテモテ君。ツッコミ役。
苗字を見てわかるようにこの話は生きここのIFです
生きここを読んでいなくても大丈夫です
IFとはいえ初期の設定でしたから
しかし・・・・最初の二人と綺羅はまんまかも・・・・まんまです
いまこの屋敷には三人のそれぞれ違った魅力を持った美少女が居る
それどころかプロポーズ・・・・・もとい
まぁ、その前に状況の確認だ・・・・
そうあれは半月ほど前だ
「なんじゃこりゃーーー!」
前の前にそびえたつ大きな屋敷に向かって俺は場違いな発言をした
不満?当たり前だ!
ポケットからケータイを取り出し電話を掛ける
〈こんちは、母です〉
なんだこの軽いノリは・・・・・
「母よ、言っていた物よりもずいぶんと大きいのだが」
〈だって物置ほどの大きさでって・・・・・〉
なんだその基準は・・・・たしかに実家に比べればこんなの倉庫だよ
ええ、認めますとも・・・・
「あんた、俺が一人で暮らすって理解してるのか?」
〈ひどいわ!私のことが信じられないの!?・・・・・もう恋人には戻れないのね〉
「恋人じゃないから・・・・母だから」
〈あ、ちなみは実の母ではないぞ〜、あなたのほんとの母と父は・・・・〉
シリアスだ・・・・・
〈16年間の長きに渡って新婚旅行を続けているのです・・・・・ぐすん
聞くも涙・・・・語るも涙・・・・・以下略、そしてのこされた綺羅は
母の妹の私こと超絶美女の聖子ちゃんが面倒見てるわけです〉
説明ご苦労・・・・だれに?
「本題に戻るぞ・・・・聖子ちゃん」
〈あいよ!〉
「この屋敷は一人で暮らすには大きすぎないか?・・・・・」
〈親心よ・・・・・息子〉
「親心なら掃除とか考えてくれ」
この屋敷を一人で掃除・・・・気が重い
俺は目の前にどかんとそびえたつ大きな屋敷を見てため息を付いた
〈どう?気に入った?〉
気に入るか・・・・・ボケ母
〈ぐすん、ひどいわ・・・・親心なのに〉
「なぜ心の声がわかった・・・・・」
〈読唇術?〉
「唇の動きですごーい・・・・・って!電話だろこれ!」
〈細かいことを気にてしたら大きなことには気づけないのよ・・・・勉強なさい〉
細かいことに気づけなければ大きなことにも気づけないと思います
逆もしかりだが・・・・
〈まあ、じゃれあいは置いておいて・・・・・ママからプレゼントです!〉
じゃれあいだったのかよ!しかし・・・・プレゼント?
「それはなんだ・・・・・」
〈わ・た・し・・・・・・チュ♪〉
ブチ・・・・・・
電話を切った
消えてしまえ・・・・そのまま音と共に
しかし、状況は変わらない
せっかく自立心をつけようと思って一人暮らしを決めたのに・・・・
先行きが不安でしょうがない
「して、一人暮らしはどうじゃ?」
一日目から最悪だ・・・・・ボケ
「これでお前も彼女を連れ込んでウハウハだな」
この妙に桃色トピックスの好きそうなのは本人は親友だと言い張っているが
悪友の恭二だ・・・・苗字?知らん
自慢じゃないが人の名前を覚えるのは不得意なんだ
「恋人なんていないよ・・・・・・・ボケ」
「なになに〜?恋人〜・・・・・やだ、綺羅ちゃんったら!照れるじゃない♪」
恥ずかしげに両手を頬にあわせ身体をくねくねさせている
そして俺の背中をひじで軽く突っつく
この子は大川桜・・・・
俺のクラスメイトだ・・・・
しかし・・・・いつ見ても変な生き物だな
自称美少女の聖子ちゃんといい勝負だ
「どこに突っ込んでいいのやら・・・・」
「やだ、綺羅ちゃんったら・・・・突っ込むだななんてそういうのは二人きりのときに して♪」
なにを言っているんだこの子は・・・・
クラス中が仰天しているのがわからないのか?
「自分の発言には責任を持ってくれ」
「責任取るよ?だから・・・・結婚しよ?」
「16で結婚はできないだろ」
ああ、もう・・・・・慣れてるとはいえ俺も仰天だよ
なにをしている?なぜ俺の手を取る・・・・・
「もう、綺羅ちゃんの・・・・は・ず・か・し・が・り屋さん♪」
なぜか俺の手を胸元に近づけていく
はっ!
「てい!」
「むぎゃ!」
手を引くと簡単に攻撃は防御できた
「なにを考えている・・・・・」
「あなたのことです・・・・・」
恥じらいもなく・・・・しかし、この子は俺をからかうのが好きだな
「ほれほれ〜、触りたいでしょ〜、一年で一番の巨乳を〜」
胸を寄せてそのご自慢の胸を震えさせる
例のごとく顔は真っ赤だ
恥ずかしいのならやめれ
俺の日常はこんな感じだ
だが静かにしかし一歩ずつ近づいてきていた
「綺羅くん、一緒に帰ろう?」
お、もうそんな時間か・・・・
俺は枕代わりにしていたクソ硬いカバンを手に持って立ち上がる
「む、でたわね!巨乳魔人!」
挑発の言葉を無視して彼女は俺の横までやって来てニコっと笑んだ
「無視ですか?無視なんですね?・・・・わかりましたよ!」
がつがつと足音を立てて桜が俺の手を取った
そしてまたその手を胸元に持っていこうと・・・・
「てい!」
「させるか!」
いつものように手を抜こうとするが今回は断固拒否らしい
しっかりと握られた手は抜けることなく・・・・
やわらかい・・・・・あれ?
もう片方の手も・・・・・って!
「二人とも・・・・なにをしている」
平常心だ・・・・平常心
今の状況の整理だ
うん・・・・なぜ俺は二人の胸を掴んでいる?
正確には掴まされているだな
「志乃?・・・・なんだ志乃まで?」
長い赤みがかった茶髪をかきあげて志乃は小さく笑むだ
答えになってないぞ・・・・
「綺羅ちゃん困っていますよ?離したらどうなの?」
俺は志乃に声を掛けたのが気に入らなかったのか桜は不満げだ
「あら、いたの?小さいから近所の子供が迷子でここまで来ちゃったのか思っちゃった」
か細い声はまるで本などに出てくるお姫さまを連想させる
しかし・・・・そんなに恥じらいもなく手を抑えないでくれ
「チビ言うな・・・・」
平均より・・・・小さい
違うな・・・・彼女の身長は145cmほど・・・・小さすぎだ
これは言われてもしかたないとお父さんは思うぞ
「ねぇ、綺羅ちゃん身長はともかく、胸は私の勝ちだよね?」
「そんな貧乳なんかより私のほうがいいよね?」
もう胸を触られているという羞恥心はは彼女らにはないらしい
幸いなことに教室に残っているのは女子だけなので・・・・
そのせいかも・・・・
「うむ、先に離してくれたらほうが勝ちにしよう」
「だめ〜!」
「ダメですよ・・・・綺羅くん」
もうどうとでもなってくれ
そんな感じで翌日
俺は早速不眠不休の重労働の身体をねぎらうべく居眠り中だ
「突然ですが転校生です」
なんだよ、俺の眠りを妨げるな・・・・ボケ教員
こつこつ・・・・足音が俺の前で止まった
無視・・・・無視・・・・・
ん・・・・なんかデコになにか触れた
狂気の叫びと嫉妬の声・・・・
「な・・・・なんでここに」
いつもアホなことしか言ってない恭二がめずらしく驚いている
しかし!俺の眠りは妨げる奴は・・・・ゆるさん!
誰だ?俺の安息を奪う愚か者は・・・・
あれ?開けた視界に浮かぶのは外人の超絶美少女だった
ほう、キミは謀反を起こした人物かね・・・・?
あれ?二度目・・・・
この子・・・・どっかで!
少女は俺を見てニコっと笑んだ
「お久振りですね・・・・・綺羅さま」
どうやらこの子と俺は知り合いらしい
「な、なにするかーーーーー!!!!」
思考回路が復活する前に桜の狂気の声が教室中に響いた
うるさいな・・・・俺はすぐに寝たいのに・・・・
「姉ちゃん・・・・あんたいま綺羅ちゃんになにをしたんだ?えぇ!?」
「どこの国の人間だよ・・・・・」
どうやら寝起きでもツッコミ能力は健在らしい
「キスですわ?」
「外人だからか?」
素で返してるよ俺・・・・
「いえ、私がキスするのは綺羅さまだけですわ」
そうですか、俺のことをそこまで気に入ってくれましたか
ありがとう、俺は・・・・
寝る・・・・
「ぐがーーーー」
もうどうでもよくなった
「寝るなや、こら!」
しかし桜さんは俺を安眠するのを許してくれないらしい
「どうしたんだ?可愛い顔が台無しだぞ?」
「いやん♪」
はい、お休み・・・・・
悲しいかな人は睡魔と食欲と以下略には勝てんのだ
「・・・・野暮天」
「誰が野暮天だと・・・・!」
無意識な反応で俺は起き上がり声の主を探した
犯人は・・・・?
桜じゃないよな・・・・?
恭二は・・・・寝ている・・・・自分だけ・・・・あとでお仕置きだ
しかし、野暮天?どっかで聞いたことあるな
「ああ、アトリの口癖だな・・・・」
謎は解けた・・・・寝よ
「綺羅ちゃん・・・・あんたすごいよ、惚れ直したよ、こんな状況なのに寝れるなんて」
ありがとよ・・・・
「思い出してくれたの?綺羅さま・・・・?」
ああ、俺のこと?俺は綺羅さまだよ?
でもね忠臣蔵とは関係ないよ・・・・字が違うし
俺はね、殺されるような偉人ではありません
では・・・・
あれ?三度目・・・・
俺をさま付けする人間なんて一人だ・・・・
冷汗が俺の背中を何筋も伝っていく
「まさか、アトリ・・・・?」
「はい♪」
穏やかな笑みが俺を昔に戻した
今やこの町のプリンセスの志乃
そして志乃と並んでも見劣りしない少女アトリ
二人とも俺の幼馴染だ
なんでここに?
キミは・・・・・
死んだって聞いた・・・・不治の病で
このときからゆっくりと俺の時間は動き出した |