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1
ジリリリ〜ジリリリ〜
今日も朝を知らせる目覚ましの音が部屋の中に響き渡る。
「うるさい…」
ジリリリ〜ピッ……
そういいながら弘樹は目覚ましを止め、また眠りに付こうとした。
ガチャツ!! その時ドアが開いた。
「ヒロ!!早く起きなさい!!学校遅刻するわよ!!」
大声で叫びながら由紀姉が部屋に入ってきた。


「ヒロ聞いてるの?早く起きないさい」
「起…きてる。起きて…るよ…Zzz……」


「まだ起きないつもりかしら?なら――」
由紀は弘樹の布団を掴みそのまま宙へと放り投げた。
その瞬間僕は空を飛んだ…。そののまま床へと落っこちた。
「グヘッ…。イッッテェ〜!!由紀姉何するんだよ」
床に落とされた僕は由紀姉へと抗議の声をあげる。
「ヒロが起こしても起きないからでしょ!!」
(由紀姉いっつもこうやって僕のことを起こすんだもんな……)
「早く起きて朝ごはん食べちゃいなさい!!」
「わかったよ…」
弘樹はしぶしぶ起き上がり、姉とリビングに向かった。
(由紀姉はちょっと乱暴だ…。でも、とても優しく強い姉だ…。僕はそれを知っている。)
僕たちは小さい頃に両親を事故で亡くしたんだ…。そして僕たち二人は親戚の家に預けられた。
その頃僕は小学生、由紀姉は高校生だった。
僕は両親を亡くしたこともあり、学校ではよく苛められ、よく泣いていた…。僕は弱かったから……。
そんな時にはよく由紀姉が優しく抱きしめてくれてたんだ。
「ヒロには私がいるから…だから泣かないで」
そう言って僕を慰めてくれた。そんな由紀姉のことが僕は好きだった。
年月が流れ由紀姉は高校を卒業し、就職をした。僕は中学生になった。
そして由紀姉は、高校でバイトして貯めたお金を使い僕を連れて、親戚の家を出てアパートを借りた。
今はそこで二人暮らしをしている。由紀姉は一生懸命働いて僕のことを養ってくれている。
僕はそんな姉のことをとても尊敬している。今の僕があるのも由紀姉のおかげなんだ…。
なんだかんだ言って由紀姉はいつも僕のことを心配してくれている。
だから僕は、由紀姉が心配しないようにいつも笑顔でいるようにしている。
それが唯一僕が由紀姉にしてあげられることだから…。
「今日の朝ごはんもうまそうだね」
リビングにはすでに朝食の準備がしてあった。
「今日のお味噌汁は自信作なの。ヒロ、一杯食べてべね♪」
「うん。いただきます!!」
僕は由紀姉の作ったごはんを食べ始めた。少したって由紀姉が聞いてきた。
「ヒロ最近学校ではどう??」
「どうって…何が??」
「ほら、その…苛められたりとかしてない?」
「大丈夫だよ。今は友達だって沢山いるしね」
「そう?それならいいんだけど…」
「由紀姉は心配しすぎだよ」
「それはヒロのこと心配…だから」
「わかってるよ。でも本当に大丈夫だから」
(そう、僕は昔とは違うんだから…)
「ん…ごちそうさま!!」
「おそまつさま」
「それじゃあ由紀姉、僕学校行ってくるね!」
「わかったわ。行ってらっしゃい」
ガチャッ!! 玄関を開け外へと出た僕。外は眩しく今日も天気がいいようだ。
「早くしないと遅刻しちゃう」
弘樹は足早に学校へと向かって言った。そしてその背中を見つめる由紀。
「友達がいっぱいいる…か。昔は私しかいない子だったのにな…」
2

「やばい!!もうこんな時間だ」

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン

授業始まりの予鈴が鳴った同時に弘樹は教室へと入っていった。
「ハァ〜ハァ〜…間に合った…」
「弘樹君オハヨッ♪今日はギリギリだったね」
「ご…後藤さん。お…おはよう…ハァハァ」
元気に挨拶をかわしてくれた彼女は、後藤沙耶花さん。
この学校で知り合った人で、結構仲がよかったりする。
「お疲れの様子だね弘樹君は」
「い…急いできたからね」
「そっかそっか♪早く席に着いたほうがいいよ」
「うん…そうするよ」
ガタガタッ!!   弘樹は自分の机の椅子を引き腰をおろした。
「ふぅ〜…」
その時横から声が掛かってきた。
「お疲れだな!!弘樹!!」
「あ〜彰か…」
「何だよその薄い反応…」
今話しかけたきた男は高瀬彰。こいつとも中学で知り合ったのだが、今は悪友だったりもする。
「それで何かよう??…彰」
「そうそう。弘樹コレいらないか??」
「何それ??」
「新しくできた遊園地の無料チケットだよ。明日の休みにでも行こうかとおもってたんだけど、
明日は用事ができちまって俺いけないからやるよ!!」
そう言って彰は僕に二枚のチケットを渡してきた。
「後藤でも誘って行ってこいよ」
「何で後藤さん??」
「何で…ってお前わからないのか??」
「だから何がだよ!!」
「あいつお前のこと絶対好きだぜ。好きじゃなくても好意みたいなものは抱いてるはずだ!!」
「はぁ??何言ってるんだよ」
僕にはその言葉を信じられなかった。あの後藤さんが僕を??そんなことあるなずがない。
彼女は学校でもかなり人気のある女の子だからだ。
「そんなことあるわけないだろ…」
彰は異性同士の好意などが勘でわかるらしい…。正直信じがたいが…。
「お前はそういうのに鈍感だからな。まぁ〜とりあえず誘ってみろって!!そしたらわかる」
(まぁ…誘うぐらいならいいかな)
「わかったよ。いちおう後藤さん誘ってみるよ」
「それでいいんだ!!」
彰は納得したように頷いた。

そして放課後。僕は後藤さんを誘うためチケット持って近付いた。

「あのさ…後藤さん」
「ん…あっ弘樹君!!何々??」
「明日って暇かな?」
「暇だけど…何かあるの??」
「彰から遊園地のチケット貰ったんだけど、よかったら一緒にいかないかなとおもって」
「え…私と??」
「嫌だったら別にいいよ。他の人誘うからさ…」
「嫌なんてことはないよ!!でも…そのそれって二人だけだよね??」
「あ…うん。そういうことになる…かな」
(なんか困ってるっぽいかな…誘うんじゃなかったかも)
「なら行く♪」
(弘樹君と二人だけの時間だ…嬉しいな///)
「えっ!?ホント…よかった。それじゃ明日十時に遊園地の門の前でいいかな??」
「うん!!それじゃまた明日ね」
後藤さんは足早に去っていった。
(明日弘樹君と遊園地か…緊張するな///。そうだ、明日は弘樹君に…言おう――)

帰り際に彰が僕のことを追いかけてきてこう言った。
「ほら!!言ったとおりだっただろう」
「何がだよ」
「後藤がお前のこと好きって話だよ!!」
「あんなんでわかるわけないだろ!!」
「お前本気で言ってんのか??」
「彰こそ何言ってるんだよ」
僕は彰の言ってることがよくわからなっかた。ただ遊園地に誘っただけで相手が自分のこと好きか
どうかなんてわかるわけがない。
「お前さ…好きでもないやつと二人でどっか出かけたりするとおもうか??」
「えっ……」
彰に言われて気づいた。
「そうだよな…男と二人なんだもんな。普通なら行かないよな…」
「そういうことだ!!弘樹〜明日は頑張れよ!!」
彰はそう言って自分の家に向かって歩いて行った。
僕は彰に言われたことが気になりながらも家路に着いた。

僕は家に着き玄関を開けた。

ガチャッ!!   

「ただいま由紀姉」
「おかえりヒロ!!」
帰ってくると由紀姉がもうご飯の準備をしていた。
「今日はヒロの好きなハンバーグよ!」
テーブルにはこんがりと焼けたハンバーグがお皿の上に乗っていった。
「おいしそうだね。みてたら余計お腹が空いてきたよ」
「それじゃあ、早く手を洗ってきなさい」
「うん。」

ジャァ〜!!  弘樹は洗面台で手を洗いながら思った。
(明日のこと由紀姉に話さなくちゃね…)

そして僕は席にもどり、由紀姉と一緒にご飯を食べた。
「由紀姉」
「何??ヒロ」
「明日なんだけど、僕友達と出かけてくるね」
「友達??」
「そうだよ!!遊園地に行くんだ」
「そう…それって…男?それとも…女?」
そう聞いてきたときの由紀姉の顔はとても恐く見えたような気がした…。
それを見た僕はなぜだか知らないけど…そう、なぜか知らないけど女の子と行くとは言えなかった…。
「男だよ男。彰っていう奴」
「ホント??」
「本当だよ。僕が由紀姉にうそついたことある??」
「そうね。なかったわね。」
この日僕は初めて由紀姉に嘘をついた…。

3

ジリリリ〜ジリリリ〜
朝を知らせる目覚ましの音が鳴った…。
ジリリリ〜ピッ……
弘樹が目覚ましを止めて起き上がった
「んんん〜……あれ??」
そして時計のさす時間を見て驚いた。
「えっ…もうこんな時間!?」
時計の針は待ち合わせの時刻、十時をさしていた。
「やばいっ!!完全に遅刻だよ…後藤さん待ってるかな…」
(でもどうしてだろう…昨日は遅れないぐらいにちゃんとセットしておいたのに…)
弘樹は急いで服に着替え、出かける準備をした。
そして足早に玄関へと向かった。
「由紀姉もう僕行くから!!ん…??由紀姉!!」
弘樹の声には何も返ってこなかった。
(由紀姉も出かけたのかな??)
そんなことを考えたが、今はそんなことを考えてはいられないとおもいなおし、急いで外に出た。
ガチャッ!!
「由紀姉がいないなら鍵閉めなくちゃ」
ガチッガチッガチンッ!!
「よしっ!!これでOK」
鍵を閉めた弘樹は待ち合わせの遊園地に向かい走った。

そのころ遊園地の門の前では……
(弘樹君遅いな…忘れちゃってるのかなぁ…)
一人でずっと待っている沙耶花の姿があった。
(どうしよう…もうこないのかな…ううん、もう少し待ってみよう。
せっかく弘樹君のためにお弁当だって作ってきたんだから!!)
そして、もうすぐ時間が十一時になる頃に弘樹は到着した。
「ご…ごめん、後藤さん…ハァハァ…待った……に決まってるよね」
「あっ弘樹君!?よかったきてくれたんだね。もうきてくれないのかとおもったよ」
「ホントにごめんね!!ちょっと寝坊しちゃってさ……」
「いいよいいよ。ちゃんときてくれたし…それに待ってるのもデートのうちだしね♪」
弘樹はその言葉を聞いて素っ頓狂な声をあげた。
「デ、デート!?」
「そうだよ♪若い男女が二人きりでお出かけなんてデートだよ」
「そ…そうだよね」
(デート…そうだよね。考えもしなかったけど、これってデートになるんだよね)
デートなんてことを考えていなっかた弘樹は少し焦っていた。
「とりあえず中に入ろうよ弘樹君♪」
「あ…うん」
(ほんとどうしよう…僕デートなんてしたことないしな…)
そんなことをおもいながら沙耶花と中に入っていった。

そんな二人の後ろ姿を見つめる人影・・・。
「やっぱり・・・」
その人影は由紀のものだった。
別に弘樹のことを信じていないわけではなかった。ただ、女の勘というものなのだろうか、
由紀は何か嫌な予感がして弘樹の後をつけていたのだった・・・。

 

 

 

「弘樹君まずはどれ乗ろうか??」
「そうだな〜、後藤さんの好きなのでいいんじゃないかな」
(僕、全然エスコートできてないよ・・・)
「じゃあアレに乗ろうよ!!」
「アレ乗るの・・・??」
沙耶花の指の先にあるのはジェットコースターだった。
「ダメかな??」
「そ、そんなことないよ。乗ろうか!!」
(僕、本当はああいうのは苦手なんだけど・・・仕方ないよね・・・ハァ〜)



「楽しかったね弘樹君」
「う、うん。そうだね」
苦手な乗り物に乗せられ元気を無くした弘樹。そこに追い討ちをかけるように沙耶花は次の乗り物を示した。
「次はアレにのろうよ♪」
「・・・・・・」
沙耶花の示した先にあるのはバイキングだった・・・。
「そうだね。あれに乗ろうか・・・」
(後藤さん絶叫系好きなのかな・・・こんなのが続いたらさすがにやばいかも)
そんなことを考えずにはいられなかった。




「次はアレ!!」
「ハァハァ・・・」
その後も沙耶花と弘樹は色々な乗り物にのったが、どれも絶叫系で弘樹は心身ともに疲れた状態になり、
昼をだいぶ過ぎた時刻を迎えることになった。
「どれも楽しかったね弘樹君♪」
「そ、そうだね・・・」
(どれも絶叫系だったから正直疲れた・・・でも、こんなに後藤さんが喜んでくれてるなら
乗ったかいがあったかも)
弘樹は後藤さんの笑顔を見ていたら、疲れなどどうでもよくかんじてきていた。

そんな二人のやりとりを見ている由紀。
「何・・・なんなのあの女!!私の、私のヒロとあんなに楽しそうに喋って・・・ヒロもヒロよ!!
デレデレしちゃって」
二人を見ている由紀に生まれてきたのは怒りという感情だった。

 

「そういえばお腹空かない??」
時間的にお腹が空いているころだろうとおもい、沙耶花にそう尋ねた。
「あっ!?もうこんな時間なんだね。うん、何か食べようか」
(よ、よし今日は私が作ってきたお弁当食べてもらうんだから!!お昼はだいぶ過ぎちゃったけど・・・)
「後藤さん何が食べたい??僕買ってくるけど」
そう言う弘樹に沙耶花は恥らいながら、言葉にする。
「あ、あのね・・・今日は私弘樹君のためにお弁当作ってきたんだけど、食べてくれるかな///」
「えっ!?僕のために」
「う、うん。弘樹君のために///・・・もしかして迷惑だったかな??」
「ううん、そんなことないよ!!すごい嬉しいよ!!」
(僕のため・・・か。女の子にお弁当作ってもらうなんて由紀姉以外で初めてかも。なんか緊張するな・・・)
心の中ですごい動揺をしてしまっていた。
「それじゃあ、あそこに座って食べようよ弘樹君♪」
「あっうん。そうだね」
そうして二人は近くのベンチに座り食事を始めた。



「ごちそうさま!!」
「おそまつさまでした。ど・・・どうだったかな味のほうは??」
「すごいおいしかったよ!!久しぶりにあんなにおいしいご飯を食べた気がするよ」
「ホ、ホント!?よかった〜弘樹君のお口に合うか心配だったんだよね」
「全然問題ないよ。こんなにおいしい料理がつくれるんならいつでもお嫁さんに行けるね」
「ほ、褒めすぎだよ〜///」
(お嫁さんかぁ〜///弘樹君のならいいな・・・なんて)
「そんなことはないとおもうけどな。自信持っていいとおもうよ。
それじゃ、ご飯も食べたし少し休憩したらまた何か乗りに行こうか」
「そうだね」
こうして二人の食事の時間は終わっていく。

そのやりとりも由紀はずっとみていた・・・。
「弘樹・・・私の前でもそんな笑顔最近見せないのにその女には見せるんだね・・・。
やっぱりその女のせいなんだね」
そう呟きながら二人を見つめる由紀の影は消えていった。

弘樹はもう遅いので沙耶花に帰ろうと促した。
「えっ!?もうこんな時間なんだね・・・。楽しい時間ってすぐ過ぎちゃうんだよね」
「そうだね。こんなになるまでつき合わせてごめんね」
「全然いいよ。私もすごく楽しかったから。今日は誘ってくれてありがとね」
(ホントのホントにすごい楽しかったんだよ・・・大好きな弘樹君と一緒だったから・・・
本人には言えないけどね///)
「そういってもらえると助かるよ」
こうして二人の楽しい時間にも終わりがやってきて、遊園地の門の前で別れようとしたとき、
沙耶花が弘樹に言った。
「あ、あのね弘樹君」
「ん、なに??」
「最後に一つお願いがあるんだけどいいかな??」
「別に僕にできることならだけど」
「あのね、その・・・」
(後藤さん何を言おうとしてるんだろう・・・)
「そのね弘樹君・・・私のことなんだけど」
「後藤さんがどうかしたの??」
「それ!!それなんだけど・・・これから私のこと沙耶花って呼んでくれないかな///」
「えっ!?名前で呼ぶの!?」
急な沙耶花の言い出しに焦る弘樹。
「うん、出来れば弘樹君にはそう呼んでもらいたいのダメかな??」
「いや、後藤さんがそれでいいって言うなら僕は構わないけど・・・」
(女の子を名前で呼ぶなんて少し恥ずかしい気もするな・・・)
少し考え、意を決して弘樹は言った。
「じゃあ・・・さ・・・沙耶花でいいのかな??」
「うん・・・ありがとう///これからはそれでお願いね・・・///それじゃあ弘樹君また明日学校で」
「うん。それじゃあね。」
こうして二人のデートは終わっていき、沙耶花と別れた弘樹は自宅へと戻っていた。



「はぁ〜それにしても今日は楽しかったな。最初はすごい緊張したけど、途中からは楽しくて
そんなの忘れてたし、
普段とは違う後藤さんも見れたし・・・・・・そうだ沙耶花って呼ばなきゃいけないんだっけ。
今更だけどやっぱ恥ずかしいな。でも、悪い気分はしないな」
そんなことを言っている弘樹の顔はにやけているのであった。
「それにしても由紀姉はまだ帰ってないみたいだけどどうしたんだろう??・・・まぁ由紀姉なら平気だよね。
しかっりしてるし。そんなことより僕はあした学校なんだからもう寝ないとな・・・」

こうして弘樹の長い一日が終わっていったのであった。

4

「ふぁぁ〜もう朝か・・・」
弘樹は朝になって目を覚ました。
「なんか昨日のこと考えてたらなかなか眠れなかったんだよね・・・なんか顔合わせずらいな」
そんなことを呟きながらリビングへ向かう。
「おはようヒロ」
そこには朝食の準備をすまして座っている由紀の姿があった。
「あぁおはよう由紀姉。昨日は結構遅かったみたいだけど、どうしたの??」
「ちょっと仕事が溜まっててね」
「そうなんだ。ごめんね由紀姉は僕のために一生懸命働いてくれてるのに、
僕は由紀姉に何もできなくて・・・」
「そんなことは気にしなくていいのよ。私はヒロが元気にしていてくれれば
それだけで十分なんだから」
「ありがとう・・・由紀姉」
「やぁね朝からシリアスな雰囲気つくちゃって。ところで、昨日は楽しかった??
たしか彰君だったけ一緒にいったのは??」
「えっう・・・うん、そうそう彰だよ!!まぁ結構楽しかったかな」
(今更女の子と行ったなんて言えないよね・・・)
「そう、それはよかったわね」
(やっぱりまだ嘘をつくのねヒロ・・・)
二人は心に各々の思いを抱いていた。

そして朝食も終わり、弘樹は学校へと向かう。
「それじゃ行って来ます」
「行ってらっしゃい」

一方そのころ・・・。

沙耶花side

登校中の沙耶花。
「ふぅ〜どうしよう、昨日は勢いで名前で呼んで欲しいなんて言っちゃったけど・・・
これってすごい恥ずかしいことだよね///うわぁ〜なんか考えてたら余計に恥ずかしくなってきたよ〜
やっぱ言わなきゃよかったかもなんてちょっと後悔。でも、これで二人の距離は縮むこと
間違いなしだよね!!えへへへへっ」
周りから見たら多少危ない人にも見えなくもない沙耶花だった・・・。

視点は戻り。

弘樹side

「学校が近づくにつれてなんかドキドキしてきたな・・・こういうときは深呼吸深呼吸、
スゥーハァー」
「お前何してんだ??」
「うわぁ!?な、何だ彰か・・・びっくりさせないでよ」
「いや、お前が道のど真ん中で突っ立てるのがいけないんだろう」
「ま、まぁそれは確かに・・・」
「でだ、昨日はどうだった??」
「何が??」
「何がってお前・・・昨日は後藤と行って来たんだろう??」
「おかげさまでね」
「それでどうなったんだ??はっ!?まさか最後まで・・・」
「それはないから・・・ハァ〜彰と話してると本当に疲れる」
「そこまで言うことないだろ」
そんなやりとりをしている間に校門前に付いてしまった二人。

校門の前には沙耶花の姿があった。
「あっ」
声を上げる沙耶花。
「お、おはよう弘樹君」
そしてぎこちなく弘樹にあいさつをする。
「おはよう。さ、沙耶花」
「沙耶花!?」
その言葉を聴いて驚愕の声を上げる彰。

「まて弘樹」
「な、何だよ」
「まさかとは思っていたが、お前らもうそういった関係だったのか??」
「そういったってどんな関係だよ」
「そりゃお前ちちくり合う仲だろ」
「ちちくりって・・・お前いつの時代の人間だよ」
「そんなことはどうでもいい!!お前に聞いても話が進まないな」
そう言って沙耶花のもとへと近づく彰。そうして耳元で・・・。
「なぁ、さっきのは冗談として、実際のところはどうなんだ??
もう付き合ってたりするのかよ??」
「ううん、付き合ってはいないよ。ただ私のこと名前で呼んでってお願いしたの」
「そうか。でもこれで後一押しだぞ後藤。あいつはもうお前の手中にあると言っても過言じゃない!!」
「えっいや、私は別に・・・」
「ねぇ、二人ともさっきから何を話して・・・」
「ちょっと静かにしろ!!今後藤と大事な話中だ!!」
「は、はい・・・」
彰の威圧に負ける弘樹だった。
「後藤お前は本当にそれでいいのか??何を隠そうもうすぐ夏休み。それを一人で寂しく過ごすのか??」
「もう夏休みだったけ??」
「あぁ、そうだ。作者の季節に合わせるからな。もう夏休みでもおかしくない!!」
「あ、あの・・・作者って」
「細かいことは気にするな!!それでだ、今ならもうすぐで彼氏ができるとこまできているんだぞ。
このチャンスを逃すのか??いや、そんなことはお前にはできないはずだそうだろう??」
「確かにそんなような気も・・・」
彰に洗脳されつつある沙耶花。
「ならどうする、それは只一つ。すぐにでも告白しなさい」
「うん・・・って告白!?」
「今のお前なら、弘樹はすぐにでもOKを出す。俺を信じろ」
「でも私そんな勇気ないよ」
「今しなければきっと後で後悔するぞ」
そう言われ沙耶花は悩んだ。
(そうだよね後で後悔するなら、ダメでも今するしかないよね)
「わかったよ。彰君を信じるわけじゃないけど私頑張ってみるよ!!」
「そうだ!!途中気になる言葉が入っていたけどそこはあえて気にしないでおこう」
「あのですね、お二人とも・・・」
何故か敬語になりつつも話しかける弘樹。
「弘樹後少しだ!!もう少し待て!!・・・それでだな今日の放課後なんてどうだ??」
「それは早すぎじゃ・・・」
「いや、早いに越したことはない!!」
「なんか今日の彰君恐いよ・・・」
「友のためなら修羅にもなれる男がこの俺さ。ってことで今日の放課後に決定だ」
「私の意見は無視なのね・・・」
「セッティングは俺に任せとけよ!!後は後藤・・・お前次第だ」
「頑張ってはみるけど・・・」
「よし!!・・・話は終わったぞ弘樹。早く行こうぜ!!」
「もうかなり遅刻だけどね・・・」
「何!?」
「うそ!?」
彰と沙耶花は驚いた。
「何んでもっと早くに言わなかったんだよ!!」
「言おうとおもったけど、最後まで話させてくれなかったじゃんか!!」
言い争う二人に沙耶花が言う。
「そんなことはいいから早く早く!!ダッシュだよ」

こうして遅刻という代償を得て決意を固めた沙耶花だった。

 

そして時は過ぎ、放課後・・・。

「よし後藤勝負の放課後だ!!」
「うん。わかってるよ・・・」
「もうすぐ人がいなくなっるだろ??そこで俺が弘樹に残ってるように言うから、
そこにお前が入っていってそこでお前は告白するんだ。な、完璧だろ??」
「完璧かどうかはわからないけど、やってみるよ」
こうして二人が動き始めた。
「おい、弘樹〜」
「何だよ??」
「ちょっとこの後教室に残ってて欲しいんだどさ」
「え〜何でだよ」
「そこはほら、男同士の大事な話し合いってやつがあるんだよ」
「しょうがないな・・・」
「とりあえず先に職員室に呼ばれてるからさ、少しだけ待っててくれよ」
「早くしろよな」
「おう、わかってるよ」
そして教室に一人残る弘樹。

待つこと10分。
「彰のやつ遅いな・・・帰っちゃおうかな」
彰が来るのが遅いため帰ろうかと考えている弘樹。その時教室のドアが静かに開いた。

「遅いよあき・・・あれ沙耶花??」
弘樹の前に現れたのは彰ではなく沙耶花だった。
「どうしたのこんな時間に??」
「ちょっと用事があって・・・」
(よし、ここまでは彰君の計画通りにいった。問題はこの後だよね・・・
どうやって話を切り出そうかな・・・)
「そうなんだ。僕は彰を待ってるんだ。あいつ来るの遅くてさ、
もう帰っちゃおうかなっておもってるんだ。ハハ」
「あ、あの・・・帰らないんで欲しいんだけど」
「えっ!?」
「私が用事あるのは弘樹君になんだ」
「僕に用事??」
「うん。それで彰君に手伝ってもらって、弘樹君に残ってもらったの」
「そうなんだ。それはわかったけど、用事って何かな??」
「あ、あのね・・・わ、わたしね・・・」
その言葉を最後に沈黙が続く。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
そうして暫くして沙耶花が意を決したように言葉を放った。
「・・・ずっと弘樹君が好きでした!!私と付き合ってください!!」
「えっ!?」
急な告白にあせる弘樹。しかし弘樹の心はすでに決まっていた。
「僕でいいなら・・・よろこんで」
「嘘・・・夢見たいだよ・・・ウゥゥ」
弘樹の答えを聞いて、嬉しくて泣き出してしまう沙耶花だった。

こうしては付き合うことになった弘樹と沙耶花。しかし、これから二人に起こるであろう
出来事はまだ誰も知らなかった・・・。

2006/07/24 To be continued....

 

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