INDEX > SS >姉弟

姉弟のクリスマス・イヴ

 

1

もうすぐクリスマス、どうせだから両親にはゆっくり休んでもらうために旅行を
プレゼントした。まぁ、ゆっくり旅行に行ってもらうのはもう一つ理由があるけどw
私には弟がいる。親が仕事で遅くなったりした時は、ずっと私が面倒見てきた。
もう私が育ててきたようなモノだから、可愛くて仕方ない。
そんな弟も大学生、最近私が来るとちょっと煩わしそうな態度を取る。
「そんな構わなくても大丈夫だから」とか言う。自分では大人のつもりなんだろうけど
そんな事言ってる時点でやっぱり子供。私がいないと料理すら困るくせにw

…でも弟が一番分かっていないなと思う時は、大学の女友達らしい子の話をする事だ。
女は外面良く振舞うのが、やっぱり見抜けてないのよね。
ウチの弟、なんか母性本能刺激しちゃう所があるから…。変なのに引っかからなければ
いいんだけど。だからこそクリスマスは弟と二人で…


クリスマスの少し前に姉から「クリスマスは一緒に過ごすからね、楽しみにしててよ」と
言われる。いや、実は先約入ってるんだよね…。断ろうとしても有無を言わさぬ笑顔で
微笑まれるとどうしても言えなくなるよな。彼女と過ごすだなんて…。

結局姉には言えず彼女とデートに行ってしまった。姉の事を思うと、良心が痛んだが、
隣にいる彼女の、楽しそうな表情を見てしまうと、これで良かったかなと思ってしまう。
いつまでも姉弟でいられるわけでもないし、これがいいきっかけになるかもしれない…


買い物を済ませて、弟の待ってる自宅へと帰る。もちろん弟へのプレゼントだって忘れていない。
逸る気持ちを落ち着かせようにも、どうも落ち着かない。両親を旅行に行かせた理由もここにある。
弟と一緒に一晩を過ごしたかったのだ。すでに弟への気持ちが、血の繋がる中での愛情を越えている
事なんて自覚していた。弟全てを私のものにしたかった。大学に入るまでは弟のためと我慢していたが、
もう縛るものなんてない。一つになるのが必然だ…
などと思いをめぐらせると家についていた。おかしいな、明かりが消えてる。疲れて寝ちゃったのかな。


コース料理も堪能し、デートも終わりに近づいてきた。
結構高かったんだぞwまぁ、一緒にいられるのがなによりなんだが。
むしろこれからのスケジュールが本番だったりするがw
窓から夜景が綺麗だぞ、きっと…。
今夜の都合のいいように、雪が降り出した。ホントに綺麗だ。
彼女と繋いでた手が引っ張られる、それと共にドンと音がする。
ちょっとはしゃぎすぎだろ、しかも今度は手離すし。
気になって隣に目をやる。…自分の手が、赤で染まっている。
目の前に姉の姿…
…どうなってんだよ。黒に染まる意識の中で姉の声が聞こえる
「だから、女に騙されるなって言ったじゃない。あなたは…私のものなの」

2006/01/23 完結

 

inserted by FC2 system